2016/12/30

3945:ブリティッシュサウンド  

 MERIDIAN 207 MKUのトレイには、ブラームスの歌曲集のCDがセットされた。演奏は白井光子(ソプラノ)、ハルトムート・ヘル(ピアノ)。1987年のドイツ録音である。

 6つのリート Op.86 第2曲「野の寂しさ」が流れ出した。ゆるやかなピアノ伴奏に続いて、河の流れのようにソプラノが響き渡る。

 その深い表現の見事な歌唱が聴く者を強く惹きつける。言葉の持つの重みを噛みしめ味わうように歌う白井光子のソプラノに、歩調をしっかりと合わせて寄り添うハルムート・ヘルのピアノが実に音楽的で、格調の高い演奏を聴かせてくれる。

 そのCDを聴き終わり、CDを入れ替えた。次にMERIDIAN 207 MKUのトレイの上に乗ったのはハイドン:チェロ協奏曲 ハ長調である。チェロはミクローシュ・ペレーニ。ヤーノシュ・ローラ指揮のフランツ・リスト室内管弦楽団の演奏である。1979年、ハンガリーでの録音である。

 ペレーニのチェロは味わい深い演奏である。奏法や音色についてはっとするようなところは少ないかもしれないが、実に奥ゆかしい印象を持つ。

 伴奏のオーケストラも、淡々とした表情ながら、ソリストをしっかりとサポートをしている。ぺレーニにもオーケストラにも強い自己顕示欲が見当たらない。どこかしら澄み切った潔さとでも言うべきものを感じる。

 CDを2枚聴いた。ある意味「これぞ英国!」というシステムである。MERIDIAN 207 MKU、MERIDIAN 205、Spendor SP-1というラインナップが聴かせる音は、やはり英国的であった。

 濃密な音とでも評すべきであろうか・・・Sprndorのスピーカーは、HARBETHに比べるとやや音調は暗めである。

 アコースティック楽器の響きを美しく表現する。箱の響きを抑え込むのではなく、上手く調整することにより活かす方向のスピーカーである。

 低域にはきりりとした表情はなく、聴く者をふんわり包み込むような感じでやんわりと迫ってくる感じである。

 音の密度は高く、変なバランスでの強調感が少ないので、飽きることはない。良質なブリティッシュサウンドと言った感じである。
 
 「良い感じで纏まっていますね・・・」

 私は呟くようにそう言った。ふと漏れ出るように口を出た言葉であった。視界の右側に置かれたMERIDIAN 207 MKUはとても小さなオーディオ機器であるが、キラキラと光って見えた。



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