2017/12/31

4310:年越し  

 1年を締めくくる大晦日は、ここ数年おおむね同じような過ごしたかをする。午前中は、大掃除でやり残したポイントをどうにかきれいに仕上げる。

 午後は、買い出し。どこも店は混んでいる。そして夜は家族そろっての「すきやき」である。この時ばかりはいつもは絶対買わないような高価な牛肉を奢る。

 そして、テレビは「紅白」と「ガキ使」を交互に観る。二人の娘はジャニーズ系のアーティストが出る時間帯は「紅白」をそれ以外は「ガキ使」を観たがるので、チャンネルを忙しく変えるのである。

 そんなにぎにぎしい大晦日、私は9時半ごろまで家族に付き合ってから、「ちょっとジムに行ってくる・・・1時間半で戻るから、年越しそばは11時でお願い・・・」と言い残して、しばし自宅を後にした。

 向かった先は自宅から車で10分ほどで着く「Anytime Fitiness 桜街道店」。昨年、東大和市にもAnytime Fitinessができた。

 駐車場に車を停めて、まだ真新しい建物の中に入っていった。大晦日の夜にジムでトレーニングしている人はほとんどいないだろうと思っていたが、中には5名の先客が・・・3名は筋トレ、2名はウォーキングマシーンで汗を流していた。

 5名はすべて男性・・・自分のことを棚に上げながら「大晦日の夜にジムでトレーニングってどうなんだろう・・・?」と思いながら、着替えた。

 ここには、ロードバイクタイプのトレーニングマシーンがある。サドルの高さを調整して、ペダルの重さをやや重めの設定にした。

 5分間はウォームアップ。しばしゆっくりと漕いだ。5分経過すると負荷を上げる。負荷を上げた状態で55分間漕ぐ。

 小さなディスプレイに表示される経過タイムが60分になるまで、その負荷でペダルを回し続ける。

 経過タイムが15分になるころには、顎から汗が滴り落ちてくるようになる。小さなディスプレイには、経過タイム、ケイデンス、消費カロリー、ペダルの重さのレベルなどが表示される。

 ペダルの重さのレベルは「15」で、ケイデンスが「70〜75」ぐらいに収まるように漕ぎ続けていく。

 スマホから伸びたイヤホンでユーロビート系の曲を流す。持久系のトレーニングをする際には単純なリズムの曲が合う。

 メロディは少しばかり心を鼓舞する「盛り上げ系」のものが良いようである。こういった時のトレーニングにはクラシックはやはり合わない。

 時間の経過はゆっくりである。ようやく経過タイムが30分を経過した。時々ケイデンスの数値をチェックしないと、その数値は70未満になってしまう。

 時折苦悶の表情を表に出しながら残り時間をこなしていった。イヤホンからは、Kraftwerkの「Autobahn」が流れ始めた。

 その軽快なリズムに乗って、ようやく60分間のトレーニングを終えた。最後は5分間のクールダウンで締める。

 熱めのシャワーで汗を流し去って、急いで家に戻った。11時過ぎに家に帰りついて、ちょうど出来上がったばかりの「年越しそば」を家族そろって食した。

 「紅白」も終盤を迎えていた。こうして2017年の最後の日はつつがなく過ぎ去っていった。紅白が終わると娘たちは「ジャニーズ カウントダウン・コンサート」にチャンネルを変えた。

 それを仕方なく観ながら年をまたいだ。古い1年は終わり、新しい1年が始まった。といって特別に何かが変わるわけではないが、やはり年越しの瞬間はなにかしら神妙な心持になる。新たな1年が穏やかなものであることを心の中で切に願うのは年齢のせいであろうか・・・

2017/12/30

4309:新しきもの  

クリックすると元のサイズで表示します
 
 我が家のTANNOY GRFは1950年代の製造であるので、私よりも年上である。そんな年齢のGRFが今年とある手術を受けた。

 搭載されていたモニターシルバーのフルメンテナンスを受けたのである。齢60歳を超えたモニターシルバーはおそらく製造されてからはじめて、各部品に分解され、その一つ一つが徹底的に清掃されたのであった。そして、また丁寧に組み合わされた。

