2019/7/26

4884:ひるのいこい  

 車で移動する時、車内ではNHK FMを流していることが多い。クラシックが聴きたいのがメインの目的であるが、もちろん常にクラシックが流れているわけではない。

 クラシックを流す番組ではないと、電源をOFFにしてしまうことも多いが、昼の時間帯に流れる「ひるのいこい」だけは、クラシックがかかることはないが、じっくりと耳を傾けたくなる。

 「ひるのいこい」は月から金までは12時20分から12時半まで、土曜日は12時15分から12時半まで放送されている。

 平日は吉松欣史アナウンサーが、そして土曜日は杉原満アナウンサーが担当している。私は平日しか聴いたことがない。

 平日の放送時間は10分である。その10分は常に一定の構成で整然と流れていく。昭和27年から始まっているので、まさに長寿番組である。

 昭和27年放送開始というとことは、今年で67年・・・その経過年数を感じさせるようなオープニングテーマが流れると、一気に昭和の時代にタイムスリップしたような感じがする。

 そのオープニングテーマは、日本が今よりもはるかにのんびりとしていた時代の空気を運んできてくれるのである。

 そのテーマに続き、アナウンサーの穏やかな声でリスナーから送られてきた「お便り」が紹介される。

 その内容も日本の里山の風情を思わせるもので、気分がほのぼのとする。そして1曲目が流れる。その選曲も結構愉快である。

 懐かしいものもあれば、あれっと意外に思うものもある。多くのものは、この番組でないと現代のFM放送からはけっして流れないものである。

 今日かかった曲は、1曲目が「愛のボラーレ」松崎しげる with チコ&ザ・ジプシーズで、2曲目は「カサブランカ」ファンファーレ・チォカリーアであった。

 フルコーラスを流す時間はない。曲と曲の間にもう一つ「お便り」が紹介さる。、2曲目が終わると、最後は「暮らしの文芸」・・・リスナーが投稿した俳句が紹介される。その俳句もなんだかしみじみと心に染み入る。

 今日の俳句は「肩上げを ときて 浴衣の袖をふる」・・・子供の成長を静かに喜ぶさ様が、小津安二郎監督の白黒映画の映像のように目に浮かんだ。

 たった10分間の放送である。その10分間は実に整然としていて、しっかりとした形式が厳然と守られている。

 構成もアナウンサーの声色も時代の流れとはまったく別の時間軸の中に納まっているかのように変化しない。

 この番組を耳にすると「変わらないこと」の重要性といったものに感じ入る。「変わらないと、取り残される・・・負け組になってしまう・・・」といった脅迫観念に囚われがちな現代人であるが、「変わらないこと」の重要さにも心を向けるべきかもしれない・・・そんなことをいつも思ってしまう「ひるのいこい」である。



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