2019/3/5

4739:ラックス  

 「それにしても、今日はよく降りますね・・・今までの分を取り返すかのように・・・」大川さんは降り続く雨音を確認するかのように、その音に耳を済ませてそう言った。外から聴こえる雨の音は途切れることはなかった。

 「YAMAHA NS-1classicsは、何で鳴らされていたんですか・・・?」
 
 私は先ほどまで続いていた会話を引き継いだ。大川さんが1990年代の初めごろに使われていたシステムに興味がわいた。

 「NS-1はラックスのプリメインアンプで鳴らしていました。L570です。バブル経済華やかな頃の製品で、その見た目もそういった時代の雰囲気を感じさせる華やかなものでした。」

 そう言って、大川さんはスマホを操作して、ラックスのL570の写真を見せてくれた。

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 「確かにバブリーですね・・・ゴールドで・・・でも、趣味は悪くないです。ラックスらしいまとまりの良さを感じるフロンパネルです。ちょっと盛り過ぎかなという気もしますが・・・実に豪華な感じです・・・」

 私はその写真を見てそう答えた。そのフロントパネルはシャンパンゴールドに輝いていた。その中央部には10個のプッシュボタンが並んでいて、特徴的な顔立ちをしている。

 「CDプレーヤもラックスだったんですよ・・・D-500。トップローディング方式で、若干スラントしていて、独特なデザインでしたね・・・」

 また、大川さんはスマホを操作して、そのD-500の写真を探し出して、見せてくれた。

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 確かに独特な形状をしている。トップローディング形式でボタンを押すと蓋が開いて、上からCDをセットするようになっている。

 「良いデザインですね・・・そういえば10年ほど前にサブシステムで使っていたSONY CDP-MS1にも似ています・・・」

 「あっ、あれね・・・あれはきっとこのD-500に対するSONYなりのオマージュだったと思いますよ・・・でもD-500の方がデザインセンスが上ですけど・・・」

 私は自分のスマホを操作してSONY CDP-MS1の画像を検索した。出てきた画像の一枚を選んで大川さんスマホのD-500の画像と二つ並べて見比べた。

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 「確かにD-500の方が重厚感がありますね・・・MS-1は軽い感じの質感かな・・・それにしても似ていますね、この両者・・・」

 「このスラントした形状って、実はもっと時代をさかのぼったところにオリジナルがあるんです。1970年代のYAHAMAのカセットデッキにイタリア人デザイナーのマリオ・ベリーニがデザインしたものがあって、確かYAMAHA TC-800GLだったと思うけど、それがスラントデザインのオリジナルかもしれないな・・・」



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