 モニターシルバーをフルメンテナンスに出すきっかけはとある異変であった。異変が出たのは今年の秋ごろであった。左チャンネルの音が籠った感じになり、音圧も低下したように感じられた。

 そこで、ユニットはキャビネットから取りはずされ、専用に用意された箱にゆっくりと入れられたうえで、専門業者のもとに送られた。

 モニターシルバーは、約1ケ月ほどで戻ってきた。思いのほか早かった。その間、PSDの大山さんのご厚意で、PSD T4をお借りしていた。

 そのT4の高性能な音に耳が慣れてきたころにモニターシルバーが戻ってきた。戻ってきたユニットを大山さんと一緒に、キャビネットに取り付けた。

 その音を最初に確認したときには「う〜ん・・・まだ、こなれてないかな・・・」という感じであった。

 しかし、時間の経過とともに、すっかりと身綺麗になったモニターシルバーは、馴染んできたようである。

 分解清掃前と分解清掃後は音は変わったのか・・・?「ビフォー・アンド・アフター」並みに激変というわけではないが、変化はあったというべきであろう。

 その変化を一言でいうと「新しくなった・・・」というものであろう。あくまでもヴィンテージであるのでピカピカというわけではないが、「新しい・・・」と感じた。

 もう少し言い方を変えると「若くなった・・・」であろうか・・・新しく、あるいは若くなるということは良い面も悪い面もあることであるが、総じて好印象で受け止めている。

 聴く者・・・つまり私が年々年老いていく現状からか、若々しいものを以前よりも好意を持って受け入れる傾向があるのは確かである。

 そういった傾向を差し引いても、オーディオ的には質感が上がったような気がするのであるが・・・ 

2017/12/29

4308:後回し  

 2017年も残りわずかとなった。年末はなにかとあわただしく過ぎていく。そんななか、しばし立ち止まって、この1年を振り返ってみた。

 ロードバイクでのヒルクライムレースには、昨年同様、Mt.富士ヒルクライム、全日本マウンテンサイクリングin乗鞍、そして箱根ヒルクライムと三つのレースに出た。

 昨年出した自己ベストを更新すべく自分なりに奮闘したが、Mt.富士ヒルクライムでは昨年の自己ベストから30秒遅れ、続く全日本マウンテンサイクリングin乗鞍でも昨年の自己ベストに41秒遅れてしまった。

 「もう歳だから、やむを得ないか・・・」と意気消沈していたが、最後の箱根ヒルクライムではわずかではあるが、昨年の自己ベストを更新することができた。

 「まだいける・・・あと2,3年は頑張れるはず・・・」と、少しばかり気持ちを持ち直した。来年も、今年参加した三つのヒルクライムレースには出る予定である。

 さらにPSDの大山さんから紹介された「赤城山ヒルクライム」にも参加しようかと考えているところである。

 その中でも最も重要な大会は、やはりMt.富士ヒルクライムである。すでに5年連続で参加している。昨年のタイムは1時間23分43秒・・・これが現在の自己ベストである。

