2019/6/29

4857:C3  

 ディナウディオのスピーカーは、他の製品を何度が耳にしたことがある。高性能なユニットを活かし、高速レスポンスを実現し、高い解像度特性を身につけているという印象を持った記憶が残っている。

 温度感はどちらかというとクール。しかしクールでありながらも、そこは北欧製らしく、けっして刺激のある鋭利な音の直線性を有しているわけではなかった。

 一方YBAの製品は実際に聴いたことはなく、今回が初めてである。メーカーとしてはかなりマイナーな存在であるが、興味は尽きないところである。

 小暮さんが一枚のCDを選択して、YBA CD3 SIGMAにセットした。セットされたCDは、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲であった。その第一楽章を聴いた。ヴァイオリンはアンネ=ゾフィー・ムターである。録音は1988年。

 コンフィデンス5はその形状からして空間表現が大きいイメージがあるが、予想に違わず広いサウンドステージが平行法で設置されたスピーカーの後方の空間に広がった。

 際立った解像度を感じることはないが、オーケストラのフォルテシモでも、量感に不足感はなく、実際のコンサートを中ほどやや後方の席で聴くように自然な音圧で、耳馴染みが良い。

 YBAの音調なのか、思っていた以上に音の厚みや柔らかさがある。ディナウディオのコンフィデンス5の外観がらすると、理知的で冷静な音調が予想されたが、YBAのフルシステムで駆動されることにより、ラテン系の温かみがブレンドされたかのような、きめ細かで春の空気を思わせるような音調を感じる。

 聴き終えて「YBAって音楽を分かっているという感じですかね・・・YBAの製品は本当にオーディオと音楽が好きなエンジニアが精魂込めて作ったという感じですね・・・どこかしら手作り感がしっかりと残っていますね・・・」と話した。

 「そんな感じがするよね・・・これらは1990年代の製品だから、もうかなり古いわけだけど、それが良いのか、際立った性能はないけど音楽を聴かせるコツをしっかりとつかんでいる感じだよね・・・」と小暮さんも同じような印象を持たれてようである。

 「ディナウディオは色付けのないスピーカーだから、YBAの個性がストレートに出ていると思うよ・・・」そう言いながら小暮さんは次なるCDをセットした。

 次に聴いたのは、ラベルのピアノ協奏曲であった。ピアノはマルタ・アルゲリッチ。1984年の録音である。

 決して新しい録音ではないが、録音状態は良いと思えた。ラベルはフランス人である。そのピアノ協奏曲の音楽性はYBAとの相性が抜群に良いように思えた。

 「なんだか、妙にしっくりとくるな・・・」いかにもフランス的な軽快さを有しながら晦渋でもある独特の音楽性が妙に心をわくわくとさせる。

 20分以上あるこの曲を全て聴き終えた。「フランス万歳!という感じですね・・・ばっちり合いますね・・・ラベル・・・」と感想を述べた。

 すると小暮さんは「なんだか、スピーカーをJM Labに替えたらどうなんだろうと思っちゃったよ・・・少し古めのJM LabでMini Utopiaなんか持ってくると、オール・フランスになるよね・・・」と話されていた。

 ラベルのピアノ協奏曲を聴き終えて、頭の中には何故かしらシトロエンのC3の姿が思い浮かんできた。なんだかYBAのオーディオ機器と共通するテイストがあるような気がした。

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