2018/1/16

4326:陽だまり  

 甲州街道を整然と隊列を組んで走っていくと、高尾山が右手に見えてきた。パワースポットとして人気のある高尾山であるが、さすがにこの寒さではそれほどの人は来ていなかった。

 そのなだらかな姿を横目に見ながら走っていくと、圏央道の高尾山インターが見えてくる。その下を潜るようにして進むと道は緩やかに上り始める。

 上り始めてしばらくは人家などの人工物が緑の中に点在している。徐々にその比率は下がっていく。

 「東山下橋」の交差点の信号が見えてきた。一般的には「東山下橋」の交差点から大垂水峠の頂上までがタイムトライアル区間になる。

 道の周囲はやがて緑にすっかりと覆われるようになった。いつだったがやはり真冬の時期にこの道を走った時、木々に積もった雪が残っていて真っ白であった。その時はまるで別世界のようであった。

 今日はそういった白い世界は展開されることはなかった。ペースは徐々に上がっていったが、まだバトルモードの厳しさではなかった。

 バトルモードにワープし始めるのは残り2km辺りからであった。サイコンに表示される10秒平均パワーは250ワットを超え始める。

 4名の先頭集団が形成され、何度か先頭交代を繰り返した。やがて終盤へ向けてペースはさらに上がり、パワーは300ワットを超えてくる。

 このレベルになると、私は付いていけなくなる。ペースを維持した私はじりじりとさがっていった。

 切れてしまうと気持ちを維持するのが難しくなる。脚は休みたがるがサイコンのパワーの数値が下がらないように気を付けながら、残りの行程を走っていった。

 ちょうど別のチームもヒルクライムをしていた。その背中が近づいてくるのを良い動機にして気持ちを切らさずに走った。

 道は何度も緩やかに曲がっている。右、左また右といった具合に曲がりながら進んでいくと、ようやくゴールが見えた。

 最後はダンシングでクランクをパワフルに回してヒルクライムを終了した。大垂水峠の頂上からは、白い富士山がくっきりと見えていた。

 メンバーが揃うのを待ってから大垂水峠を向こう側へ下っていった。今日は相模湖まで行って、Uターンする予定である。

 風を切って勢いよく下っている道を、もう少し後にはまた上ってくることになる。そんなことを思いながら下っていって、相模湖そばのコンビニに立ち寄った。

 そのコンビニで湖畔で食べる補給食を購入してから、湖畔へ向かった。ロードバイクの向こうに広がる相模湖は実に優しい表情をしていた。 
 
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 風はなく、太陽は「北風と太陽」のお話のように遠くから来た我々を暖めてくれた。しばし湖畔の陽だまりでまったりした時間を過ごした。少し前に限界心拍数付近まで心臓を傷めつけていたとは思えないほどに静かな時間であった。



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