2019/1/5

4680:アドレナリン  

 現在はいろいろと便利になった。「所沢駅」から「元町・中華街駅」まで、ノンストップで電車で行けるのである。

 「所沢駅」までは自宅から車で10分ほど。「所沢駅」から「元町・中華街駅」までは、1時間15分で着く。

 電車の中では半分は寝て、半分はスマホの画面を見ていた。終点である「元町・中華街」駅に着いて外に出ると、風は冷たかった。

 山下公園近くの待ち合わせ地点に赴くと、月に1回レコードを聴かせてもらっているAさんがちょうど逆方向から歩いてくるのが見えた。

 今日はAさんと一緒に、横浜のMさんのマッキントッシュ・システムを聴かせもらった。私は昨年の10月にも一度聴かせていただいたのであるが、その後電源工事により電源環境が一段と強化された。

 さらにはトーレンスのプレステージも新規に導入されたとのことで、それらにより音がどのように変化したのか興味津々であった。

 今や、メインシステムであるJBLパラゴン・システムをしのぐまでに成長したマッキントッシュ・システムの要は、XRT26である。

 XRT26は巨大なスピーカーである。低域用に30cmコーン型ウーファー2個、中域用に20cmコーン型ミッドレンジ、高域に2.5cmアルミハードドーム型トゥイーター23個を搭載するという大掛かりなスピーカーである。

 「タワー」という呼称がぴったりとするトゥイーターコラムの高さは2メートルを超える。間近に見ると見上げるようである。

 しかし、横浜のMさんがオーナーを務める会員制のワインスクール「Le Salon」の絢爛豪華な空間では、XRT26が大きく見えない。むしろしっくりと目に馴染むから不思議である。

 まずはCDから聴かせていただいた。CDに関しては機器の変更はなく、電源工事のBefore And Afterが如実に検証できる。

 ジャズやクラシックなど数曲を聴かせていただいたが、電源環境の大幅な強化は実に如実な効果をその音の様相にもたらしていた。

 Beforeは、絵画で例えるなら「ルノアールの裸婦」であった。豊穣であり、幽玄というか夢幻的な色彩感があった。

 Afterは「レンブラントの肖像画」であろうか・・・レンブラントは「光の画家」「光と影の魔術師」などの異名を持ち、強い明暗を駆使したドラマチックな画風で知られている。精緻な質感描写と真に迫るリアリズムで、肖像画からその人物の内面を見事に表現してみせた。

 電源工事により、音の立ち上がりの俊敏さと力強さが確実にワンランク向上し、その音が見せる表情は精緻な彫琢が施されシャープな切れ味を見せる。

 ルノアールの幽玄さとレンブラントの彫琢のキレ、どちらも魅力的ではあるが、サロンコンサートまたはライブハウスでの生演奏を思わせるリアリティーのある音を眼前にすると、電源工事は正解であったと思わざる得ない。

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 小休止の後、後半はアナログタイムへ移行した。レコードプレーヤーは新たに導入されたトーレンス プレステージである。

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 巨大で重厚なレコードプレーヤーである。スピーカーのXRT26同様、これが一般的なリスニングルームに置かれていたなら、違和感を覚えるほどに豪華で立派ないでたちであるが、「Le Salon」の非日常ともいえる絢爛で広い空間においては全く違和感がない。

 アナログを聴いた。「これは和田峠か・・・」と心の中で独り言がおもわず漏れた。音の密度感がCDとは桁外れに違う。

 CDが富士スバルラインの平均斜度5%程度のヒルクライムだとすると、アナログは最高で20%もの斜度を有する和田峠の峠道をロードバイクで走る時のようなクランクの重みを感じた。

 そのクランクの重みは、トーレンス プレステージの導入によりさらに重厚感を増したようである。「ぐっとくる・・・」いや、「ぐわっとくる・・・」という表現の方が適切か・・・

 このマッキントッシュ・システムは、まずはCDから聴き始め、その後にアナログを聴くという順番は絶対に順守しなけらばならないであろう。

 最後は、ジミ・ヘンドリックスのレコードで締めた。脳内麻薬を否応なしに放出してしまうようなエネルギッシュな音であった。

 刺激的なOFF会であった。和田峠をロードバイクで走り終えた直後のように、私の脳内にはアドレナリンが大量に放出されていたようである。建物の外に出ると冷たく強い風が吹いていた。火照った顔から、その風は急速に熱を奪っていった。



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