2018/10/10

4593:クーペ  

 店舗やマンションの内装デザインを手掛ける会社を訪問した際に、そこの会社の社長が「車、買い替えましたよ・・・」と打ち合わせが終わった頃合いに話した。

 その社長はVW GOLFを愛用していた。GOLF GTIやGOLF Rと言ったスポーティーなモデルではなく、1.4Lのエンジンを搭載した通常のモデルであった。

 「こんどは、何にしたんですか・・・?」と水を向けると「Audiです・・・との返答が得られた。頭に浮かんだのは「A3」であった。

 「Aduiですか・・・お洒落ですね・・・GOLFからの買換えであれば、A3ですか・・・?」と話を続けると、「A3ではなくて、A5です・・・」との意外な展開に・・・

 「A5・・・じゃあクーペですか・・・?」

 「クーペと言えば、クーペなんですけど・・・ドアは4枚あって、いわゆる4ドアクーペって奴です・・・」

 「4ドアクーペですか・・・」

 Audi A5は、A4をベースにしたクーペモデルである。A4が実用性が高く堅実なモデルであるとすれば、A5はより流麗で遊び心に溢れたモデルともいえる。

 日本ではクーペなど前時代的な存在になってしまっているが、ヨーロッパでは根強い需要があるようで、BMWも、Mercedes-Benzもクーペモデルをしっかりとラインナップしている。

 Audi A5は純然としたクーペモデルのほかに「SPORTSBACK」という名称で4ドアクーペを販売している。

 「A5は、そのデザインが気に入って・・・少し高かったけど思い切って替えてみました・・・」その社長はデザイン関係の仕事をしているだけに、車のデザインに関してもうるさい。

 「じゃあ、少し乗せてくださいよ・・・」

 「良いですよ・・・運転してください・・・」

 ということになり、少しの時間だけであるが、その社長に助手席に座ってもらってAudi A5 SPORTSBACKのハンドルを握ることができた。

 Audi A5の最大の魅力は、その流麗なスタイリングであろう。サイドのキャラクターラインは微妙に波打っている。

 フロントフェイスは、今年になってから出たAudi A6やA7ほどには鋭角的な鋭さはなく、Audiとしては少し優し気な雰囲気を持っている。

 駆動方法は「クワトロ」と呼ばれる4輪駆動である。エンジンは2.OLガソリンエンジンで4気筒。最新の4気筒エンジンは滑らかで実に静かである。

 ボディーカラーは白で、シートはブラックの本革製である。サッシュレスのドアを開けて運転席に座り込むと、着座位置はクーペらしく低く、包まれ感がある。腰痛持ちの人にはちょっと辛いかもしれないが、気持ちがしっとりと落ち着くポジションである。

 インテリアはほぼA4と同じものである。「バーチャルコックピット」は、やはり先進性に溢れていて、新鮮である。

 走り始めると、その足回りやエンジンの質感は思っていた以上に高級感に溢れている。Audi A4にも乗ったことがあるが、走りの質感はA5の方が高いと感じた。

 乗り味の基本はドイツ車らしく引き締まったカチッとしたものであるが、妙なツッパリ感はなく、表面はビロードの手触りを思わせるようなものに包まれている。

 後席の居住性は外観から想像する以上に悪いものではなく、4名乗車が十分に可能である。荷室はゴルフバッグなら二つは余裕で飲み込む感じあった。

 「これ良いですね・・・走りはA4よりも良い感じです・・・A4よりも値段は高いはずですが、その価値はあるんじゃないですか・・・?」
 
 「もう子供は独立したから、クーペも良いかなって思ってね・・・」と、助手席に座っていた社長は頬を緩ませていた。

 「我が家もあと数年したら、子供達も独立して夫婦二人の生活が始まるかもしれない・・・そういう時代になったらクーペも良いかもしれないな・・・」と心の中でそう思いながら、A5をしばしの間走らせていた。



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