2019/2/20

4726:ゴルドベルグ変奏曲  

 それらのKRELLのコンポーネントは、MUSIC TOOL製の3段ラックに綺麗に設置されている。上から CD-DSP、KSL-2、KSA-150の順番である。

 KRELLの製品はグレーの色合いに黒のアクセントがある硬質な感覚のデザインで統一されている。ここまで揃っていると、機器を変更することは難しいであろうと思われる統一感である。

 さらにWILSON AUDIOのCUBと、これらのKRELL製品との相性も抜群に良い。オリジナルのCUBは、1997年の発売であるので、時代的な整合性もほぼとれているのであろう。

 WILSON AUDIOのCUBは、音の切れが抜群に良くスピード感に溢れている。そのサイズからは想像もつかない自然な低音再生力とハイレスポンスが魅力のスピーカーである。

 バーチカルツイン構成のユニットは、見ていると引き込まれるものがある。フロントバッフルの横幅は狭いが、奥行きは結構ありエンクロージャーの容量は思いのほかある。

 センターラック方式によってセットされた、これらのオーディオシステムは、リスニングポイントから一望できる。

 「ここまでシステム全体がマッチしていると、全く動かすことができないだろうな・・・」と思いながらそのシステムを見ていた。

 まずはCDが一枚、トップローディング方式のCD-DSPにセットされた。グレン・グールドの演奏によるバッハ「ゴルドベルグ変奏曲」である。

 彼が他界した1982年の前年に録音されたこのCDは、とても有名である。彼がこの曲を録音するのは2度目であった。

 彼のデビュー盤として最初にこの曲が録音されたのは1955年のことである。翌年になって発売されたそのレコードは一大センセーションを巻き起こした。
 
 そして、約20年後に再録音されたこのCDも大きな話題を呼んだ。このCDはグールドさんの愛聴盤である。システムの調整も全てこのCDで行なわれている。

 1曲目の「アリア」から第5変奏曲までを聴いた。ロマンティシズムと透徹した構成力が見事にバランスした自由で闊達なバッハが、リスニングルームに展開した。

 ときおり、大胆な発想による型破りな演奏箇所もうかがわれるが、その意図したところの情緒的な発散が見事であり、一瞬はっとするが、結果として納得させられてしまう。

 今日の目的は、グールドさんのオーディオシステムの熟成具合を確認すると共に、一つの聴き比べを行うことにあった。

 その聴き比べの素材は、書類カバンと一緒に置かれた紙袋の中にそっと納まっていた。



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