2019/2/28

4734:五年  

 ロングライドを終えて、自宅にたどり着いたのは、午後2時過ぎであった。3時に来客の予定があったので、手早くシャワーを浴びた。

 今日はshanshanさんが、我が家に来てくれる予定であった。shanshanさんからは、Marantz Model2を修理に出していた期間、QUADUと同じ回路を使用したパワーアンプをお借りしていた。

 QUADUは我が家でも使用していた。TANNOY GRFがリスニングルームにやってくる前、同じTANNOYのCHATSWORTHを数年間使っていた。このCHATSWORTHを鳴らしていたのが、QUADUであった。

 パワーアンプとしてはコンパクトな躯体であるQUADUはイギリス的な音世界をじんわりと届けてくれる優れたパワーアンプであった。

 そのQUADUと同じ回路を使っているので、やはり出てくる音の質感も似ていた。出力管はQUADUのKT66と違い、6L6が装着されていたが、KT66も装着できるとのことであった。

 そのパワーアンプを返却するついでに、shanshanさんがサブシステム用に導入予定であったスキャンスピーク製の高級ユニットを使用したスピーカーを聴かせてもらおうと打診したが、スピーカーの完成が遅れているとのことで、逆にアンプを取りに行くので久しぶりにGRFを聴かせて下さいとのことになったのである。

 我が家のTANNOY GRFは導入してから5年近くが経過した。導入当初はLEAKのアンプで鳴らしていたが、その後MarantzのModel7とModel2に切り替えた。

 そのMarantzのアンプがなかなか安定せずに、不在期間が長かった。ようやく最近落ち着いてきたようである。

 さらに、ケーブル類もほぼすべてをヴィンテージケーブルに換えた。アンプの状態が安定しケーブルが古い時代のものに変わったことによって、TANNOY GRFはようやくその本来の姿を現し始めたようである。

 2時間ほどの時間、珈琲を飲みながらの談笑タイムを交えて、shanshanさんにTANNOY GRFを聴いてもらった。

 モニターシルバーが装着されたGRFは1950年代の製造である。私よりも年上であるGRFはその年齢にふさわしい風貌の音を奏でてくれているようである。

 shanshanさんにも比較的好評であった。「ようやくGRFらしくなった・・・」「これで落ち着いてオーディオが楽しめますね・・・」と評されていた。

 今後スピーカーとアンプが変更される可能性はない。さらに送り出しのORACLEもそのデザインの素晴らしさから別のものに変える可能性は極めて低い。ケーブルもジャーマンヴィンテージのものに揃えて落ち着いた。

 「5年経って、随分と落ち着いたな・・・」と思った。「石の上にも三年」という諺があるが、我が家では「石の上にも五年」と言い換える必要があるのかもしれない・・・

2019/2/27

4733:けんちん汁  

 「都民の森」は、陽光が降り注いでいた。標高が1,000メートルほどあるので、冬季はかなり冷え込むことが多いが、今日はその心配はないようであった。

 メンバー全員が走り終えてから、都民の森に併設されている「売店 とちの実」へ向かった。ここの名物の一つは「みとう団子」と呼ばれる大ぶりな団子である。いつもは店の前で炭火で焼かれているが、今日はやっていなかった。

 もう一つの名物はカレーパン。これはやっていて、メンバーの多くが購入した。このカレーパンにコカ・コーラを合わせるのが、チーム・メンバーの間では定番である。

 それもとても魅力的に感じられたが、冬季限定で提供されている「けんちん汁」も妙に気を引いた。「けんちん汁か・・・あったかそうだな・・・」と思い、これに決めた。一杯300円である。

 檜原村の名産の一つであるまいたけなどが入った「けんちん汁」は、体にじんわりと沁み込むような味わいであった。

 ゴール地点では兄弟チームである「チームミツイキ」と合流した。リーダーの甥っ子が率いるチームのメンバー5名と一緒に恒例の記念撮影を済ませた。

 ロードバイクは都民の森の柵に立てかけて、しばしの談笑タイムを過ごした。たっぷりと太陽光を浴びて休んでいるロードバイクは静かに昼寝をしているようであった。

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 ウィンドブレーカーを着込んで、下りに備えた。2月としては暖かいといっても、下りではそれなりに冷えるはずである。

