2019/12/31

5042:年の瀬  

 今日は2019年の最後の日であった。だからといって時計の針の動きがゆっくりとなるということはない。いつもと同じように冷酷なまでにスムースに時は進んだ。

 「今年はどのような1年であったであろうか・・・」家族と一緒に紅白歌合戦をぼんやりと観ながら、無意識のうちに振り返っていた。

 趣味の分野において、とても大きな位置を占めるようになったロードバイクに関しては、良いことが一つあった。

 それは私にとってもっとも大事なヒルクライムレースであるMt.富士ヒルクライムで、自己ベストを更新できたことである。

 Mt.富士ヒルクライムに初めて参加したのは、2013年のことである。その頃既に私は50歳・・・十分いい年である。

 数多く参加するウィークエンドローディー達の一つの目標は1時間半を切ることである。1時間半を切れるのは参加者の3分の1ほどであった。

 私も1時間半を切るとこを目標に参加したが初回は1時間34分36秒で惨敗した。翌年も1時間31分27秒で1時間半をあと少しのところで切れなかった。

 ようやく「三度目の正直」という感じて、三度目の参加にして1時間半を切ることができたのは2015年のことであった。

 その後も毎年参加し続けた。タイムも50歳を超えたウィークエンドローディーとしてはそれほど悪いものではなくなってきた。

 2016年は1時間23分43秒、2017年は1時間24分12秒、2018年は1時間22分59秒、そして今年、2019年は1時間22分48秒であった。

 この年齢になると普通は年齢を加えるほどにタイムは落ちていくものであるが、そういった流れに逆らいながらここ数年を過ごしてきた。

 やがて年が変わる。つまりまた1年年齢は無情にも加算される。次のMt.富士ヒルクライムに参加するときには57歳である。

 確かにもはや「中高年」として、「きみまろ」にいじられる年齢層にどっぷりと入り込んでしまった。

 しかし、あと数年は河を遡るサケのように老骨に鞭を打とうかと考えている。新たな年もMt.富士ヒルクライムでの自己ベスト更新を目標にしようと思っている。

 次のMt.富士ヒルクライムの日程は6月7日に決まった。先行エントリーの受付が2月14日から始まるようである。一頃はエントリーすら大変な加熱気味の時もあったが、最近はのんびりしてても大丈夫である。それでも忘れずにエントリーを済ませよう。

 妻は紅白歌合戦を熱心に観ている。娘達はアイドルが出演する時のみ視線をテレビに移し、演歌系になると自分のスマホの動画を観ていた。

 静かな年の瀬である。ありふれたごくありふれた年の瀬である。今年は災害が多く、ありふれた年の瀬を過ごせることがどれだけ幸せかということを感じてしまう1年でもあった。

2019/12/30

5041:亜流  

 オーディオマニアのお宅に伺うと、結構な確率で珈琲にも凝っている場合がある。豆を専門店から購入して、ミルで挽いて、ペーパーフィルターやネルで淹れて徐に出されたりすると、「こだわっているな・・・」と感じる。

 私も一時感化されて、凝ってみた。自宅の近くの珈琲豆専門店で焙煎してもらったばかりの豆を購入し、Amazonで購入した電動ミルで挽いて、注ぎ口の細い珈琲ポットからお湯を細く細く注ぎ、珈琲を淹れて飲んだ。しかし、元来めんどくさがり屋の私の場合は長続きしなかった。

 そういえば、珈琲を淹れる時のお湯の温度も大切ということで、お湯の温度を測るための温度計もAmazonで購入したが、それはどこかの引き出しの奥の方に潜んだままになっている。

 というわけで、トーンダウンした珈琲熱は、「なるべく手軽なもの・・・」ということで、ドリップタイプのインスタントに向かった。

 一杯ごとに封を開けてカップの上に乗せてお湯を注ぐものである。「これでも十分かな・・・」という印象である。もちろん拘り派には「亜流」と言われてしまうであろうが、まあ、そこそこ派には十分であろう。

