2019/9/9

4929:CF-1480  

 朝になると、台風15号は通りすぎていた。家の周囲には、強風により引きちぎられた木々の葉や枝が散乱していた。

 台風一過となった今日は晴天であった。台風が運んできた暖かい空気の影響か、気温もぐんぐんと上がって、真夏が戻ってきたようであった。

 午後は荻窪の顧問先に向かい、監査業務を終えた。その後、いつものように中野坂上に向かった。幹線道路から一本脇道に入ったところにあるコインパーキングに車を停めた。

 そのコインパーキングから徒歩で数分のところに喫茶店「Mimizuku」はある。とても古い5階建てのビルの1階が店である。

 もともとは夫婦で始めたようであるが、私が通うようになった頃には、既にご主人は亡くなった後であった。

 店内の様子も、昭和の喫茶店そのものといった風情である。店内にはカウンター席が4席あり、4人掛けのテーブル席が二つと、2人掛けのテーブル席が一つあるだけである。いまだかって見たことはないが、14名の客が入れば完全に満席ということになる。

 店内に入り、カウンター席に座った。店内にはかなり旧式と思われる茶色のエアコンがガタガタとした動作音をさせながら、店内の空気を冷やしていた。

 カウンターの右端にはオレンジ色をした「パタパタ時計」が置かれている。時折時刻を表す薄い板がパラっとめくれる。

 また、カウンターの左側にはSONY製の古いラジカセが置かれていて、店内にBGMを提供していた。1970年代に製造されたラジカセは、その時代を反映して精巧なデザインであった。

 50年近く前に製造された製品である。何度も修理に出されたようである。今でもこういった古いラジカセを修理してくれる業者はあるようである。

 そのラジカセがいつもと違っていた。従来はステレオ式のものであったが、今日はモノラルのラジカセであった。

 それに気づいてその型番を確認してみた。CF-1480と示されていた。スマホで「SONY CF-1480」と検索ワードを入れて検索してみた。

 すると、このラジカセは1974年に発売されたものであることが分かった。定価は33,500円であった。宣伝文句は「マイクミキシングができる『プレイカセット』」というものである。

 45年前の33,500円という価格は、今で言いうと幾らくらいなのであろうか・・・100,000円くらいであろうか・・・

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 全方位レーダーを連想させる円形ダイヤルスケールがデザインにおける最大の特徴で、とてもユニークであると同時にその当時のSONYのデザインセンスの高さを窺わせる。

 ダイヤルを回し、周波数が最適同調の位置にくるとLEDが発光する仕組みは、きっとその当時のラジカセ小僧たちを唸らせたであろう。

 亡くなったご主人の遺品の一つと思われる。女主人にそれとなく訊いてみると、「もう1台の方はカセットテープの回転具合が不安定になったので、修理に出している・・・」とのことであった。

 CF-1480の傍にはミュージックテープが入った箱が置かれている。その箱を手元に持ってきてその中を覗き込んだ。



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