2017/1/28

3974:永久橋  

 目印のガソリンスタンドを右に見ながら左折した。その交差点の名前は「永久橋」である。ちょっとロマンチックな名称であるが、その由来は物悲しいものである。

 「永久橋」は妙正寺川にかかる橋。この橋から1キロほど西にはその昔「今川処刑場」があった。そこで処刑される罪人とその家族らが、この橋を渡って永久の別れを悲しんだことからつけられた名前とのことである。

 その橋を渡って向かったのは「今川処刑場」ではなく、「ProFit」である。私は「ProFit」で2ケ月に1回の割合で整体の施術を受ける。

 2ケ月間体を酷使すると腰や背筋に疲れが溜まってくる。そうなると背筋が丸くなる。1時間半の施術を受けると背筋がピンと伸び実にすっきりとする。体がニュートラルな状態に戻る感じである。

 ただし、今日の訪問の目的は整体の施術を受けることだけではなかった。実は「ProFit」を運営されているチューバホーンさんがつい最近「マランツ7同盟」に加入されたのである。

 その報告を少し前に受けていたので、プリアンプがサウンドパーツからマランツ7に変更されたチューバホーンさんオーディオ・システムの具合を検証するというもう一つの目的もあったのである。

 実はここ半年のほどの間、私とshanshanさんはチューバホーンさんを「マランツ7同盟」に引き入れるべく、幾重もの罠を仕掛けてきた。

 まずはshanshanさんがご自身のマランツ7をチューバホーンさんのリスニングルームに持ち込み、その美音を披歴した。shanshanさんのマランツ7は、最初期型の貴重なものである。

 さらに第2弾として、私が持っているマランツ7を持ち込んで、チューバホーンさんがお使いのサウンドパーツのプリアンプとの一対比較を行った。その際にはマランツ7が持つ媚薬的な効能をチューバホーンさんのリスニングルームに振り撒いておいた。

 第3弾は我が家で三つのマランツ7を終結させての聴き比べ大会である。最初期型、初期型、最後期型の三つのマランツ7は同じマランツ7でありながら、それぞれ実に個性的なプロフィールを見せてくれた。

 そして、最後の罠は・・・そのうちの1台、最後期型で高性能パーツを使ってフルレストアしたマランツ7をチューバホーンさんにお貸ししたのである。

 あとは巧妙に仕掛けた陥穽にチューバホーンさんがもんどりうって落ち込むのを待つばかりである。そして事は予定通りに進んだ。

 最後の決め手になったのは、その様子を確認した際にshanshanさんが発した「もう戻れませんね・・・」という重い言葉であった。

 「そうですね・・・もう戻れません・・・」という言葉がチューバホーンさんの口からは漏れ出るように発っせらた。それが2週間ほど前のことであった。

 10畳ほどの広さを有するリスニングルームに入ると、各種のオーディオ機器がクワドラスパイアのラックに整然と並んでいた。そのなかにはもちろんマランツ7の美しい姿も含まれている。

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 1時間ほどの間、様々な楽曲を聴かせていただいた。実に良い感じに鳴っている。音楽の旨み成分やコクがしっかりと感じられる。

 チューバホーンさんはマランツ7が持つ麻薬成分にすっかりと心を奪われていた。麻薬所持及び使用は日本では犯罪である。

 となると我々は「罪人」であろうか・・・世が世なら「永久橋」を渡って、今川処刑場に向かわなければならなかった身かもしれない。そんな時空が歪んだような感覚に捉われながら、音楽にしばし浸った。



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