 来年のMt.富士ヒルクライムに参加するころには私の年齢は55歳である。53歳の私が強力なライバルとなる。

 寒い冬はオフシーズンであるので、ちょっと体も脚も鈍り気味である。例年は少し暖かくなったきた3月ぐらいから調子を上げていき、6月にピークを持っていく。

 来年も、忙しい仕事の合間をどうにか切り抜けながら、トレーニングの時間を捻出したいところである。

 しかし、人間というものは基本的には楽をしたがる性向があるもの・・・仕事で遅くまで残業したのちに、疲れた体をジムに向かわせるのは、相当な精神力が必要となる。

 「今日は忙しかったしな・・・」

 「明日もアポがびっしり・・・」

 「今日はもう時間も遅いし・・・」

 「明日やればいいか・・・」

 という思いがするすると展開しがちである。しかしその「明日」は大概「明後日」になったり「3日後」になったり「来週」になったりする。

 そういった、アスファルトの隙間からでも生命力たっぷりに生えてくる雑草のような、「後回し思考」に打ち勝っていくことは、想像以上に大変である。

 「自己ベスト更新」は、そういった怠け方向に傾きがちな心をまっすぐに立て直す際にどうしても必要なものである。

 年齢を考えると、現実的には難しい「自己ベスト更新」であるが、その動機を失ってしまうと骨のない軟体動物のように、ふにゃっとなってしまいそうで怖いのである。 

2017/12/28

4307:アナログオンリー  

クリックすると元のサイズで表示します

 随分と久しぶりにBOW TECHNOLOGIEのZZ-EIGHTが、YAMAHA GTラックに鎮座した。何ケ月かぶりのはずである。

 その漆黒のスリムなボディーはやはりじっくりと眺めたくなるほどに素晴らしいデザインをしている。

 実は、CDトランポートのORACLE CD2000と鉄壁のペアを組んでいたO-DAC PRO Mk2を一時的に修理に出したために、ベンチを温め続けていた控えのZZ-EIGTHが、スタメンに起用されることになったのである。

 O-DAC PRO Mk2は、CDのデータを読み込む際に、「ジジジジ・・・」とかすかなデジタルノイズを生じるようになっていた。

 そのノイズは右チャンネルだけから出る。曲が始まるとノイズは出ないので、実質的には支障がないといえばないのであるが、気になるといえばやはり気になる・・・ということで再調整の旅に出た。

 ORACLE CD2000はCDトランスポートであるので、それだけでは音を奏でることはできない。そこで、ZZ-EIGHTの出番となった。

 ORACLE CD2000の置かれていた場所に、ZZ-EIGHTは収まった。見た目的には「世界で最も美しいCDプレーヤー」の称号にふさわしい収まり具合である。

 久々にその音を聴いてみた。

 「ん・・・あれ・・・まだ調子が出ないのかな・・・?」

 「おかしいな・・・」
 
 「アナログに切り替えるか・・・」

 結局、CDは早々に聴き終えて、アナログに移行してしまった。ZZ-EIGHTにとって、ORACLE CD2000とO-DAC PRO Mk2のペアと比べるのが酷と言うべきか・・・その実力にはかなりの差があるのであった。

 ZZ-EIGHTは1996年の製品である。その当時の一体型CDプレーヤーに組み込まれたDACの能力と最新のDACチップを用いて、さらにこれでもかと電源を強化したO-DAC PRO Mk2とは、やはり隔絶した能力の差があるようであった。

 今年になって随分と久しぶりにデジタルが復帰したが、一時的にアナログオンリー時代に戻りそうである。

2017/12/27

4306:もがき納め  

 全員が上り終えたところで、恒例の記念撮影を済ませた。正丸峠は風が吹き抜けていることが多いが、今日は風はなかった。

 今年最後ということで、「奥村茶屋」に寄って、「正丸丼」でも食べて帰ろうという話になった。店に入ると店内には客はいなかった。

 7名のメンバーは大きめのテーブル席に陣取った。私は定番の「正丸丼」を注文した。しばし待っていると、正丸丼がテーブルに運ばれてきた。

クリックすると元のサイズで表示します

 正丸丼、サラダ、お味噌汁、お新香のセットで850円。ヒルクライムで疲れた体にその素朴で鄙びた味わいは沁み込んでいく。

 アッという間に完食した。今日はクリスマスイブであるので、夜は家族でクリスマスディナーである。

 立川の「KIHACHI」を予約してある。きっと趣向を凝らした豪華な料理が並ぶであろうが、きっとその「インスタ映え」するであろう豪華なクリスマスディナーよりも、この「正丸丼」のほうが私には美味しく感じられるであろう。

