2018/10/17

4600:準ヴィンテージ  

 「前回大川さんのお宅にお邪魔した時には、確かラックにはTHETAのDAコンバーターもあったはず・・・」私は横長の3段ラックを眺めながら思った。

 「THETAのDACはどうされたんですか・・・?」と大川さんに訊いてみた。すると「THETAは動作の状態が不安定になって・・・手放してしまいました・・・」と答えた。

 大川さんがお持ちだったのはTHETA DS PRO BASICである。細長い1Uの躯体にまとまられていて、フロントパネルは中央部にトルグスイッチ二つとパイロットランプがあるだけというシンプルで美しいデザインを有していた。

 大川さんは「デザインが最高で、とても好きな造形だったんですけど、実際に使われることは少なめだったので、修理には出さずに、手放しました・・・」と話されていたが、確かに良いデザインをしていた。

 3連の3段ラックには9台のオーディオ機器を設置することができる。2台のCDトランスポート、4台のDAC、1台のプリアンプと、1台のパワーアンプ、そしてCDトランスポートであるORACLE CD2000の電源部ですべてが占用されていた。

 そのラックを眺めながら「きっと、大川さんはオーディオ機器を選択する際に、デザインの良さという項目が優先順位の上位に来ているんだろうな・・・」と想像した。

 私は、一旦座ったソファから立ち上がって、そのラックの裏側を眺めてみた。ケーブル類は細めのものが繋がっていた。

 「このRCAケーブルはどこのメーカーですか・・・?」と改めて訊いてみると「それは、Straight Wireというメーカーのものです・・・」との返答があった。

 「もうずいぶん前に無くなったのですが、秋葉原のガード下に『ダイナミクオーディオ・アクセサリーセンター』という店があって、そこによく通っていたんです。そこの店長のお薦めで、DACとプリの間とプリとパワーの間の3セットはすべて同じものです・・・もう12,3年前のことかな・・・買ったのは・・・」

 「アクセサリーセンターですか・・・じゃあ、店長は島田さんですね・・・私もオーディオを始めた頃はそこによく行っていました・・・」
 
 「あっ・・・そうですか・・・小さな店で螺旋階段で2階にあがれるようになっていて、2階が試聴室になっていたんですよね・・・ちょっとアングラ感がありましたね・・・」

 「そうそう・・・懐かしいですね・・・・」

 そんな昔話で盛り上がった。「ダイナミックオーディオ・アクセサリーセンター」は私にとっては思い出深い場所であった。

 オーディオを趣味とするようになった10数年前、そこでプリアンプとパワーアンプ、さらにはケ−ブル類を購入した。

 今は我が家のオーディオ機器の主要なものは「ヴィンテージ」に分類される古い時代のものであるが、オーディオを趣味として始めた当初は「ハイエンド」と呼ばれていた最新の機器で揃えられていた。

 大川さんのオーディオシステムを構成している機器を眺めると、どれも20年ほど前の機器である。

 1990年代の機器が多い。新しいものではないが、いわゆるヴィンテージでもないという区分になるのであろうか・・・「準ヴィンテージ」とでも評すべきものなのかもしれない。



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