2019/6/26

4854:背中  

 ディーラーの駐車場を出て、一般道を走っていった。まずはハンドルの握り具合がとても良いのに感心した。

 上質な本革に包まれたハンドルはしっとりと手に馴染み、その操作感は軽くもなく重くもない。個人的な好みからすると、もうほんのわずかに重めが好きではあるが、軽すぎで頼りないということは全くなかった。

 そして、回頭性は実に素直であった。ハンドルを切った分だけ車両の向きがすっと変わり、その感覚にずれがないので安心感がある。

 これは、「曲がるのが楽しい・・・」と思わせるハンドリングであった。ハンドリングに関しては、「確かにGOLFを超えているのかもしれない・・・」と思わせるものがあった。

 1.5Lの4気筒エンジンの数値的なスペックは控えめである。体感的にも力感を感じるものではないが、必要にして十分といった印象で、気合を入れたドライビングをしない限り、不満を感じることはないであろうと思われた。ただし、仕事人に徹したエンジンなので「駆け抜ける歓び」を感じることは少ない。

 そういったものを求めるのであれば2.OLのガソリンエンジンか1.8Lのディーゼルエンジンを搭載したモデルを選択すればいいのであろう。

 足回りのセッティングについては、このセグメントの車としては頑張っているという印象であるった。しかし、クラスレスの滑らかさといったものを感じるほどではなかった。

 路面の悪い所を走ると、ゆすられ感が予想していた以上にある。道路を継ぎ目を越えた時などの小さめのショックは上手くいなすが、路面がうねっている所などではリアのサスペンションが対応しきれていないような印象を受けた。

 そのため、乗り味に関してはゴルフを超えたという評価は下せないであろう。これは15S Touringのみのことなのか否かは不明である。

 あるいは、試乗車はまだ走行距離が短く、サスペンションの具合もまだまだ熟成が進んでいない状況であったからかもしれない。

 試乗コースは一般道のみで時間にして15分程であった。その間何度か信号待ちで停車したが、ブレーキの初期制動に関しては、もう少し早いタイミングで効き始めてほしいという印象があった。

 もちろんさらに踏めば、制動ば効いてくるが、初期制動の力強さがもう少し欲しいところである。これは慣れの問題かもしれない。

 室内の静寂性は高い。ロードノイズやエンジン音は聞こえるのであるが、不思議とストレスを感じない。うるさく感じることがなかった。

 このあたりの作り込みの良さは実にしっかりとしている。耳に入ってくるロードノイズやエンジン音は、フィルターを通した音のように、聴こえるけれどうるさくなく不快でもないという印象であった。

 NAVIやカメラの映像が映し出される8.8インチの横長のディスプレイの画像はとても鮮明で見やすいものであった。

 ぱっと見は、最新型の車の割には小さめかなと思ったディスプレイであったが、使用に当たっては十分でこれ以上の大きさは要らないと思わせるものであった。

 オプションでついていた「360°ビューモニター」は、駐車する時などには便利な機能である。「これはオプションで付けたいな・・・」と思わせる機能である。

 試乗を終えて、見積書をもらった。必要な幾つかのオプションや諸経費込みで総額280万円であった。値引きなしの状態である。

 MAZDA3は確かに良い車であった。きっと売れるであろう。このセグメントにおける他のライバルにも十二分に対抗できる実力を身につけていた。

 「VW GOLFを超えたか・・・?」と問われると、個人的な見解では「追いついてきてはいるが、追い越してはいない・・・」というのが答えである。GOLFの背中は手を伸ばせば届く位置にはあるという印象であった。

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