2018/5/3

4433:自然体  

 ごく一部のオーディオマニア・・・特に自作マニアの間で話題になっていたようであったが、私はまったく知らなかった。

 マークオーディオ・・・1999年にスピーカーユニットの設計・製造メーカーとして設立された。主力製品は新素材合金やパルプを使用したユニットで、非常に繊細で音楽性豊なサウンドを再生すると評価されるようになったメーカーのようである。

 その実に小さなユニットの見た目は「かわいい・・・」というもので、決して「カッコいい・・・」というものではない。それと同時に「大丈夫かな・・・こんな小さなユニット一発で・・・」と少々心許ない気持ちになる。

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 pontaさんのお宅のスピーカーが新しくなったとの連絡を受けたのは1ケ月ほど前のことであった。以前使われていたQ Acousticsというイギリスのスピーカーメーカーも、pontaさんのお宅で見かけるまでは、その存在すら知らなかったが、今回のマークオーディオのスピーカーも、見るのも聴くのも初めてのものであった。

 その見た目は拍子抜けするくらい無表情である。肩に力が入っていないというか、実に自然体で立っている。

 このスピーカーを駆動するのは、従来通りMarantzのCDプレーヤーとプリメインアンプである。基本的な性能のしっかりとした仕事人的オーディオ機器である。

 さて、このスリーピース構成のシンプルなシステムでクラシックのCDを何枚か聴いた。ラベルのピアノ協奏曲、バーバーのヴァイオリン協奏曲、シュトラウスの歌曲やシューベルトのピアノソナタなどを聴いていった。

 その音の質感は実に自然。ユニットがあまりにコンパクトなので、「大丈夫・・・?」と不安になったが、聴いてみると、欲張った感じがなく自然に帯域は伸びていて、変な癖がない。聴く者に緊張感をもたらすことなく、音楽に招き入れてくれる。

 価格も実に手ごろなものであり、使い古された表現ではあるが「コストパフォーマンスが実に高い・・・」と言えるであろう。

 OFF会ではマニアックな構成のシステムを聴く機会が多く、こういった実に自然で穏やかなシステム構成は珍しいが、一般的な音楽愛好家にとってはこれ以上のものは必要がないであろうと、確信できるクオリティーの高さであった。

 しばしの時間、音楽に浸った。最後にかかったのはシューベルト ピアノソナタ21番の第1楽章であった。

 この楽章だけで20分以上の長さがあり、淡々と流れるピアノはオーディオ的なダイナミックスに溢れるものではない。

 オーディオのOFF会でかかることはまずない曲であるが、マークオーディオの本質を窺うには適切な選曲であった。

 そこからは、現生における脂ぎった欲望からはほど遠いポジションにさらっと立っている「音楽とオーディオの良好な関係」が聴けたような気がした。



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