2018/7/18
4509:トリアイナ

奥武蔵グリーンラインは尾根伝いに幾つもの峠を繋いでいる。定峰峠を起点として走り始めた。まずは白石峠を目指した。
林道であるので木陰が多く直鎖日光のダイレクトな攻撃は避けられるが、既に体調が良くない状態であったので、アップダウンの繰り返しは結構堪えた。
白石峠に着いて一息入れてから、次は大野峠まで向かった。おかしいのは体調だけではなかった。Kuota Khanのリアから定期的にスポークが何かに接触する音がしていた。
大野峠についてDi2をリーダーに微調整してもらうとその音は収まった。次は刈場坂峠である。下りで脚を休ませて、上りに転じるとじっと我慢しながら黙々と走り続けた。
刈場坂峠では眺望がさっと開ける。ここでも一息入れた。しかし、その眺望を心から楽しめる体の状況ではなかった。
今日の昼食休憩は顔振峠の少し手前にある「ベラヴィスタ」に立ち寄る予定であった。「ベラヴィスタ」のウッディなテラスに出ると奥武蔵・奥多摩の山々を眺めることができ、心が癒される。今日は心よりもまずは体を癒したいところであった。
刈場坂峠を出て、さらに幾つものアップダウンを越えていった。そしてようやく道の脇に店の看板を見つけた。
奥武蔵グリーンラインからその店に向かうために急な坂道を下っていった。いつものようにテラス席に陣取って、スパゲティーを頼んだ。
ここで疲弊しきった体を休ませることができた。頭が重く軽い頭痛が残ったが、最悪の状況は脱したようであった。
熱中症の厳重警戒が出るなか、ロードバイクで長い距離を走るのであるから、もしも搬送されるような状況になったら、妻からは相当な叱責を受けることになったであろう。
頼んだスパゲティーが運ばれてきた。ここのフォークは刃の部分が先端に向かて左右に若干広がっている。「なんだか、悪魔が手に持っている武器(トリアイナ)みたいだな・・・」といつも思う。「今日は『猛暑』という悪魔のフォークで手痛い一撃を食らったが、どうにかこうにか無事に帰れそうである・・・」と思いながら、そのスパゲティーを胃袋に納めた。