 腹ごしらえを終えて帰路についた。正丸峠の下りでは一部路面が凍結しているので慎重に下っていった。

 山伏峠を少し上り返してから長い下りに入った。天気は回復してきて、雲は薄くなり太陽が顔を出すようになっていた。

 山伏峠を下り終えて、県道70号を走った。まれにローディーとすれちがうことがあったが、やはりこの時期は寒さ故、ローディーの数はぐっと減った。

 しばし走っていくと、山王峠に向かう交差点にさしかかった。ここを右折すると山王峠である。上る距離は短いが斜度が厳しい。

 そして距離が短いので高い負荷をかけて走る。斜度が上がると出力は300ワットを超え始める。調子が悪いときは中盤で出力が下がってしまうが、今日はどうにかこうにか300ワットを維持し続けた。

 ゴールの手前で出力をさらに上げて上りきった。300ワットを維持して上りきれたのでまずまずであろうか・・・ 

クリックすると元のサイズで表示します

 最後のバトルエリアは笹仁田峠。ここは斜度が緩いので高速バトルになる。ちょうど先頭を引いている時に峠にさしかかった。

 徐々にスピードを上げていった。途中で先頭交代してもらいその背後で少し脚を休ませた。すると中ほどでリーダーがアタック・・・あっという間に前に出ていった。

 それを追ったが、その差は縮まらない。脚を結構使ってしまった。やがて最後のスパートポイントに達した。
 
 スパートしたが、脚の残り余力は不十分でやや重めのスパートであった。どうにか頂上を越えた。

 これで「もがき納め」・・・今日は三つの「もがきポイント」でしっかりともがけた。笹仁田峠を下りながら、「来年も順調にロングライドをこなしていきたい・・・」と思った。

2017/12/26

4305:230ワット  

 山伏峠のヒルクライム向けてゆっくりとスタートした。しばしスローペースで進んだ。しばらくの期間擁壁工事のために片側交互通行になっていた区間を抜けたあたりで、サイコンのラップボタンを押した。

 12月は順調にロングライドをこなしてきたので、走りこめなかった10月11月ですっかりと落としてしまっていた調子が、少しづつ戻り始めていた。

 ラップ計測区間の目標平均パワーは230ワットに設定した。ラップボタンを押してから、サイコンに表示される10秒平均パワーとラップパワーの数値を確認しながら進んでいった。