 そんなドリップタイプのインスタントで最近愛用しているのが、「スターバックス オリガミ パーソナルドリップコーヒー ハウスブレンド」である。

 5袋入って521円。この手のものとしてはやや高めである。つまり1杯当たりの単価は約100円ということになる。

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 これは濃厚でまったりとした味わいである。ぱりっと開いて両端の一部を折り曲げてマグカップに乗せる。そして細かく挽かれた粉を眺めると「多い・・・」と感じる。感覚的には普通のドリップコーヒーの1.5倍くらいの量が入っている。「これなら少し高くてもしょうがないか・・・」と思いながらお湯を注ぐ。

 さらに最近は手抜き度が増してきて、もう一つ良いものを見つけてきた。それはコンビニで普通に売られている「タリーズコーヒー バリスタズブラック」である。

 冷たいものを買ってきて、カップに注いで電子レンジでチンするという手軽さである。口に含むと、しっかりとした香りあり、コクも深い。

 酸味や苦味のバランスがよく、比較的スムースに飲み進める。タリーズが監修しているからか、香りが強く、深みがある味わいである。

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 時折「また拘ってみようかな・・・」とも思うことがあるが、きっと長続きしないであろう・・・時代は効率化の時代である。なるべく手軽に済ませる方がいいのかもしれない。

2019/12/29

5040:ミニマリスト  

 今日は自宅の大掃除であった。私はどちらかというと片付け好きである。神経質なまでの綺麗好きというわけではないが、極力ものがなくすっきりとしている方が落ち着く。

 若い世代の中には「ミニマリスト」が多くなっているとのことである。ミニマリストとは身の回りのもの、例えば衣服や家具、家電製品などを本当に必要なものだけに限定して、とても少ない「もの」のみに囲まれて暮らす人のことである。

 私はどちらかというとミニマリスト的な性格を有しているようであるが、他の3人の家族・・・妻と二人の娘は、まったくそういった要素を持ち合わせていないようである。

 なので、大掃除は結構大変な作業となる。妻はものをため込んでしまう、つまりなかなかものを捨てられない性格で、いろんな引き出しはいつ使うんだか分からないものが溢れている。

 上の娘は洋服好きで、収納スペースに入り切れないほどになっている。大掃除の後にリサイクルショップに持ち込むいらない衣類の入った袋が5つもできた。

 下の娘は漫画が大好きで、これまた本棚に収納できなコミックが山と積まれている。こちらも、もう読まないコミックを段ボール2箱に詰め込んで、BOOK OFFに持ち込んだ。

 年末はリサイクルショップも、BOOK OFFも大賑わいである。大掃除で出た要らないものが大量に持ち込まれるからであろう。

 「もの」を過剰なまでにためこもうとする性格もあれば、「もの」を極力排除し、あえて「持たない」という選択肢をする人もいる。まあ、人それぞれである。

 私は、コレクター気質といったものがないようである。オーディオマニアのお宅に伺うと、時折もの凄い量のレコードやCDが幾つもの棚にずらっと並んでいたり、床などに立てかけてあったりする。

 「もの凄い量ですね・・・」と関心はするが、私自身はそういった膨大なコレクションを持ちたいとは一切思わない。

 管理コントロールが十二分に可能で、最低でも1,2年に1回ぐらいは聴く・・・という条件を付けると、レコードもCDも300枚ほどが限度になってくる。

 もちろん新規に数十枚購入して、もう聴かないであろうものは、段ボールに入れてディスクユニオンに送るという循環があるので、中身は少しづつ入れ替わってはいるが、概ね300枚以下に抑えるようにしている。

 しかし、コレクター気質の方はそうではない。どんどんとそのコレクションは増えていく。「持っている」・・・つまり所有しているということが大事なのである。

 若い年代の人にミニマリストが増えているということは、「所有」ということに対するこだわりというものが、若い世代では希薄なのかもしれない。

 「物欲」や「金銭欲」「所有欲」・・・そういった欲望が若い世代は比較的ないようである。日本のように成熟した国(別の側面から見ると成長が止まり衰退していく国)では、そういったことは起こりやすい現象なのかもしれない。

 私はけっして若い世代ではない。「物欲」や「金銭欲」なども同世代の人並みにあるはずであるが、どこかしら「ものを所有する」ということに対して一種の罪悪感のようなものを感じるところがあり、ものを手放すと解放されたような気持ちになる。

