2018/12/28

4672:太管  

 「響工房」には、LuxmanのCDプレーヤー、D-500が置かれている。D-500は1994年に発売された高級CDプレイヤーである。
 
 トップローディング方式を採用しており、トップパネルは緩やかにスラントしている。この独特なデザインが今でも人気があり、動作品であれば中古市場でも高値で取引される。

 そのD-500にCDが一枚装着された。リモコンを操作すると、音がフォステクス製と思われるユニットを使用したバックロードホーンタイプのスピーカーから発せられた。

 ノラ・ジョーンズのCDであった。音は鮮明で繊細であった。ボーカルの質感はしっとりとしていて、ボーカルのバックのアコースティック・ギターの音もリアルな感触があった。

 「やはり、Marantzは音が綺麗ですね・・・ALTECだと音が厚く気強さが際立つけど、Marantzは繊細で美しい音がする・・・」井村さんはそう評されていた。

 その音の差はパワーアンプの姿かたちにも如実に表れている。Marantz Model2は繊細な造形美を誇っている。とりあえず、これで一安心である。

 実はModel2の修理の間shanshanさんから借りているQUAD Uと同じ回路のPPアンプの印象が良かったので、もしもModel2の回復が難しそうであったら、QUAD Uの復古モデルの一つである「Gold Special Edition」でも購入しようかなと思っていた。

 すると、その私の思いを見透かしているかのように、中古市場で滅多に見かけないその小振りで金色に輝く2個1セットの物体がヤフオクに出ていた。

 「うわ・・・このタイミングで出てくるか・・・」と、その金色に輝く「金閣寺」を思わせるような真空管パワーアンプの写真を眺めていた。しかし、ぐっと我慢して入札しようとする右手を「理性の左手」でどうにか抑えた。

 ようやく修理が完了したMarantz Model2をBMW 523iの後部座席に慎重に乗り込ませた。帰り道、ハンドルを握りながら「出力管をどうするかな・・・」と思った。現在はMullard製の真空管を使用している。いわゆる「太管」である。そのうちの1本が動作が不安定になった。Mullardのものを1本新規に購入すれば済む。

 「いや、TELEFUNKEN製の細管に一気に替えてみるか・・・」とも思った。見た目的には細管の方がすっきりとしている。

 音の傾向も、見た目と類似しているとのことである。「細管」は、モダンですっきりとした見通しの良さが特徴で、太管はややぼんやりとするが、温かみのある音がする。

 真空管アンプの場合、真空管を取り換えることにより、音の変化を楽しむという側面もある。「まあ、いろいろ楽しめる要素があることは良いことだ・・・しかし、あまりのめり込むと危ない世界でもある・・・真空管に嵌まると、底なし沼に引きずりこまれる可能性がある・・・」そんなことを思いながら車を走らせていった。

 自宅には1時間ほどで着いた。そして、Marantz Model2を自宅のリスニングルームに慎重に運び込んだ。



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