2018/1/30

4340:ハーレム  

 パイオニアC21は、1976年の発売である。その頃はまだCDが世に出ていなかった。したがってメインソースがレコードであった時代の製品である。

 現代のプリアンプはフォノイコライザーがついていないのが当たり前で、オプションで装着できる製品ですら少数派であるが、この時代はフォノイコライザーがついていないとプリアンプではなかった。フォノイコライザーこそ、プリンアンプの良否を決める大きな要因であった。

 「では、C21のフォノイコライザーの出来はどうであろうか・・・」ということで、レコードを聴いてみることにした。

 我が家のアナログシステムは、カートリッジはZYX OMEGA、トーンアームがSME Series V 、昇圧トランスがMA COTTTER MK2、そしてターンテーブルがORACLE DELPHI6である。

 1枚のレコードを選択してDELPHI6のターンテーブルに乗せた。プラッターの表面はメチル・アクリレートで、つるっとした硬質な感触である。

 反りのあるレコードをプラッターに密着させるためのレコード・クランプをレコードの上から乗せて回転させると、レコードとプラッターはぴったりと密着する。

 右手の親指でSeries Vを所定の位置まで移動させてから、リフターを下した。カートリッジはゆっくりと下がり、盤面に到着した。

 レコードはドボルザークのヴァイオリン協奏曲。ヴァイオリンはジョアン・フィールド。レーベルはTelefunken。モノラルのレコードである。1950年代の録音である。プリアンプの質感が悪いときつめの音になりやすい。

 その音を聴いて「C21はフォノイコライザーも優秀である・・・」と思った。発売当時の価格が5万円と聞いて、少し上から目線で接していたC21であるが、その実力は予想を凌駕しているものがあった。

 どこかしら平謝りしたい気分でパイオニア C21を眺めながら、ドボルザークのヴァイオリン協奏曲を聴き終えた。

 C21は、こちらの心境の変化を知ってか知らずか、さらっとした無表情を変えることはなかった。

 「この時代の日本製のプリアンプは優秀だな・・・」ほかの機種も試しに聴いてみたくなった。
 
 「以前Paoさんが使われていたAurexのSY-Λ88Uなんて、どうだろう・・・?」とふと思いついた。

 そのデザインはどことなくC21と共通するテイストを感じる。さっそくスマホで検索してみた。すると人気がある機種なのか思っていたよりも高い値付けであった。

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 「いけない・・・いけない・・・」本妻が不在の間につかの間のハーレム状態を夢見たが、首を2,3度左右に振って、その誘惑を退けた。



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