 「これ捨てていい・・・」「だめ・・・絶対にだめ・・・また使うかもしれないでしょう・・・」そういったやり取りが今日一日、私と妻の間・・・私と娘たちの間で何度も繰り返された。今日はそういった一日であり、年末恒例の我が家の光景でもある。

2019/12/28

5039:SONY SS-G7  

 中学生の頃の友人の父親がオーディオマニアであった。私が初めて会ったオーディオマニアと言えるかもしれない。

 リスニングルームは8畳ほどの広さであった。ほぼ正方形の形の部屋であったことを記憶している。

 その当時は当然レコードの時代である。レコードプレーヤーはPIONEER製の重厚なものだった。プリアンプとパワーアンプに関してはどこのメーカーのものだったのか記憶が曖昧である。唯一パワーアンプに関して憶えていることは、大きなパワーメーターが前面にあったことである。

 そして、一番記憶に残っているのがそのスピーカーである。そのスピーカーはSONY SS-G7であった。

 サランネットを外してもらってユニットを見せてもらったことがあった。そこには大・中・小という感じで三つのユニットが綺麗に縦に並んでいた。

 ウーファーは38cmあり、その存在感はさすがという感じであった。スコーカーは10cmで、トゥイーターは3.5cm。

 その姿を見て意味もなく「凄い・・・」と思ってしまった。当時はユニットの数が多いほど高性能で良い音がするを信じられていた。

 さらに印象的であったのが、そのバッフル面の仕上げである。細かなラインが無数に縦と横に入り、まるで森永のミルクキャラメルの表面のような仕上げになっていた。

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 その時に聴かせてもらったのは、マーラーの交響曲第4番であった。朗々と鳴っていた。かなりの大音量だったと記憶している。

 「さすがに…高級なオーディオ機器で聴くと凄いな・・・」と中学1年生か2年生ぐらいであった私は感心した。

 その当時我が家のリビングルームの片隅に置いてあったのは「コンソールステレオ」あるいは「アンサンブルステレオ」と呼ばれていた四本足の付いたレコードプレーヤ、レシーバー、スピーカーの全てが一体となったかなり旧型のものであった。

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 VICTOR製であった。その我が家の古い機器と友人の父親のリスニングルームにある最新型のオーディオシステムでは、確かに隔世の感があった。

 そんな中学生の頃の経験が、その後40歳を過ぎてからオーディオに嵌まる遠因となったのかもしれない。

 それにしても、中学生の頃に聴いて憧れを抱いた1970年代のオーディオ機器よりもさらに20年ほど古いオーディオ機器が、我が家のリスニングルームに鎮座しているのは何の因果であろうか・・・

2019/12/27

5038:NAエンジン  

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 DACの電源部は実にしっかりとしたものである。やはりどう見ても真空管式のパワーアンプにしか見えない姿をしている。

 電源を入れると手前にある3本の真空管にオレンジ色の明りが灯る。そしてややタイムラグがあってから三つある青いLEDライトが灯る。

 部屋が薄暗いとその青いLEDライトはシャーシカバーの無数の丸い穴を通り抜けて天井に青い星々を照射する。

 シャーシカバーの中には3本の真空管の後ろに3個のトランスがうっすらと見えていた。なんだか頼りがいのある外観をしている。

 以前、DACマニアである大川さんのリスニングルームにお邪魔した時、そのオーディオラックには4台のDACがあった。

 Zanden Model5000、KRELL STEALTH、WADIA 12、JOB DA48がそれぞれ独立した棚板に置かれていて、あたかも工芸品のように展示されていた。

 それらはいずれもコンパクトで電源部一体型であった。特にJOB DA48はの掌の上に乗るぐらいの小ささで、とても美しく、小さく、独特の気品があった。

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 見た目だけで言えば、私のDAコンバーターの理想形はJOB DA48である。しかし、今私のリスニングルームにある市野式のDAコンバーターは、その理想形とは程遠い構造と外観をしている。

