2018/1/2

4312:ノイズ  

 1月2日は、毎年妻のほうの親戚が集まる集いがある。例年であれば、大田区にある妻の実家に集まるのであるが、今年はそうではなかった。
 
 2年ほど前に実家で一人暮らしをしていた妻の母が脳梗塞で倒れた。半身に麻痺が残ってしまった。1年間の病院での入院・リハビリを経て、千葉市にある有料老人ホームに入った。

 そのため、妻の実家は空き家状態となって久しかった。人が住まなくなってしまうと、家や庭が荒れてしまうとのことで、妻の実家は昨年末に売却されたのである。

 そのため、今年の集いは、妻の母が入っている有料老人ホームで行われた。そのホームにはファミリールームという広い部屋があり、その部屋を借りて、料理を持ち寄ってささやかな新年を祝うパーティーが開かれた。

 総勢11名の賑やかさであった。甥や姪はそれぞれ大きくなって、社会人が半分を占めるようになった。

 5,6年前であれば、全員にお年玉をあげていたが、今はお年玉袋の数が半分に減った。うれしさ半分、寂しさ半分といったところであろうか・・・

 ささやかな集いはつつがなく終了し、片道で2時間以上かかる道をまた引き返してきた。長時間の車の運転で少々疲れた。

 自宅に帰りついて、夕食を済ませ、リスニングルームへ向かった。最近、我が家のリスニングルームでは、少々気になることが起こり始めていた。

 Marantz Model7のご機嫌が時折斜めになるのである。最初のうちは良いのであるが、1時間ほど聴いていると、左チャンネルから低い周波数のノイズが出るようになっていた。

 我が家のModel7は虚弱体質なのか少々安定性に欠ける。まあ、1950年代終盤に製造されたアンプであるので、ある意味当然の成り行きなのかもしれないが、「またか・・・」と落胆してしまう。

 購入してから何度入退院を繰り返していることであろうか・・・私の記憶によると4回は入院しているはずである。

 その症状が今日も出るようであれば、5回目の入院は避けられないであろう。そんな少々暗い気持ちで、レコードに針を下した。

 まずはモーツアルト ピアノ協奏曲第13番を聴いた。軽快に音楽は流れた。三つの楽章を聴き終えた。ノイズは出ない。

 「大丈夫かな・・・」と少し胸を撫でおろしながら、次のレコードを取り出した。ベートーベンのチェロソナタ第3番である。

 5曲あるベートーベンのチェロソナタの中でもっともポピュラーなこの曲はべートーベン中期の作品で、「傑作の森」と呼ばれるベートーベンの黄金期に作曲された。

 第1楽章が終わり、第2楽章へ移った。そして、最後の第3楽章へ・・・その時に奴は現れた。最初は「ボ・・・ボ・・・ボ・・・」と断続的に・・・やがてその間隔は詰まってきて、連続するノイズになった。

 「ダメか・・・入院か・・・」天を仰いだ。「このModel7・・・基本的なコンディションが良くないのかな・・・」そんなことを思った。

 「いっそ、もっとコンディションの良いModel7を探すべきか・・・あるいは入院させてフルレストアを再度受けるべきか・・・」

 しばし、悩んだ。悩んでもノイズは収まらないので、電源をOFFにした。Model7のフロントパネル中央にあるパイロットランプはすっとその灯りを消した。私のテンションも、それに伴ってすっと落ちていった。



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