2019/9/19

4939:エール音響  

 「エール音響」という名前は何かしら目にしたことがあった。オーディオ雑誌にも取り上げられることが稀にあったのかもしれない。

 しかし、その詳細については全く知らなかった。凝った構造のユニットメーカーというイメージしかなかったのである。

 三連休の最後であった16日、そのエール音響のユニットを使ったスピーカーシステムをじっくりと堪能することができた。場所は千葉にお住まいのIさんのお宅である。ishiiさんと供にお邪魔したIさんのお宅は閑静な住宅街の中にあった。

 早速リスニングルームに案内された。そこには存在感が半端ない4ウェイのスピーカーシステムが鎮座してた。

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 「鎮座」という言葉が似合うスピーカーは最近少なくなってきたが、その少数派に属する堂々としたスタイルのスピーカーシステムである。

 随分と前にゴローさんのお宅で聴かせていただいたGOTOユニットを使った4ウェイのスピーカーシステムの面影が脳裏をよぎった。

 こういうタイプのスピーカーを目にすると反射的にマルチアンプ駆動かと思ってしまうが、Iさんのお宅では、自作のネットワークを活用して1台のパワーアンプで駆動されている。

 その大役を担っているのは、KRELL KSA-200Sである。このくらい駆動力のあるアンプでないとその大役はこなせないであろう。

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 そしてKSA-200Sをサポートするプリアンプは、同じくKRELLのPAM3である。両者ともKRELLがKRELLらしかった時代の製品である。

 まずはCDから聴かせていただいた。送り出しは豪華な構成である。CDトランスポートがESOTERIC P-03で、DAコンバーターが純正ペアのESOTERIC D-03である。

 実はこの組合せには個人的な思い出がある。オーディオに嵌まるきっかけとなったダイナミックオーディオのアクセサリーセンターの螺旋階段を登った2階にあった試聴ルームでは、このペアが送り出しであることが多かったのである。心に中に懐かしい思いがふっと広がった。

 クラシックの曲を中心に様々なCDを聴いた。その音の印象は、目をつぶると4ウェイの大規模なスピーカーが鳴っているとは思えない、自然で威圧感のない音であった。

 目を開けるとそこには巨大なスピーカーシステムが現れるが、目を閉じるとそんな大がかりなシステムが鳴っているとは思えないまとまりの良さである。

 これだけ大がかりなスピーカーを破綻なくまとめるのは、かなり大変な作業であったはずであるが、そういったことを苦にしないのが、オーディオマニアというものなのであろう。

 コーヒーブレイクを挟んで後半はアナログタイムに移行した。レコードプレーヤーはガラードの301で、カートリッジは、オルトフォンのSPUをステレオ用に、デンオン DL-102をモノラル用に使われていた。

 アナログになると音の密度感がぐっと上がった。果肉がしっかりと詰まっていてジューシーな感覚である。

 それは録音が古いものも、1970年代以降の録音でアナログとしては比較的新しいものでも同様であった。

 その大規模で複雑なシステム構成同様、オーディオボードやケーブルの振動対策なども大規模かつ徹底して行われていた。

 マニアックなシステムにマニアックな調整手法。その見た目は、見るものを威圧するかのような迫力を有するが、出てくる音は、聴くものを威圧することのない自然なバランスで、熟成のワインの味わいを連想させるものであった。



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