 そして、この巨大な電源部は新たな問題を我が家のリスニングルームにももたらした。それは従前であれば、3台のGTラックにはほぼ理想的なシンメトリック配置でオーディオ機器を収納できたが、DACが別躯体電源ととなったために、この電源部の収納スペースがラック内にないという問題である。

 当面、3台並んだGTラックの左脇にオーディオボードを敷いて、その上に置くしかないと思っている。そのためのオーディオボードも「山越木公房」に発注済みで、来月の末には納品される予定である。それまではラックの横の床に直置きとなる。

 さて早速試聴してみた。機器が降ろしたてで、電源も入れた直後ということで、期待値をかなり低めに設定して、CDを聴いた。

 我が家の「アナログ:デジタル比率」は「8:2」ぐらいである。ほとんどレコードばかり聴いている。CDは完全に脇役というか前座的な存在でしかない。

 新たなDACによってその比率を少しでもデジタル側に引き上げていきたいところである。できれば「7:3」ぐらいになるといいのであるが・・・

 さてその音の質感であるが、Mさんの所で感じた「アナログライク」な質感はやはり感じられた。

 その音の質感は「骨太」というのとも多少違うか・・・何かしらどっしりと構えているという感じであろうか・・・解像度が高いとか、音の輪郭がくっきりして隅々までピントが合っているというのとは違うベクトルに音の質感は向かう。

 「エンジンの排気量が上がった感じか・・・2.0Lの直噴ターボエンジンではなく、4.0Lの直列6気筒のNAエンジンの質感であろうか・・・ゆったりとしている。燃費は悪そう・・・」

 現代は「効率の時代」である。排気量を減らし、燃費を改善し、ターボを有効に使い高い出力を広い回転域で保つ・・・そういった時代の流れには逆行するDAコンバーターである。

 確かに、この電源部を眺めていると「効率」とは無縁の存在に見えてくる。一方でJOB DA48のようなDAコンバーターがあり、もう一方でこの市野式のようなDAコンバーターがある。まあ、それが趣味の世界である。

 従前使っていたO-DAC PRO MK2(私が勝手に付けた製品名である)と比べると、CP比の高さという点においてはO-DAC PRO MK2の圧勝である。

 O-DAC PRO MK2はポルシェ ケイマンのような乗り味であった。一方、市野式のDAC・・・例によってこのブログだけで通用する製品名を勝手に付けさせてもらうとするならば・・・「iDac Pro 3」はBMW 745iであろうか・・・もちろんクリス・バングルがデザインしたE65で、マイナーチェンジによって牙を抜かれた虎のような姿になる前のBMW 745iである。

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2019/12/26

5037:小さなつづら  

 二つの段ボール箱は次々に我が家の決して広いとは言えないリスニングルームに運びこまれた。一つは「小さなつづら」を思わせるコンパクトな形状で、もう一つは「大きなつづら」を思わせる高さのあるものであった。

 「大きなつづら」は「小さなつづら」よりも、その容量において2.5倍くらいである。アンプで例えるならば「小さなつづら」には薄型のプリアンプが入っていて、「大きなつづら」にはしっかりとした躯体のパワーアンプが入っている感じである。

 しかし、それぞれの箱の中には別々のオーディオ機器が入っているわけではなく、それぞれが別躯体ではあるが、一体として機能する二つの物体が入っていた。

 「舌切り雀」の優しいく謙虚なおじいさんは「私は年寄りだから軽くて小さなつづらにするよ」と小さなつづらを家まで持って帰る。そして家にたどり着いて中を開けると金銀財宝が入っていた。

 市野さんはおもむろに「小さなつづら」から開けた。中から出てきたものは、金銀財宝ではなく、DAC本体であった。

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 その姿は一切の虚飾を廃したシンプルな形状である。スイッチ類は一切なく、電源が入っていることを示す小さなパイロットライトが片隅にあるだけである。

 横幅は43cm、高さは9.5cm、奥行きは23cmである。コンパクトと言っていいであろう。三つ横に並んだYAHAMA GTラックの真ん中のラックの下段にそのシンプルな機器は納められた。もちろん重量も軽い。

