2019/8/3

4892:FFRRカーブ  

 昨晩洗浄した5枚のレコードのうち、1枚を選んでORACLE DELPHI 6のターンテーブルの上に乗せた。選んだのは、バックハウスのピアノによるベートーベンのピアノ協奏曲第4番である。レーベルはDECCA。

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 ステレオ最初期の1958年に発売されたレコードである。1958年から1964年頃までにDECCAからリリースされた、ステレオ初期の時代のレコード、いわゆる「ED1」である。その証拠にレーベルの左上に「ORGINAL RECORDING BY DECCA」の表記がある。
  
 ED1時代のレコードは1954年に策定されたRIAAカーブでカッティングされたというのが従来の定説であった。

 しかし、決してそうではないということが最近分かってきた。どうやらED1時代になってもDECCAが以前に採用していたFFRRカーブでカッティングされているものがあるようなのである。

 このレコードには、ZAL-4042-3Kという文字が刻まれている。この文字を解読すると、次のようになる

 ZAL:種別文字。ZALはステレオを表す。モノラルだとARL。
 4042:使われたマスターテープの番号。
 3:マスタースタンパーの番号。更新されるごとに番号が増える。3番目のスタンパーである。
 K:カッティングしたエンジニアの識別文字。

 残念ながらこの文字からはFFRRカーブなのかRIAAカーブなのかを識別することはできない。となると、二つのイコライザーカーブで聴き比べてみるしかない。

 より自然に感じられる方が採用されたイコライザーカーブということになるのであるが、より自然に聴こえるというのは聴き手側の主観がかなり入るので、微妙なところがある。

 まずは、Marantz Model7の設定をFFRRカーブに合わせた。それで聴いてみた。私の感覚においては、ナチュラルな質感に聴こえる。

 1950年代の録音であるので見事なハイファイというわけではないが、特に不自然さは感じられなかった。

 続いてRIAAカーブに設定し直して、同じく第1楽章を聴いてみた。すると、弦楽器の音が堅ぐるしい表情に変わった。

 先ほどまでの繊細な伸びやかさが減退した印象を受けた。バックハウスの華麗な指使いも少しばかり重く感じられる。

 より自然に感じられたのはFFRRカーブである。再発盤であれば間違いなくRIAAカーブであろうが、オリジナル盤に関しては、FFRRカーブである可能性が高いようである。

 DECCAのED1は高額な価格でしか手に入らない。せっかく高いお金を払って購入した貴重なレコードであるから、最良の状態で聴きたいものである。



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