 「都民の森」からの下りは長い。約20kmほどの距離を勢いよく下っていった。7台のロードバイクはカーブではひらりひらりと舞うように曲がっていった。

 今日は全体的にペースが速い。帰路も速かった。長い下りを終えて、檜原街道をさらに進み、睦橋通りを走った。

 「今日は脚を休ませるエリアがないな・・・」と思いながら走っていくと、拝島駅そばのファミリマートに到着した。

 ここで昼食休憩をした。昼食に選択したのは「生パスタ モッツァレラとイカの明太クリーム」。明太子のピリッとした辛さと、クリームのコクが新鮮な味わいであった。

 食べ応えのあるイカとモッツァレラチーズがトッピングされていて、柔らかい食感の生パスタと相まって全体としてもったりとした食感である。食べ応えがあった。

 これで十分にガソリンタンクを満たしてから、残りのコースを走り切った。自宅に辿りついて、サイコンを確認すると、走行距離は117kmと記録されていた。

2019/2/26

4732:バトル  

 「上川乗」のY字路交差点を通過すると、上りの比率が上がってくる。先頭は順次交替したが、ペースはそれほど変わらずに「数馬」まで走った。

 「数馬」には公衆トイレがある。ここで一息入れた。ここまでいつもよりも速めのペースで走ってきたので、脚には疲れが溜まっていた。

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 ここから「都民の森」までは、4キロと少しの距離である。ここからはバトルモードでヒルクライム・バトルをたっぷりと堪能する。

 2月としては穏やかな天候に誘われてか、都民の森へ向かうコースには多くのローディーが走っていた。一人のローディーが「数馬分校前」の信号機の近くで立ち止まっていた。その表情は辛そうであった。後で分かったことであるが、そのローディーは、ゴール地点で合流した兄弟チームのメンバーで今日初めてロングライドに参加したとのことであった。

 7台のロードバイクは、「都民の森」へ向かってスタートした。ここからは上りオンリーである。激坂エリアはないが、しっかりとした坂が最後まで続くコースである。

 ゆっくりと走り始め、徐々にペースは上がっていった。先頭を引くメンバーに付いていく形で序盤を走った。

 心拍数はぐんぐんと上がった。170台の後半までその数字は上がり、そこで止まった。「この数値を維持する負荷で前半は走ろう・・・」そう思いながら、サイコンの数値を見つめていた。

 10秒平均パワーの数値は220ワットぐらいである。普段よりも少し低めで推移していた。やはり「橘橋」から「数馬」までのペースが普段よりも速かったので、脚の余力は少なめであった。

 その少なめの余力を大事に使いながら走り続け、ヒルクライムコースの後半へ入っていった。先頭を走るリーダーの背中は小さくなり時折視界に入る程度であった。2番手を走るメンバーの背中は視界に納め続けていた。

 私の20メートルほど前には3番手を走るメンバーの背中があった。いつものようにその引力に引っ張られる形で、後半のコースを走った。

 脚の余力は心許なかったが、ペースは維持できていた。終盤に入り、すぐ前を行くメンバーの背後にぴったりと貼り付きたいところであった。

 残り1kmを切った。前の走るメンバーのと差は20メートルほどで固定されていて、なかなか縮まらなかった。

 「ラストスパートで追いつくしかないか・・・」そんなことを思いながら、クランクを回し続けた。

 心拍数は180を超えた。1963年製の旧式のエンジンはいつものようにうるさめの排気音をまき散らしていた。

 ゴールである「都民の森」がようやく視界に入ってきた。ここから、スパート。LOOK 785 HUEZ RSは、「ニトロ」と書かれた赤いスイッチを押した車のようにダッシュした。

 スパートしてゴール地点へ駆け込んだ。完全に余力を使い切ってヒルクライムバトルを終えた。

 「都民の森」には多くの車が停まっていた。ローディーの姿も多く、サイクルスタンドは半分以上が埋まっていた。

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2019/2/25

4731:檜原街道  

 コンビニ休憩を切り上げて、先へ進んだ。睦橋通りに出て、西へ向かって走った。睦橋通りは広い道路である。多少のアップダウンはあるがほぼフラットで、信号に捕まりさえしなければ快適に走れる。しかし今日は信号ごとに赤信号に捕まるかのような感があった。

