2017/8/1

4159:禁断の惑星  

 2台のCDトランスポートに、4台のDAコンバーター・・・ということは8通りの組み合わせがありうる。

 現状はORACLE CD-2000はZanden Model5000に接続されている。そして、KRELL MD-10は、純正組み合わせとなるKRELLのSTEALTHに接続されている。

 この二つの組みあわせで、何枚かのCDを聴かせてもらった。まずかかったのが、バッハの無伴奏バイオリンソナタ第1番から1曲目のアダージョ。

 ORACLE CD2000とZanden Model5000との組み合わせで聴くアダージョは、空間的な音の広がりが印象的。細かな微粒子状の反響音が部屋の上方までふわっと広がっていく感覚が気持ちいい。

 初めて目にし、そして耳にするGershman Acousticsの Grande Avant Gardeというスピーカーは、その独特な形状からして、空間表現能力が非常に高いスピーカーと思われる。

 ORACLEとZandenの組み合わせは、このスピーカーの特徴をとても上手く引き出しているのかもしれない。

 同じ曲を、KRELLの純正組み合わせでも聴いた。KRELL MD-10は分厚い透明なアクリルの蓋が上部についている。

 それを持ち上げてCDをセットする。Phillips製のスイングアームが見える。トップローディングのCDプレーヤーには優れたデザインのものが多いが、このMD-10もその一つである。

 MD-10の四隅には黒い丸いものが付いている。これを調整して水平を保つようである。Phillips製スイングアームは、水平バランスに敏感である為に、これで水平を保つことは重要な要素である。

 「MD-10はつい最近入手したんですよ。そのためにDACを2台手放しました。まあ、それでも4台もDACがあるんですから、おかしいですけどね・・・」

 「このMD-10は、日本には輸入されなかったんです。海外のオークションで見かけてついつい物欲に負けてしまって・・・だから115V仕様です。」

 大川さんは最近入手されたMD-10のことを語り始めた。その姿形は確かに強力な引力を有している。

 KRELL MD-10とSTEALTHの組み合わせで聴くアダージョの印象は、ORACLE・Zandel連合体の時とはやはり違った。

 その音の第一印象は、「音域バランスが低域寄りに少し下がった・・・」というものであった。ヴァイオリンの音に太さが加わり、迫力が加味された感がある。

 提示される音空間は先程よりも一回りコンパクトになった。特に奥行方向の広がり感は、ORACLE・Zanden連合体の方があった。

 聴き終えて、その印象を大川さんに伝えると「そうなんです・・・一長一短というか、それぞれの個性が明確に出てくるんですよね・・・」と笑われていた。

 その後かかったのは、ベートーヴェンのチェロソナタ第3番から第1楽章、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番から第1楽章、そしてベルリオーズの幻想交響曲から第4楽章「断頭台への行進」・・・いずれも、この二通りの組み合わせで交互に聴くという特殊なOFF会となった。

 大川さんのシステムが目指している方向性からすると、ORACLE・Zanden連合体の方がふさわしいのかもしれないが、KRELL純正組み合わせは独自の世界観があり、その魅力にも抗しがたい。

 今日はその他の2台のDAコンバーターは出番がなかった。JOB DA48とWADIA12は、静かに佇んでいた。しかし、その2台は佇んでいるだけでも独自のオーラを発していた。

 貴重な数時間が経過した。整然としたリスニングルームを後にして、車に乗る頃には周囲は暗くなっていた。

 我が家でCDトランスポートとして使用しているBOW TECHNOLOGIEのZZ-EIGHTは、大川さんのお宅の2台のCDトランスポート同様トップローディング方式で優れたデザインの製品である。

 しかし、つい最近調子が悪くなり修理に出している。「恐らく直るはずであるが、もしも修理不可との判定が出たら、KRELLのCDトランスポートも悪くないかな・・・」そんな浮気風を顔に感じながら、帰路を急いだ。



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