 もう一方の大きめの箱・・・「大きなつづら」の中には、このDAC本体に電源を供給する電源部が入っているはずであった。

 市野さんが作製するDACは「主客転倒」である。一般的に別躯体電源というと本体の3分の1ほどの大きさが一般的であるが、市野さんのDACは電源部の方が本体よりもはるかに大きい。

 その姿を初めて目にしたのはMさんのリスニングルームであったが、その電源部はどう見ても真空管式のパワーアンプにしか見えなかった。

 「大きなつづら」も開けられた。「舌切り雀」の強欲なおばあさんは「大きなつづらにはもっと良いものが入っているに違いない・・・」と雀のお宿に押しかけ、挨拶もそこそこにお土産を求めて、大きなつづらを持ち帰る。そして待ちきれず家に帰り着く前大きなつづらを開けてみると、中からは魑魅魍魎が溢れ出すように現れた。

 大きなほうの箱からはもちろん魑魅魍魎が出てきたわけではないが、ある意味「魑魅魍魎」と言えなくもないDACの電源部が姿を現した。

2019/12/25

5036:E65  

 BMWの7シリーズを初めて間近に見たのは、大学生4年の頃であった。場所は成田空港。その一隅に発売されたばかりの2代目BMW(E23)が展示されていたのである。

 成田空港に行ったのは、自分が海外旅行をするためではなく、当時付き合っていた女の子が卒業旅行で海外に旅行に行くので、空港まで送っていったのであった。

 送り終えての帰り際にその7シリーズの展示を見つけて、時間に制約がなかったので、しげしげと眺めた。

 その姿は端正にして優雅。実に良いデザインに思えた。ウルトラ貧乏学生であった私には全く無縁の車に思えたが、憧れといった感情はしっかりと心に刻まれた。

 それから十数年が経過し、初めてBMW 7シリーズを購入したのは大学生の頃憧れの眼差しで見つめたE23の次の世代のモデルである735i(E38)であった。

 2002年に公開された映画「トランスポーター」で、ジェイソン・ステイサムが演じた主人公の愛車はE38の735iであった。

 E38は一世代前のE23の面影というか雰囲気をしっかりと踏襲していた。端正で落ち着いた造形美を誇っていた。

 その後BMW7シリーズは、次の世代になった時に大きな変革がもたらされた。新たにBMWのデザイン責任者になったクリス・バングルが最初に手掛けたのが第4世代の7シリーズ(E65)であった。

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 その変革ぶりは結構衝撃的で、従来のBMWファンからは批判が相次いだ。その批判に対してクリス・バングルは「一つのメーカーのデザインが安定してしまうと、それを見る人々の思想も固定されてしまい、顧客が固定されてしまう恐れがある。そしてタイムフレームの問題がある。革新的な作品に対して最初人々は驚きますが、やがて理解されるようになり 、評価が完結する。現在のBMWのデザインも5年、7年と時間が経過してから、評価が決まる。」と話した。

 E23、E38の調和的なデザインに対して、E65は確かにアバンギャルドな造形に溢れていた。それはエクステリアだけでなく、インテリアも同様であった。

 私も最初にE65を目にした時には首を傾げた。「これのどこが良いのであろうか・・・?」と思わざる得なかったのである。
 
 しかし、日本で発売が開始されたから2年ほどした頃に、そのE65は我が家のガレージに迎え入れられた。

 確かにE65のデザインは灰汁が強い。しかし、その灰汁は時間の経過とともに何かしらの魅力でもあると思えるようになったからである。

 そのE65は5年と半年の間、私の相棒として活躍してくれた。ともに走った距離は11万キロほどであった。

 12月22日の日曜日に、市野さんに初めて会った時、一番驚いたのがその乗られてきた車であった。

 E65であった。型番は745i。「マイナーチェンジ前の745iは15年ほど間に販売が終了した・・・ということはそんなに長い間、この車を乗り続けられているのであろうか・・・」と少し驚いた。