 ストップ・アンド・ゴーを繰り返しながら武蔵五日市駅まで進み、その前を左に折れた。そして檜原街道に入った。

 しばし、市街地が続くが、それもやがて絶える。そして自然の中を道は進む。花粉症のメンバーは、花粉の発生源の真っただ中に突き進んでいくので、少し辛そうであった。

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 いつも休憩する「山の店」の駐車場に到着した。ここは公衆トイレもある。そのトイレは今工事中で、仮設トイレが設置されていた。

 その駐車場には地元の人が多くいて、フェンス越しに川の方を見下ろしていた。「なんだろう・・・何かいるのかな・・・」とつられて、フェンス越しに川を見下ろしたが、何もいなかった。
 
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 トイレ休憩を終えて、リスタートした。ここから、「数馬」までは隊列をキープして進む。7両編成のトレインは、スムースに走り始めた。

 檜原村の村役場の前を通過し、「橘橋」のT字路交差点を左折した。ここから「都民の森」までは21kmである。

 道は上り基調である。時折下りも入る。普段は「数馬」からのヒルクライムバトルに備えて、温存モードで走るが、今日はいつもよりも速めのペースでトレインは進んだ。

 私は先頭から2番目のポジションにいた。T字路交差点から数キロ走った段階で先頭交代をして私が先頭を引いた。

 「このまま、速めのペースで走ってみよう・・・」と思い、ペースを緩めることなく、ペダルを回し続けた。

 普段のこのコースを走る時の心拍数は160ぐらいであるが、今日は170ぐらいの回転数でエンジンを回し続けた。

2019/2/24

4730:選択  

 先週の日曜日は、仕事を優先してロングライドはパスした。状況はそれほど変わっていなかったので、仕事を優先すべきことは分かっていたが、今日はチームのロングライドに参加することにした。

 「どうにかなるでしょう・・・」そんな多少暢気な気持ちで、不安を払しょくして、LOOK 785 HUEZ RSに跨った。

 昨日の土曜日、午後から強烈な北風が吹き荒れた。畑の傍では風が茶色くなっていて、車でそのそばを通るとフロントウィンドウに砂がぶつかる音がした。

 そんな昨日とは打って変わって、今日の朝は風がなく、静かであった。気温はそれほど低くはなかった。まだ2月であるが、真冬の寒さとは様相が異なっていた。

 多摩湖サイクリングロードを抜けて、集合場所であるバイクルプラザに向かった。今日の参加者は7名であった。そのロードバクの内訳はORBEA、CONLAGO、LOOKが2台ずつで、Kuotaが1台であった。

 目的地を話し合った結果、「都民の森」に決まった。「都民の森」は標高が高いので、かなり寒い可能性がある。

 7台のロードバイクは連なってスタートした。穏やかな冬の朝である。空には雲もあまりなく、風も吹いていなかった。

 小平市の市街地を抜けていって、玉川上水に沿って続いている道を走った。玉川上水に沿っては多くの木々が植わっているので、目に映る風景も穏やかなものである。

 西へ向かて走っていき、最初の休憩ポイントである拝島駅近くのファミリーマートに着いた。拝島駅の白いフェンスにロードバイクを立てかけて、店内に入っていった。

 補給食には、「トルティーヤ ハム&チーズ」を選択した。セブンイレブンの「ブリトー」に該当する商品であるが、食感はこちらの方が柔らかい。

 チーズはゴーダ、モッツァレラの2種類を使用しているとパッケージに書かれていた。濃厚な味わいである。チーズ好きには好評であろう。

 陽光を浴びていると、寒さはほとんど感じられなかった。2月としては走るのに適した気候である。これなら、快適なロングライドになりそうな予感がした。標高が1,OOOメートルある「都民の森」も陽光がたっぷりと降り注いでいたなら、それほど寒くないかもしれないと思えた。

2019/2/23

4729:スマートトレーナー  

 我が家にもついにZwiftがやってきた。正確に言うとZwiftがやってきたわけでなく、Zwiftに対応するスマートトレーナーがやってきたのである。

 Zwiftは、バーチャルライドを体験えきるソフトである。アプリをダウンロードして、自分のアカウントを作成すれば、だれでも参加できる。料金は月額1,500円である。コースはロンドンやニューヨークなど、インターナショナルである。

