2017/3/30

4035:ユニバーサルタイプ  

 現在ではユニバーサルタイプのトーンアームは少数派であるが、1970年代にはトーンアームはほとんどのものがユニバーサルタイプであった。

 ユニバーサルタイプのトーンアームの場合、シェルに取り付けたカートリッジをシェルごと簡単に交換できる。

 「ゆみちゃん」の部屋にあるYAMAHA YP-700に取り付けられているのは、ユニバーサルタイムのトーンアームである。「ゆみちゃん」にその交換方法を説明した。

 「とても簡単だから、すぐに交換できるよ・・・このカートリッジで試してみて、結果をメールして・・・」

 シェル交換機能を備えたユニバーサルタイプのトーンアームの場合、カートリッジの交換が手軽にできるため、YP-700が生産販売されていた1970年代のオーディオマニアは、数多くのカートリッジを蒐集する人がいた。

 自らが蒐集したそれらのカートリッジは、シェルに取り付けられて、シェルスタンドにずらりと並べられたりした。

 聴くレコードに合わせて、適宜カートリッジを交換したりするのが楽しかった・・・そんな時代である。

 中学生の頃、友人の父親がオーディオマニアであった。その友人の家に遊びに行ったときに時々そのオーディオを聴かせてもらった。

 確かパイオニア製であったと記憶している大型のレコードプレーヤーにはユニバーサルタイプのトーンアームが取り付けられていて、その横にはシェルに取り付けられたカートリッジがいくつも飾られていた。

 「じゃあ、今日帰ったら早速交換してみます・・・」彼女はそう言って小さな箱に戻されたGRACE製のカートリッジを鞄にしまった。

 「そういえば、何か集めてますか・・・?趣味で・・・」

 彼女に不意にそう訊かれた。

 「集めている・・・と言えば、レコードくらいかな・・・世の中にはレコードマニアがいてね・・・凄い人は何万枚も持っている人もいるよ・・・」

 「レコードって結構場所取りますよね・・・私も今30枚くらい持っているんですけど、段々場所が無くなってきて・・・」

 「レコード、結構増えたね・・・レコードってね・・・洗うと音が良くなるよ・・・」

 「えっ・・・洗うんですか・・・?」

 「そう水をかけて、歯ブラシでゴシゴシするんだ・・・」

 「歯ブラシでゴシゴシ・・・痛まないんですかレコード・・・?」

 「歯ブラシで擦るくらいなら大丈夫だよ・・・歯ブラシは『デンターシステマ』が良いんだって・・・」

 「今度やってみようかな・・・でも、真ん中にラベルがあるでしょう・・・濡れたらボロボロになりません・・・?」

 「それ用のグッズがあるんだよね・・・」

 私はそう言うと、スマホで検索してそのグッズの写真を見せた。
 
 「レコード レーベルカバー LC-1・・・Amazonで売ってる。価格は5,337円。ちょっと高いかな・・・でも、ずっと使えるから・・・」

 そんな話をして、小1時間ほど過ぎていった。Mimizukuの店内ではエアコンの音とお湯が沸かされている音が静かに響いていた。

 カウンターに置いてあるSONY製の古いラジカセは佇んでいるだけで、音は発していなかった。ラジオ受信の為のアンテナは斜め45度に向かって伸ばされたままであった。真上ではなく、斜め45度であった。「この角度が一番良いのかもしれない・・・」意味もなくそう思った。



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