 あとで市野さんに車の件を確認すると、長い間乗り続けられたわけではなく、数年前に中古車を安く入手されたとのことであった。

 その個人的な思い入れのあるE65の745iのトランクには、二つの段ボール箱が入っていた。その二つの段ボール箱は次々に我が家のリスニングルームに運び込まれた。

2019/12/24

5035:タイカン  

 ポルシェ初のEVモデルの名前は「タイカン」である。そのタイカンが先月に日本で発表され、予約販売が開始された。

 タイカンは4ドア・4シーターのスポーツサルーン。フル充電からの航続可能距離は、モデルにより多少の差があるが、いずれも400km以上である。

 予約した客のもとにタイカンが納車されるのは来年の後半になる予定なので、まだしばらくは道ですれ違うことはないであろう。

 サイズは全長×全幅が4963×1966mm。パナメーラより全長はわずかに短いが、全幅では31mm上回る。日本の道路事情ではパナメーラ同様持て余し気味になるサイズである。

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 タイカンのフロントフェイスはLED4灯式のヘッドランプユニットが最近のポルシェ車との共通性を感じさせるが、ヘッドライトの両端から下に向かって切り傷のように繋がるエアインテークの造形が独自性を主張している。この造形には賛否両論あるであろう。 

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 リアのデザインは、左右のコンビライトを結ぶLEDストリップが、やはり最近のポルシェのデザインとの共通性を表現していて、エレガントな印象を与えている。

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 インテリアの基本的デザインはポルシェそのものという感じであるが、メーターパネルとセンター、そして助手席側には3つの液晶パネルが横に並び、つるっとした感覚で統一されていて最新モデルであることがしっかりと主張されている。

 センタースクリーンの下にはエアコンなどの操作用パネルがレイアウトされるが、これも当然のごとく液晶パネルである。もう機械式のボタンやスイッチを押したり回したりすることはない。

 17年前にポルシェがSUVを出した時には皆「あのポルシェが・・・」と驚いたが、ポルシェがEVモデルを初めて出しても「それは時代の流れ・・・」という具合に自然に受け止められている。その様子を見ながら時代の変化というものをしっかりと体感した。 

2019/12/23

5034:大殿筋  

 ジェニファー(社交ダンスの先生に私が勝手につけたあだ名である)からは「脚の外側の筋肉を使わないように・・・どちらかというと太腿の裏側、いわゆるハムストリングやお尻の筋肉、大殿筋を活用するイメージをもってください・・・そのうえで体重をお尻で支える感覚を保ち続ける必要があります・・・」とのアドバイスを何度も受ける。

 「脚の外側の筋肉を使って動くと、その段階でパートナーとの連携は切れてしまいます・・・」とは言われても、筋肉のコントロールは実は相当難しい。週に1回45分のレッスンを受けるだけでは、上達は遅々としている。

 「ハムストリングか・・・そう言えばロードバイクのヒルクライムでもハムストリングや大殿筋を使って走った方が効率が良いということを聞いたことがあったな・・・」と思った。

 今晩は仕事を終えてから、8時半に事務所の傍にある「ANYTIME FITNESS」に向かった。3台あるエアロバイクの1台に跨った時、「ジェニファーにも何度も注意されるから、ハムストリングと大殿筋を使う意識をもって漕いでみるか・・・」と思いながらペダルを回し始めた。

 最初の5分間はウォームアップである。軽めに脚を回す。その後200ワットに出力を上げる。その状態を維持するのであるが、体調を崩してからの回復過程では、その維持する時間を30分から始め、35分、40分と少しづつ伸ばしてきた。今週からは45分にする予定でいた。

 iPadのような画面に表示されるタイマーが5:00になったので、ペダルの重さを調整するボタンを何度か押して負荷をぐっと上げた。

 出力が200ワットを下回らないように気を付けながらペダルを回し続けた。それほど高い負荷ではないが、時間が10分、20分と経過してくると、結構辛くなってくる。

 その過程で「ハムストリング・・・ハムストリング・・・」と太腿の裏側を意識しながら脚を回し続けた。

 それだけであるが、意識するのとしないのでは、確かに肌肉の使い方が違っているような気がした。

 ハムストリングを使えると連携する大殿筋も使われてくる。負荷を上げてから30分ほど経過すると、ハムストリングや大殿筋が妙に疲れてくる。

 つまり、いままでそのあたりの筋肉を使えていなかったということであろう。「まだ15分もあるのか・・・今日は普段あまり使っていない筋肉を使ったから、短めで切り上げようかな・・・」との誘惑の声が心の中に響く。

