2018/10/3

4586:お揃い  

 用意していたただいたミルクティーを飲みながら、しばしの時間雑談をした。その中で「例のものはどんな感じですか?」とグールドさんから話があったので、鞄の中からRCAケーブルを2セット取り出した。

 「これですか・・・」とグールドさんはそのケーブルをしげしげと眺めた。「どのくらいの年代のケーブルなんですか・・・?」

 「小暮さんによると、1930年代のものとのことですが、真偽のほどは分かりません・・・小暮さんのお知り合いで、ジャーマンビンテージの熱心なコレクターの方がいて、その方からケーブルを分けてもらって、小暮さんがRCAケーブルに仕立てたようです。」

 「この二つは中のケーブルは同じものなのですが、被膜の仕様が違うようで、その被膜の仕様の違いで音の傾向も変わるようです・・・」

 「そんなに古いものなんですか・・・1930年代と言えばドイツでナチスが政権を奪っていく時代ですよね・・・ドイツが破滅への階段を上がっていった時代ですね・・・」

 「そうですね・・・そう思うと、歴史を感じますね・・・」

 「しかし、我が家のオーディオシステムは、第2次世界大戦でナチスドイツを打ち破ったアメリカの製品で占められているから、相性はどうですかね・・・」
 
 グールドさんはそう言って笑った。そういえば、グールドさんのところではRCAケーブルもすべてMITで揃えられている。

 「RCAケーブルもMITだから、アメリカ製ですものね・・・電源ケーブルは何をお使いですか・・・?」

 「3本ともJPS Labsというメーカーです・・・これもアメリカ製ですね・・・」

 「統一感が凄いですね・・・」

 「揃っているのが好きなんですね・・・KRELLも、MITも、JPS Labsも揃えてしまいました・・・」

 「確かに揃ってます・・・」

 そんな雑談の後、KRELLで揃えられた駆動系とWilson AudioのCUBで構成されたシステムで、CDを何枚か聴かせてもらった。

 モーツァルトの幻想曲 ハ短調、ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番第1楽章、マーラー交響曲第4番第1楽章と聴いた。

 グールドさんのシステムは1990年代の機器である。決して最新型のものではないが、その精緻な音の具合に感心した。

 「揃っている・・・」ということがグールドさんのシステムにおいて、グールドさんの個人的な嗜好性を満足させるだけでなく、音の様相にも良い影響を与えているようである。

 「この揃った環境に、異質なものを持ち込むのはいかがなものか・・・」とも思いながら、その変化具合のほどを心の中で想像してみた。



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