 世界中のサイクリスト達とライドする事がZwift体験のもっとも魅力的な要素である。走り始めると自分のアバター以外に、画面上には世界中でこのソフトに参加しているローディーたちのアバターが国名と名前が明記されて映る。

 それらの、各国のローディーたちと競合したり、協調したりしながら、走るのである。その結果、固定式ローラー台でのトレーニングが画期的に魅力的なものになる。

 ローラー台を使ったトレーニングというものは、しんどいわりに退屈なのが致命的な欠点である。それ故、トレーニングをしようというモチベーションを保つのが難しい。そのモチベーション維持にZwiftは大きな効果があると思われる。

 Zwiftには、必ずしもスマートトレーナーが必要なわけではない。パワーメーターが装備されていればサイコンからデーターを送信すれば参加することは可能である。しかし、その場合コースに合わせて自分で負荷をコントロールする必要がある。

 スマートトレーナーがあると、コースに合わせて負荷が自動的に調整されるので、実際に走っている感覚に近い体験が得られる。

 さらに集団の中で走っている時には、スピードを維持するために必要なパワーが軽減されたりと、実走感を演出する要素が盛り込まれている。

 そのスマートトレーナーが入荷したとの連絡を受けて、バイクルプラザまで受け取りに行ったのは、木曜日のことであった。

 すぐに、Zwift体験をしたいところであったが、時期が悪かった。今は、確定申告期に突入していて、会計事務所にとって1年で一番忙しい期間である。

 仕事を終えて、家に帰りつくのはどうしても深夜になってしまう。それからZwiftでトレーニングというのは、身体的にとても厳しいものがある。

 とりあえず、自宅の寝室の空間にセッティングはしたが、そこまでで時間も体力も潰えてしまった。

 金曜日、土曜日も同様であった。土曜日の夜には体験しようと思っていたが、2月に入って休みなく働きづめであったからであろうか、体調が悪くなってしまった。

 LOOK 785 HUEZ RSは後輪が外されて、スマートトレーナーにセッティングされている。「いつでもどうぞ・・・」という態勢は整っているのであるが、崩した体調を戻すためにLOOK 785 HUEZ RSを横目に見ながら、ベッドへと向かった。

 そして、泥のように眠った。仕事の疲れはスポーツの疲れとは違い、重くけだるいものである。そして年齢を重ねていくと簡単にはとれないものになってくる。 

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2019/2/22

4728:比較試聴  

 CD-DSPとKSL-2、さらにKSL-2とKSA-150とを接続するRCAケーブルが、MITのMI-330から同じMITのMI-330 SHOTGUNに替わった。

 同じMITのケーブルであり、同じ時代の製品であるので、大きな変化はないと思われるが、MI-330の上級ポジションにあたるSHOTGUNであるので、良い結果が出ることが期待された。

 先ほどまで聴いていた、シューマンの「女の愛と生涯」を再度聴いた。8曲の歌曲で構成されたこの作品はシューマンの代表的な歌曲集である。

 RCAケーブルを替えたことによる音の違いは、やはりそれほど大きいものではなかった。同じメーカーの製品であるので、音の基本的な傾向はやはり似ている。

 似ているが、慎重に耳を傾けると違いはやはりあるものである。MI-330 SHOTGUNの方が低音がふくよかで腰の座りが良いと感じられた。

 「やはり、上級モデルであるので、低域に関しては優位性が感じられるな・・・」

 ピアニストの左手の動きがよりしっかりと目に見えるような感覚がある。SHOTGUNは黒い謎の被膜が半分以上を占めている。その被膜部分は若干太くなっている。その視覚的な違いがそのまま低音に影響を与えているかのようであった。

 それに比べてMI-330の低域はシャープでスピーディな印象を受ける。比較することがなければ、これはこれで自然な減衰感があり、違和感は全くない。

 音像に関しては、SHOTGUNの方が前に出てくる。さらに、横の広がりが出る感じがある。MI-330はどちらかというと奥行き深く音場が展開し、音像も奥まった位置に定位する。