 その甘い誘惑を必死に振り切って、どうにかこうにか45分間の200ワット継続走行を終えた。残り10分間は負荷を下げて、軽くなったクランクをゆったりと回した。大量の汗が出た。Tシャツはびっしょりである。

 「ハムストリングと大殿筋が硬いですね・・・」足首を手でもってその足をぐっと後ろにそらすようなストレッチをした時にその様子を確認したジェニファーは言った。

 「このストレッチを継続的にした方が良いですよ・・・ハムストリングと大殿筋が固まってしまうと腰痛になりやすくなりますし・・・」とジェニファーは続けた。

 「腰痛か・・・もしかして今年ヒルクライム時に悩まさせることが多かった腰痛の原因はハムストリングや大殿筋が固まっていてうまく機能しなくなったことにあったのかも・・・」と思った。

 トータル60分のトレーニングを終えてシャワールームに向かった。少し熱めのシャワーを勢いよく出して、ハムストリングと大殿筋をほぐすようにマッサージした。 

2019/12/22

5033:ドライバー  

 ゴルフは一頃スポーツ分野の趣味において重要な位置を占めていた。もっとも嵌まったのが30代の後半でもうそろそろ20年も前のことになる。

 その頃は年間40ラウンド以上の数をこなし、ゴルフ練習場にも週に2回は行っていた。スコアは大体80台で、ごく稀に70台のスコアも出た。

 しかし、40代に入ってから徐々にゴルフ熱は冷めていき、50代になると練習場にも全く行かなくなってしまった。

 年間のラウンド数も減っていき、今年は14回まで減った。ほぼ月に1回のペースである。当然の結果としてスコアも低迷している。今年の平均スコアは96程である。14回のラウンドのうち6回は100を超えている。

 年末になって、その14回のラウンドのスコアを見て「さすがにまずいかな・・・」とも思うようになった。「来年はもう少しがんばってみるか・・・」とも考えた。

 ゴルフ熱が高かった頃は道具にも凝った。毎年のように最新のドライバーに買い替えたりしたのである。

 しかし、今私のキャディバッグに収まっているクラブは10年以上の間変わっていない。「ゴルフをまた頑張ってみるなら、一式総取り換えしてみるかな・・・投資すると元を取ろうとして練習の動機付けになるかもしれない・・・」そんなことを夢想した。

 ゴルフに関する産業は今や完全に斜陽部門である。多くのゴルフ場は倒産し、外資系に買収された。「ゴルフ5」や「二木ゴルフ」といったゴルフ用品を扱う大型店も店舗数を減らしている。ゴルフ会員権の相場は地を這うような価格で依然推移している。

 ゴルフ場の来場者の平均年齢は60歳を超えているのではないかと思えるほど老人ばかりである。これでは先行きは細っていくばかりであろう。

 バブル時代のゴルフ熱が異常だったのであって、現在の状況がノーマルなのかもしれないとも思えるが、一頃の華やかさを少しかじった私としては随分と寂しい状況だとついつい思ってしまう。

 少し冷静になった。「クラブを総取り換えするとなると数十万円の出費となるから、とりあえずドライバーだけでも新しくしてみるかな・・・」と、思い直すようになった。

 ドライバーだけでも良いものであれば6万円ほどする。道具を新しくするとそれを試したくなるもの・・・練習場にも足がむくかもしれない。そんなことを思いながらスマホで最新ドライバーの情報を集めた。

 今年もっともブレークした女子プロは間違いなく渋野日向子であろう。私もたまたま全英オープンをテレビで観ていてファンになった。

 その渋野プロが使っているドライバーはPING G410である。「これにするかな・・・」とスマホを見ていた。価格は60,720円である。

 ポチっとすると送料無料で自宅に送ってもらえる。「やっぱり、年が明けてからにしよう・・・気が変わるかもしれないからな・・・・」と自分に言い聞かせて、スマホの画面を閉じた。



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