2019/4/5

4770:チェコスロバキア  

 寿命が尽きる前兆はあった。電源を入れた直後少しの間、その真空管が挿入されていた左チャンネルからだけ「ボソ・・・ボソ・・・」とノイズが漏れ出ていた。

 そして、左チャンネルの2本の出力管のうち片方の真空管が点灯しなくなった。RFTがTELEFUNKENにOEMしたEL34であった。

 TELEFUNKENから真空管製造設備と技術を引き継いだ東ドイツの国営企業であるRFTは1970年代に大量にEL34を製造した。

 RFT製のEL34は、4本1セットのものを購入しただけであったので、予備がなかった。そこで、インターネットで調べて、すぐに発注した。RFT製のEL34は流通量が多いので、在庫は容易に見つけることができる。

 それが届くまでは、別途4本セットを所有しているTESLA製のEL34に交換することにした。TESLAはチェコスロバキアの国営企業であった。

 チェコスロバキアが国として無くなるまで真空管を製造していた。現在はJJという名前の企業がTESLAの設備等を引き継いで、現行製品として真空管を製造している。

 チェコスロバキアはガラス工芸の伝統があた。そういった伝統が真空管の製造に活かされていたのかもしれない。

 我が家にあるTESLA製のEL34は、ベースが茶色で頭が平らな形状をしている。ダブルゲッターでRFT製のEL34よりも太い。

 TESLA製のEL34はいろいろな意味でバランスが良い。在庫は日本ではすぐには見つけにくいが、海外のサイトでは見つけやすい。

 我が家のTESLA製のEL34も海外のサイトで購入したものである。送料も含め4本で50,000円以上した記憶がある。

 普段はRFT製のEL34を使用することが多い。久しぶりにTESLA製のEL34に切り替えて聴いてみた。見た目的には、RFT製のEL34の方がスリムですっきりとしている。

 久しぶりに聴いてみると、その音の印象は柔らかい。RFTのEL34が音が硬いというわけではない。RFTのEL34は毅然としている。そっけないというか、あまり聴く者に寄り添ってくるような音ではない。

 TESLAはその点において、とても聴く者に優しい。飼い猫がすっと近づいてきて脚に体を擦り付けるような感じを受ける。

 「しばし、TESLAで聴いてみるか・・・」そんなことを思いながら、しばしの時間をリスニングルームで過ごした。

 気になって海外のサイトでTESLA製のEL34の情報を探った。4本1セットで程度の良さそうなものがあった。やはりRFT製のものよりも価格は高い。

 今我が家に4本あるTESLA製のEL34もいつ寿命が尽きるかもしれない。「予備を持っていた方が良いかな・・・」そんなことを思った。

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