2017/11/26

4275:将来  

 人生の行方というものは、意外性に富んでいる。ふと振り返って「なんでこんなことに・・・?」あるいは「どうして私は今ここにいるのであろう・・・?」と思う事が時々ある。

 例えば、ロードバイクでのヒルクライムで限界値近い心拍数数で喘ぎ喘ぎクランクを漕いでいる時に「なんで、私はこんな苦行を自ら好んでしているのであろう・・・?」と思う事がある。

 その疑問をゆっくりと紐解いていけば、多摩湖で愛犬の散歩をしている時に、多摩湖の周囲でジョギングをしている人やロードバイクで走っている人を度々見かけて「何か持久系の運動をした方が良いかな・・・もう歳だし、体は衰える一方だから・・・」と思ったことに行き着く。

 「ジョギングよりロードバイクの方が楽そうだし、ロードバイクそのものがものとしてかっこいい・・・」そんなことを思った。

 それが端緒となり、やがてはMt.富士ヒルクライムなどのヒルクライムレースにも参加するようにもなった。

 愛犬を連れて、多摩湖の周囲を走っているロードバイクを見かけた当初は予想だにしなかった展開である。

 今日、私は日野市にある新町交流センターのホールの中にいた。その比較的綺麗で清潔なホールの中で「なんで、私はここにいるのだろうか・・・?」とふと思った。

 このホールでは頻繁にいわゆる「ダンスパーティー」というものが行われる。今日は私が3年ほど前から「初級クラス」で社交ダンスを習っている講師の方(仮名で「ジェニファー」と呼んでいる美しい女性である)が主催されるダンスパーティーに参加したのである。

 まったくひょんなことから、私は社交ダンスの教室に通うことになった。3年ほど前、知り合いから「ウィンナ―ワルツの舞踏会があるから一緒に参加してほしい・・・」と頼まれたのが、そのきっかけであった。

 その舞踏会は「日本・オーストリア文化交流会」が竹橋にある学士会館で年に1回主催するもので、初めての参加者には「ウィンナ―ワルツの踊り方」という講習会を事前に開いてくれた。

 私は全くの初めてであったのでその講習会に参加した。しかし、講習会に参加したからといってすぐに踊れるものではない。

 そこでしかたなく国分寺のダンス教室に通うこととなった。それがずるずると続いていたのである。

 週に1回「初級クラス」のレッスンがある。時間は1時間。2ケ月ごとにダンスの種目を変えて、基本的なステップを習っている。

 ダンスパーティーの参加者は大半が「リタイア組」である。時間がいくらでもあるので毎日のようにダンスをしている。ダンス歴はだいたい10年以上で、それが「生きがい」になっている方々が多い。

 実にこなれた感じで踊る。こちらは週に1回だけしかも「初級コース」で基本的なステップを習っているだけなので、実に肩身が狭い。

 プロのデモ、アマチュアの上級者のデモに混じって我々のような初級者グループの発表もプログラムの中に組み込まれた。

 そして、合間合間にフリーのダンスタイムが入っている。「ワルツ」「タンゴ」「スローフォックストロット」「ルンバ」「チャチャ」といったダンス用の曲が順次流れる。

 みんな器用に踊る。我々初級クラスのぎこちない踊りとはかけ離れていて、踊り慣れたものである。

 ちょっと場違いな感じを心の中に感じながらも、発表を済ませ、フリーのダンスタイムでは「すみません・・・まだ始めたばかりで・・・」と謝りながらどうにかこうにかこなした。

 休日の日中、ダンスフロアに特化したような設計のこの交流センターのホールで繰り広げられる数時間は、私にとって少々居心地の悪いものであった。

 しかし、参加者の真摯なエネルギーには、何かしら感じるものがあった。

 私が「リタイア組」に加入するまでにはまだ11年ほどの時間が残されている。その間は細々と「初級コース」で続けていき、仕事から解放されたら十分な時間を割いて練習し、こういったパーティーにも堂々と参加できるようになるのもいいのかもしれない・・・少しばかり遠い将来のことを思った。
 
 いや、時間の流れが加速して止まない現状を鑑みると、それは「少しばかり遠い将来」ではなく、「もうすぐそこにある将来」なのかもしれない。



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