2018/4/6

4406:目玉焼き  

 喫茶店「Mimizuku」の中では、少しムッとするような濃厚な空気が漂っていた。私のためのナポリタンと珈琲がカウンターの上に並んだ。先に来ていた「ゆみちゃん」は、すでにナポリタンを食べ終えて、アイスコーヒーを飲んでいた。

 まずは珈琲を一口飲んだ。「Mimizuku」の珈琲は味わいが澄んでいる。舌の上でまろやかにうねったのち、喉を通り過ぎた。

 そして、ナポリタンにフォークを入れた。実は「Mimizuku」にはメニューに載っていない「裏メニュー」のナポリタンがある。

 と言ってもそれほど大げさなものではない。+100円で目玉焼きをナポリタンの上に乗せてもらうことができるのである。

 これは実は彼女の要請で特別にしてもらっているトッピングである。目玉焼きは半熟気味で、フォークでつつくと黄身がトロリと出てくる。

 それをやや太めでくたっとした柔らかい麺に絡めて食する。まったりとした味わいが口の中に広がる。

 最初は「目玉焼きってどうなの・・・?ちょっとくどくない・・・?」と、隣で「ゆみちゃん」が食べているのを見て思ったが、今ではすっかりとその魅力に魅入られて、ほぼ毎回目玉焼き乗せで頼んでしまう。

 彼女はよくしゃべる。和歌山終身であるが、関西圏の人のノリであろうか・・・そしていつしか話題は車の話になった。

 「車買い替えるんすか・・・前、パンフレット見てましたよね・・・」

 「車ね・・・いくつか試乗してきたんだけど、これっという決定打がなくて・・・どれも良いんだけど・・・今乗っているPOLOが7年も経っているのに、結構良くて・・・」

 「あの車良いですよね・・・デザイン、私も好きです。『かわカッコいい』感じで・・・」

 「そうそう、古い感じがしないんだよね・・・ドイツ車のデザインってそういったところがあって・・・」

 「あのPOLOを見ていると、私が使っているBRAUNの目覚まし時計を連想します。色も黒で一緒だし、醸し出す雰囲気が似ているんです・・・」

 「BRAUNの目覚まし時計・・・あれ良いよね・・・小ぶりで・・・とてもシンプルなデザインなのに、なんだか凛とした表情もあって・・・」

 「無理に買い替えなくてもいいんじゃないんですか・・・気に入っているなら・・・」

 「まあ、それもそうだね・・・不具合が出ているわけではないし・・・」

 確かにもうすぐ納車からまる7年を経過するPOLOはまだまだ元気である。7速DSGが時折発進時にぎくしゃくすることはあるが、それ以外は快調である。

 先日試乗した新型POLOは確かに進化していた。車体の剛性感は2ランクぐらい上がっていたし、自動ブレーキなどの安全装備も充実していた。

 「良い仕事しているよな・・・」と思いながら試乗車から降りた。しかし、フルモデルチェンジ直後はマイナートラブルが生じやすいし、値引きもほとんどない。

 「7月の車検は一旦通して、じっくりと待ってみるかな・・・」そんなことを頭に浮かべながら、ナポリタンを咀嚼した。



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