 心拍数は上がっていく。160を超え、170に向かった。やがて170台前半の数値で落ち着いた。このくらいの負荷であれば、後半もだれることはないはずである。

 なるべく負荷が一定になるようにクランクを回していった。呼吸は激しく排気と吸気を繰り返していた。

 山伏峠は斜度が厳しくなるポイントが2カ所ある。そこであまり無理をすると後半で脚が切れてしまう。

 まずは1カ所目のポイントを越えた。この辺りから集団で上っていた一団はばらけ始める。6名の集団は縦に長くなっていった。

 ペースを維持した私は後方に下がる形でついていった。やがて2カ所目のポイントが見えてきた。左に曲がりながら急坂を上っていった。

 ここはいつもダンシングでどうにかこうにかこなしていく。ここを越えると少しほっとする。ここから山伏峠の頂上までは斜度はそれほど厳しくない。

 ラップパワーは230ワット前後の数値を示していた。この数値を下げないようにクランクに込める力を維持し続けた。

 脚に余裕のなくなった二人のメンバーをかわして山伏峠の頂上を越えた。その瞬間サイコンのラップパワーを確認した。ちょうど230ワットの数値であった。

 頂上を越えると道は下りに転じる。とろろどころ路面は濡れていた。この下りでは今年2名のメンバーが落車している。

 スピードを上げたいところであるが、慎重に下っていった。2度3度とカーブを曲がりながら下ってくと、正丸峠の上りへ繋がるポイントにさしかかった。

 ここを右に90度曲がる。その路面は細かな砂利があり、ここも慎重に通り過ぎた。道はまた上りに転じる。

 クランクに込めるパワーを増して走っていくと、先行していた3名のメンバーがスローダウンして走っていた。

 どうやら路面の状況が良くないので、バトルモードは解消されたようである。その後ろについて私もペースを落とした。

 正丸峠はゆっくりと上っていった。路面はところどころ凍結部分があった。下りでは凍結部分を慎重に走らないと、落車の危険性がある。

 正丸峠の頂上にたどり着いた。正丸峠の頂上からは遠く山並みが望めた。雲はまだあったが、少しそれは薄くなっていた。

クリックすると元のサイズで表示します

2017/12/25

4304:五十歩百歩  

 山伏峠の上り口に向かうには、二つのルートがある。山王峠を越えるルートと小沢峠を越えるルートである。

 今日は山王峠を越えるルートを選択した。帰路の山王峠は全力で走るが往路の山王峠はメインのヒルクラムに備えて脚を温存する。ゆっくりとしたペースで越えていった。

 山王峠の向こう側に下りていくと県道70号に突き当たる。そこを左折してしばし名栗川沿いに続く道を走った。

クリックすると元のサイズで表示します

 山王峠の上りで少し体が暖まったが、道が平坦に戻るとその暖かさは目減りしていった。隊列を維持して走っていると、そのわきをカヌーを屋根に乗せた車が通り過ぎていった。

 名栗湖の湖畔にはカヌー工房がある。カヌーの愛好家が集まる湖である。その車を見て、リーダーが「この寒いのにカヌーか・・・すごいね・・・」とつぶやいた。

 するとメンバーの一人が「この寒さの中を自転車で走っているのもそれほど変わらないと思うけど・・・」と応答した。

 それを聞いていて「五十歩百歩・・・ですかね・・・」と私は言った。「それそれ・・・」と3人は納得したのであった。

 この寒さの中、カヌーで湖面を進むのも、ロードバイクで長い距離を走るのも、普通の人から見たら「よくやりますね・・・」という感想が漏れ出てくるのかもしれない。

 軽い上り基調の県道70号を走っていくとようやく山伏峠の上り口に着いた。ここは公衆トイレがあり、そのそばにはサイクルラックが設置されている。

 そのサイクルラックにロードバイクをかけて、トイレを済ませた。空気は冷たかったが、これから厳しいヒルクライムが始まることを想定して、ウィンドブレーカーを脱いだ。

クリックすると元のサイズで表示します

 山伏峠の上りは4kmほど、一旦下り正丸峠を上り返す。正丸峠の上り道は一部の道が凍結しているかもしれない。その場合は正丸峠ではバトルモードが解消される可能性が高い。

2017/12/24

4303:冬空  

 クリスマスイブである今日は、今年最後のチームでのロングライドである。朝の7時に準備を整えて自宅を後にした。

 空は鉛色、いわゆる「冬空」である。気温もぐっと下がっていた。Garminのサイコンに表示された外気温は「0.8」。

 多摩湖の堤防付近から武蔵大和駅西の交差点に向かて下っていくと、顔に当たる風はとても冷たかった。

 多摩湖サイクリングロードを通って集合場所であるバイクルプラザに向かった。しばらく走っていると、指先が痛くなってきた。

 冬用のグローブをしていても、このくらいまで気温が下がると指先はかじかむ。何度か手をハンドルから離してグー・パーを繰り返したが、あまり効果がなかった。

 バイクルプラザに着いた。メンバーと「寒いですね・・・昨日の土曜日は太陽が出ていてまだよかったけど・・・」と挨拶した。

 今日の目的地は定番コースである「正丸峠」である。今日の参加者は7名。そのロードバイクの内訳はORBEAが3台、COLNAGOが2台、FUJIとKuotaが1台づつであった。

 7名はトレインを形成して鉛空の下を走り出した。今日は走れど走れど体が暖まらなかった。多摩湖サイクリングロード、青梅街道、岩倉街道と走り進んでいった。

 岩倉温泉郷までくると、気温はさらに低下したようである。岩倉温泉郷を抜けて東京バーディークラブの裏側の道を通ると、夏にはありがたい「陰地」がある。しかし、冬の時期は冷えた体をさらに冷やすエリアである。

