2018/12/6

4650:ブラック  

 Paoさんと知り合ったのは10年以上前のことである。もっとも古いオーディオ仲間の一人ということになる。

 知り合った最初の頃と現在のラインナップは大きく変わった。知り合った当初は、そのラインアップは、Paoさんが熱心な「長岡教信者」であったことが如実に窺えるものであった。

 当初のラインアップは、スピーカーが長岡鉄男氏設計のD-55、CDプレーヤーはMarantz CD34をアンプ製作で有名な工藤氏が大幅に改造したもの、プリアンプがAurex SY-Λ88Uで、パワーアンプがLo-D HMA-9500であった。

 CDプレーヤーは今も同じものを使っているが、プリアンプがMark LevinsonのNo.26Lに替わり、パワーアンプも同じMark LevinsonのNo.27.5に替わった。いわゆる「オールドレビンソン」と呼ばれることの多い30年ほど前のMark Levinson製のアンプである。

 そして、スピーカーは2年前に、YAMAHAのNS-5000に替わった。これにはとても驚いた記憶がある。YAMAHAはピュアオーディオ分野にここ数年意欲的な製品を出しているが、その中核をなすスピーカーである。

 その姿形は、往年のYAMAHAの代表的なスピーカーであるNS-1000を彷彿とさせるものであるが、最新の技術がふんだんに導入されているようである。

 Paoさんは「この形がね・・・俺のような年代の人間には、懐かしさを覚えるんだよね・・・それと色付けのない抜けの良い音に、YAMAHAの粋を感じたんだよな・・・」と話されていた。

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 Paoさんのオーディオ機器の色は全てブッラクである。「オーディオ機器の色は黒でないとダメ・・・」というのが、Paoさんの変わらない信条である。

 今日は1年ぶりにPaoさんのリスニングルームを訪れた。親から相続した家は築50年以上経過している。木造の家屋であり、防音に関しては心許ない。

 しかし、新宿区の甘泉園公園に面している家屋の右隣りは古い中層マンションであり、左隣は小さな教育系出版社の社屋であるので、音漏れに関してはそれほど気を使わなくていい状況である。
 
 1階の8畳ほどの広さの部屋がオーディオ部屋になっている。その部屋に入りリスニングポイントのソファに腰かけた。

 カリモク製の3人掛けソファは、昭和を感じさせる年代物である。木部は濃い茶色で優雅な曲線を多用している。クッションのカバーは紺色の地に茶色の色合いで優麗な植物模様がプリントされている。

 オーディオのラインナップは昨年お邪魔した時と変わっていないが、床に気になるものが置かれていた。

 それはMark LevinsonのNo.39Lであった。No.39Lは20年ほどに販売されていた一体型のCDプレーヤーである。

 No.39Lは、電源コードが繋がれていて、電源が入った状態で床に置かれていた。「CDプレーヤーを替えるのであろうか・・・Marantz CD34は改造費に相当な金額をつぎ込んでいるので、替える気はないようだったけど・・・」と思いながら、No.39Lの姿をぼんやりと眺めていた。

 ややあって、珈琲をお盆に二つ乗せたPaoさんが、部屋に入ってきた。珈琲を受け取ってソファの前のテーブルの上に置いた。

 「Paoさん・・・CDプレーヤー替えるんですか・・・?」とMark Levinson No.39Lを指さしながら、訊いた。 



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