2019/9/5

4925:果報  

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 テレサ シュティッヒ=ランダルのソプラノによるモーツァルトとシューベルトの歌曲集を片面づつに納めたレコードは、彼女の数多いレコードの中でも最高傑作であろう。

 古い録音で、モノラルである。レーベルはル・クラブ・フランセ・デュ・ディスク。イコライザーカーブは、「AES」と思われる。

 Marantz Model7のイカライザーカーブを「AES」にセットした。このレコード、「RIAA」で聴くとやや詰まった感じの音になる。もしもこのレコードを「RIAA」で聴いているのなら、その本来の魅力の7割しか堪能できないであろう。

 シューベルトの歌曲が納めらている面を上にして、ORACLE Delphi6のターンテーブルにこの盤をセットした。

 シュティッヒ=ランダルの声は「夢」を連想させる。現実と非現実の間を行き来しながら歌っているような印象を聴くものに与える。なので、シューベルトの音楽との相性は素晴らしく良い。

 コンデンサーをWEに交換した効果はアナログでもしっかりと感じられた。オリジナルのバンブルビーの容量は心許ない状態であった。それがWEのがっしりとしたものに変わったのであるから、その見た目通りに筋肉ムキムキの音が出てくるのかと予想していたが、思っていたよりもその音のイメージは強面ではなかった。

 シュティッヒ=ランダルの夢見るようなイメージの声の質感も上手く伝わってくる。その夢見心地を充分に楽しみながらレコードの片面を聴き終えた。

 古い録音であり、盤面の状態も良くない。オーディオの音だけ気になる方には全くむかないレコードであるが、その音楽性・芸術性の高さは気が遠くなるほどのレベルである。

 片面を最後まで聴き終えた。リフターを慎重に上げてZYXの針先を盤面から切り離した。「もういいかな・・・あとはゆっくりと時間が熟成してくれるであろう・・・」そんな気持ちになった。

 CDの時には、感じなかった感慨である。シュティッヒ=ランダルの声がそうさせたのであろうか・・・「果報は寝て待て・・・」である。体も睡眠を要求していた。 



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