 音増が前に出る効果か、解像度も上がったかのような印象を受けるが、最新のケーブルほどに解像度優先ではない。

 8曲の歌曲が終わってから、さらにバッハのゴルドベルグ変奏曲のCDに切り替わった。グレングールドは、演奏中に声を出す。

 その声が、先ほどよりもはっきりと聴こえる。グレン・グールドが演奏に込めた熱情がよりストレートに伝わる感があり、印象は良かった。

 グールドさんは「やはり、SHOTGUNは良い点が多いですね・・・MI-330は癖がなく自然な感じが美点で長い間使っていましたが、SHOTGUNは低音が豊かになり、音像にエネルギーが籠ります・・・とても参考になりました。ぜひ使ってみたいですね・・・」と話された。

 結局、2セットのMIT MI-330 SHOTGUNは、グールドさんのお宅に引き取られることになった。MI-330も2セットあるので、全てMI-330 SHOTGUN、どちらか一方のみMI-330 SHOTGUNなど様々な組み合わせも試してみたいとのことであった。

2019/2/21

4727:SHOTGUN  

 グレン・グールドのピアノに続いて、KRELL CD-DSPにセットされたのは、シューマンの歌曲集のCDであった。ソプラノはエディト・マティスである。ピアノ伴奏はクリストフ・エッシェンバッハ。

 女性の後ろ姿が描かれた印象的なCDジャケットである。「女の愛と生涯」の8曲の歌曲を通して聴いた。

 このCDは、我が家でもよく聴くものである。我が家のリスニングルームで聴けるものよりも少しばかりシャープな音像がWILSON AUDIO CUBの後方にすっと浮かぶ。少し見上げるような位置に、歌い手の顔があり、ちょうどコンサートホールで聴くような視線となる。

 「女の愛と生涯」は「歌曲の年」といわれる1840年に作曲された。シューマンは、この年幾多の困難を乗り越えてクララ・ヴィークと結婚した。そのことが、この歌曲集を作曲する大きな契機となったはずである。

 「女の愛と生涯」を聴き終えてから、「では、試してみますか・・・」とグールドさんは、一旦オーディオ機器の電源をOFFにした。私は、紙袋から2セットのRCAケーブルを取り出した。

 それらはどちらもMITのケーブルである。型番はMI-330 SHOTGUN。我が家のオーディオシステムでしばらくの間活躍していたRCAケーブルである。

 我が家のオーディオ・ケーブル類は、最近RCAケーブル、スピーカーケーブル、そして電源ケーブルのほとんどが、ジャーマンヴィンテージのケーブルに刷新された。そのため、大量のケーブル類が階段下の物置の空間を占有することになった。

 グールドさんはMITケーブルの愛好者である。RCAケーブル、スピーカーケーブルが全てMITである。電源ケーブルだけはMITではなく、JPS LABSのケーブルを使われている。2セットのRCAケーブルはMITのMI-330である。

 素のMI-330をその上級バージョンであるMI-330 SHOTGUNに替えると音にどのような変化があるのか・・・変化があるのは間違いないが、その変化の方向がグールドさんの嗜好性にあっていれば、お譲りすることになる。

 CDプレーヤとプリアンプ、そしてプリアンプとパワーアンプとの間を接続していたMI-330が取り外されて、MI-330 SHOTGUNが新たにその役割を担った。

 SHOTGUNはMI-330にさらに黒い被膜をかぶせたような形状をしている。その黒い被膜の下には何かが隠されているようであるが、その詳細は不明である。黒い被膜部分はケーブルの全てを覆っているわけではなく、7割ほどの部分を覆っている。

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 接続を手早く終えて、オーディオ機器の電源をONにした。CD-DSPには、シューマンの歌曲集のCDが納められたままになっていたので、そのCDを再度聴いてみることにした。

2019/2/20

4726:ゴルドベルグ変奏曲  

 それらのKRELLのコンポーネントは、MUSIC TOOL製の3段ラックに綺麗に設置されている。上から CD-DSP、KSL-2、KSA-150の順番である。

 KRELLの製品はグレーの色合いに黒のアクセントがある硬質な感覚のデザインで統一されている。ここまで揃っていると、機器を変更することは難しいであろうと思われる統一感である。

 さらにWILSON AUDIOのCUBと、これらのKRELL製品との相性も抜群に良い。オリジナルのCUBは、1997年の発売であるので、時代的な整合性もほぼとれているのであろう。

 WILSON AUDIOのCUBは、音の切れが抜群に良くスピード感に溢れている。そのサイズからは想像もつかない自然な低音再生力とハイレスポンスが魅力のスピーカーである。