 その「陰地」エリアを抜けていくと、休憩ポイントであるファミリーマート飯能上畑店がある。ようやくそのコンビニに着いた。

 冷えきった体を暖めるため、暖かい補給食を選択した。クリスマスイブなので「プリミアム・ファミチキ」をまず選び、さらに「チーズカレーまん」を購入した。これにホットのカフェラテを合わせた。

 体の中から暖める作戦は一時的には功を奏した。少し暖まったところで、コンビニ休憩を切り上げて、リスタートした。空は灰色のままであった。 

クリックすると元のサイズで表示します

2017/12/23

4302:鷹  

 今日は前回と違い、ヴィンテージという括りでは括れない、少しばかり現代に近い時代のオーディオ機器たちで構成されたシステムとなっていた。

 TANNOYのARDENは1976年に発表されたもので、それまでのTANNOY製品に比べてモダンな意匠となっている。三つに分割されたフロントグリルが良い味わいを出している。

 そのシルエットは、現代型のスピーカーが細長いシルエットが多いのに対して、どっしりとした横長のシルエットである。

 「今日は、是枝重治氏製作の二つのプリアンプを聴き比べるかたちでの試聴会となります・・・めったに出てこない是枝氏のプリアンプを聴き比べられるので、実に贅沢な時間になるでしょう・・・」

 小暮さんはそう切り出した。確かにめったに目にする機会がない是枝重治氏製作のプリアンプを聴き比べられる機会は滅多にない。貴重な機会であることは確かである。

 まずは、先日大川さんのお宅で聴く機会を得たコンパクトな躯体のプリアンプから聴いてみた。送り出しは、GOLDMUND MIMESIS39とMIMESIS12のペアである。

 選択したCDは、ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番である。その第1楽章を聴くことになった。この楽章は少し長めで、時間にして18分ほどもある。

 この送り出しから是枝重治氏製作のプリアンプとパワーアンプのペアを経て、ARDENの38cmデュアル・コンセントリックユニットユニットから音が放たれた。

 ARDENはゆったりとした音の出方がする。ユニットはHPD385A。TANNOYのユニットとしては現在ではより古いものに比べて高い評価を受けてはいないが、なかなか優れた性能を有しているようである。

 「これは劣化したウレタンエッジをフルメンテナンスしてあるので、オリジナルよりも音の鮮度が少し上がっているかもしれません・・・」

 小暮さんはそう付け加えた。1970年代のユニットの欠点はそのエッジにある。ウレタンエッジは耐久性に問題があり、15年程経過すると、ウレタンが劣化して音が濁ってしまう。

 現代ではウレタンエッジの代わりに新素材エッジが開発され、ほぼ半永久的に使用可能となっているので、1970年代のユニットはフルメンテナンスが必須である。

 このきわめて珍しいシステムで聴くラフマニノフは、実にバランスがとれていて、耳を突くアンバランス感がない。

 穏やかで清らか、これなら音楽を肩ひじ張らずに聴くことができると感じる自然な質感であった。

 第1楽章が終わった。その音の印象がまだ脳内の聴覚中枢に残っているうちに、プリアンプを2段重ねの物量投入型のモデルに切り替えた。

 そして、再度ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番第1楽章を聴いた。すると、その受ける印象は随分と変わった。

 実は「それほどの差を感じないのでは・・・」と内心思っていたのであるが、それは良い意味で裏切られた。

 ピアノの演奏レベルが1クラスあるいは2クラスほど上がったように感じられたのである。ピアノの音の密度感や厚みがぐんと上がった。
 
 それゆえか、音楽の抑揚がよりダイナミックに感じられる。「投入した物量が、しっかりと音に反映されている・・・」そう感じた。

 2ピース構成の重量級プリアンプはやはり違う。その躯体の製造にかけられた盛大な労力が音のレベル向上に資している様を実際に耳にすると、なんだかうれしかった。

 躯体のがっしり感が音の硬さに直結しているオーディオ機器の音を耳にすると、がっかりとするが、この是枝重治氏製作のプリアンプは、その躯体の精度の高さが音の厚みや密度感の向上にまっすぐに繋がっているので、「やはり物量投入にもセンスが必要なのだろう・・・」と思わされた。

