2017/9/21

4210:音響調整  

 オーディオマニアのリスニングルームにお伺いすると、結構な確率でリスニングルームの音響調整のためのアクセサリーが設置されている。

 壁面の多くの部分を音響調整パネルで覆う相当大がかりで金額面でも凄いだろうな思うものから、目を凝らさないと識別できないほどに小さなものが壁面に貼ってあるものまで、様々である。

 音響調整用パネルで一番有名なのは、QRDであろう。「ディフューザー」「ディフラクタル」「アブフューザー」といった製品があり、拡散用と吸音用など用途によって使い分ける。

 その効果は素晴らしいものがあるようであるが、ネックは価格である。価格も素晴らしいものがあり、組み合わせて理想的な構成にすると、オーディオ機器をはるかに超える価格になる場合がある。

 私が、オーディオを趣味にするようになった2006年頃、足繫く秋葉原のダイナミックオーディオに伺った。

 そこの試聴室にはQRDが多用されていた。スピーカー背面の壁一面に幾つものQRDの製品がずらっと並んでいたのが印象的であった。

 我が家ではQRDの製品を使うことはなかったが、リスニングルームを防音も含めてリフォームする際に、吸音と反射を考慮して部屋を作り直した。

 リフォーム後は、音響調整用のアクセサリーは一切使わずに過ごしていたが、数年前友人の勧めで試したものがある。

 それがGe3の「エンジェルファー」であった。これは兎の毛かと推測される白い動物の毛を用いた非常に変わった製品であった。

 「インディアンのお守りみたいだな・・・これで本当に効果があるのかな・・・」と頭の中がちょっと混乱するような見た目である。

 5個で1セット。四つの壁面と天井に取り付ける。非常に軽いものなので、取り付けはいたって簡単。壁面の中心部に両面テープの付いたフックを取り付け、それに引っ掛けるだけである。

 その効果のほどは確かにあった。有り無し実験を数回繰り返したが、やはり壁面に「インディアンのお守り」を吊り下げた時の方が印象が良かったのである。

 価格は、5本1セットで26,000円ほどであった。QRDの製品に比べるとはるかに手ごろな価格である。しかし、見た目的には少々おどろおどろしい質感が漂う。しばらくの期間吊り下げていたが、妻からの度重なるクレームで結局撤去せざる得なくなった。

 この8畳のリスニングルームはオーディオ専用ではない。妻のアップライトピアノも置いてある。「ピアノ練習室兼オーディオルーム」なのである。

 「あの気味の悪いもの外してくれない・・・ピアノの練習に集中できないんだけど・・・」との妻からの数回のクレームにより、それらは手早く撤去されて、再び日の目を見ることはなかった。

 それからは音響調整用のものは一切リスニングルームには持ち込まれなかったが、最近とあるものが久々に我が家のリスニングルームに持ち込まれた。
 
 それは、先日の敬老の日に、シトロエン C3の試乗を終えてから向かった杉並区のAさんのお宅から持ち帰ったものである。

 それを初めて見かけたのは先月のことであった。場所はAさんのリスニングルーム。「これ良いですよ・・・」と紹介された音響調整用アクセサリーは、TANNOY GRFの真上の天井に吊り下げられていた。

 その素材は、多面カットが施された美しいガラス玉とアクリル棒と釣り糸である。これらが組み合わさった「サンキャッチャー」風のアクセサリーである。

 設計はZYXを主宰されている中塚さんである。ZYXはカートリッジメーカー。中塚さんは、新製品の開発などで使う試聴室の音響を最適なものにする為に音響調整用のアクセサリーをいろいろ自作されていたようである。

 その中で最も効果的であったものの情報を、中塚さんと親しいAさんは教えて貰い、早速自作されたようであった。

 その効果は確かにあった。スピーカー背後の空間の抜け切り感がアップした。「これ良いですね・・・」と感心した。

 「もう1セット作りましょうか・・・?」とのAさん提案に「ぜひお願いします・・・」と即答した。とても繊細な作りで、不器用な私にはちょっと乗り越えないといけない壁が高かったのである。



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