 バーチカルツイン構成のユニットは、見ていると引き込まれるものがある。フロントバッフルの横幅は狭いが、奥行きは結構ありエンクロージャーの容量は思いのほかある。

 センターラック方式によってセットされた、これらのオーディオシステムは、リスニングポイントから一望できる。

 「ここまでシステム全体がマッチしていると、全く動かすことができないだろうな・・・」と思いながらそのシステムを見ていた。

 まずはCDが一枚、トップローディング方式のCD-DSPにセットされた。グレン・グールドの演奏によるバッハ「ゴルドベルグ変奏曲」である。

 彼が他界した1982年の前年に録音されたこのCDは、とても有名である。彼がこの曲を録音するのは2度目であった。

 彼のデビュー盤として最初にこの曲が録音されたのは1955年のことである。翌年になって発売されたそのレコードは一大センセーションを巻き起こした。
 
 そして、約20年後に再録音されたこのCDも大きな話題を呼んだ。このCDはグールドさんの愛聴盤である。システムの調整も全てこのCDで行なわれている。

 1曲目の「アリア」から第5変奏曲までを聴いた。ロマンティシズムと透徹した構成力が見事にバランスした自由で闊達なバッハが、リスニングルームに展開した。

 ときおり、大胆な発想による型破りな演奏箇所もうかがわれるが、その意図したところの情緒的な発散が見事であり、一瞬はっとするが、結果として納得させられてしまう。

 今日の目的は、グールドさんのオーディオシステムの熟成具合を確認すると共に、一つの聴き比べを行うことにあった。

 その聴き比べの素材は、書類カバンと一緒に置かれた紙袋の中にそっと納まっていた。

2019/2/19

4725;ネルドリップ  

 寒さは緩んだ。「このまま一気に春に向かうのでは・・・」と思えるような感じで空気が柔らかくなった。

 「随分と早いな・・・」そう思いことはここ数年多い。暑くなるのも早い、寒くなるのも早く、そして寒さが緩むのも早い。季節の移動のタイミングが早くなっているようである。

 寒さが緩むと、花粉も飛び始めるようである。事務所のスタッフも半数以上が花粉症の症状がある。寒さが緩んだといっても手放しでは喜べないようである。

 日野市にある顧問先の会社を訪問して事務所に戻る途中で、久しぶりに国立市にあるグールドさんのお宅に少しの時間お邪魔した。

 国立市は私の事務所がある国分寺市のお隣の市であるので、車であればすぐの距離である。国立市は地名が簡略で分かり易い。

 「東」「中」「西」と方角で区分されている。グールドさんのお宅は「西」にある。とても閑静な住宅地である。

 車を近くのコインパーキングに入れて、少し歩いた。雨がパラついていた。小さめのビニール傘をさした。

 お宅を訪問して、早速リスニングルームに向かった。リスニングルームの中で、私が持参したケーキを食べながら、しばしの談笑タイムを過ごした。

 ケーキと一緒にグールドさんが淹れてくれた珈琲を飲んだ。その味わいは濃厚である。グールドさんは珈琲にこだわりがあるようで、深煎りの豆を使い、ネルで淹れてくれる。

 ネルは、ペーパーフィルターと違って手間がかかる。使い終わると煮沸して布に付着したコーヒーの粉を取り除かなければならず、煮沸した後は、冷水を入れた容器などに漬けて冷蔵庫内で保管する必要がある。

 その手間を考えると、やはりペーパーフィルターを選択したくなる。ペーパーフィルターなら使い捨てである。

 グールドさんのリスニングルームには、とても渋いシステムが鎮座している。スピーカーはWilson AudioのCUBである。

 サウンドアンカー製の専用のスピーカースタンドに乗せられているCUBは精悍で精緻なオーラがあふれ出ている。

 CUBは後方の壁から2メートル弱離されて設置されている。内振りをほとんど付けない平行法でセットされている。こういう設置方法の場合、音場は後方へ奥深く展開する。

 ソースはデジタルのみで、一体型CDプレーヤーはKRELL CD-DSP。トップローディング方式のデザインのCD-DSPは独特の存在感を持っている。

 アンプもKRELLである。プリアンプはKSL-2で、パワーアンプはKSA-150である。この時代のKRELLには硬派な雰囲気があり、グールドさんはこの時代のKRELLが好きなようである。



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