 その後、何枚かのCDを選択して、この両者を聴き比べた。コンパクトな躯体のプリアンプは自然な音場と色付けの無い素直な音が特徴で、2段重ねの重量級のプリアンプは、それをベースに密度感や音の厚みを一クラス以上アップした感じであった。

 大川さんの表情は真剣なものであった。そして、最後のほうでは「これは困った・・・」といった表情に変わっていた。
 
 大川さんはしばし宙を仰いでから「これ・・・自宅で聴いてもいいですか・・・」と小暮さんに訊いた。

 「もちろんいいですよ・・・」小暮さんの目は微笑んでいた。なんだか獲物をしっかりとその鋭い爪で捉えた鷹のような表情に感じられた。

2017/12/22

4301:2ピース  

 階段を上っていった。階段には光量が不足がちに思われる蛍光灯がついていた。その寒々しい白い光は、階段のコンクリートをほのかに照らしていた。

 4階まで上がった。少し息が切れた。金属製のドアをノックすると鈍い音が響いた。「どうぞ・・・」ドアの向こう側から声がしたので、ドアを開けた。

 靴を脱いで用意されていたスリッパに履き替えた。リスニングポイントに置かれているソファに向かうと、先に到着していた大川さんが座ってコーヒーを飲んでいた。

 挨拶をして、私もその黒い革製のソファに座った。視線は自然とそのリスニングポイントから見て右側に見える大型ラックに向かった。

 そこには前回とはまったく異なった機器たちが並んでいた。その中でもひときわ目を引いたのが銀色をした2段重ねのプリアンプであった。

 躯体は2つに分かれていて下の躯体が電源部で上の躯体がコントロール部のようである。コントロール部には丸い質感が滑らかさを感じさせるノブが6個並んでいる。
 
 電源部には切り替えスイッチと電源スイッチ、さらにVUメーターが装備されている。そのVUメーターは特徴的なもので、上下に針がある。

 「これですか・・・また随分と物量が投入された感じがひしひしとしますね・・・」

 「これは、ステンレス製のボディーで、実にこだわった作り方をしているんだよ・・・真空管は12AU6が6本・・・この真空管も珍しいよね・・・ボリュームはスペクトロール社製の高精度なものがつかわれていて、細部まで練り込まれれている。」

 小暮さんが簡単に説明してくれた。そのわきには先日大川さんのお宅で見かけた同じく是枝重治氏製作のプリアンプが置かれていた。こちらはとてもコンパクトなデザインである。

 新たに目にする2ピース構成のプリアンプと比べると、軽量級というか、その存在感はやや薄く感じられてしまう。

 前回あったLEAKのプリアンプとパワーアンプは売れてしまったようでなかった。その代り2台の是枝重治氏製作のプリアンプが並び、さらにシルバーのハンマートーンのボディーをまとったモノラル仕様の真空管式パワーアンプが置かれていた。

 その整然とした造形は実にけれんみのない心地よいものであった。「このパワーアンプはどこのものですか・・・?300Bのプッシュプルですね・・・」と訊くと「これも是枝重治氏製作のもので・・・このプリとセットで最近入荷したんだ・・・」と、小暮さんは答えた。

 300Bのプッシュプルでモノラル構成・・・こちらもきっと優れたものであろうと思わせる外観である。出力管と整流管にはWESTERN-ELECTRICのロゴが誇らしげに印字されていた。

 送り出しは小暮さんの私物であるGOLDMUND MIMESIS39とMIMESIS12がセットされていた。前回オーディオラックに置かれていたROKSAN XERXES10はなくなっていた。こちらも売れてしまったようである。

 そしてスピーカーは、TANNOY ARDENが置かれていた。内振りを付けない平行設置でその巨体は置かれていた。

 今日はビンテージというよりも、少し古いことは古いが、「オーディオショップ・グレン」としては比較的新しい時代のオーディオ機器で構成されていた。  



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