2016/11/30

3914:バランス・ウェイト  

 BMW523iは我が家にやってきてから約2ケ月が経過した。走行距離は4,000kmを超えた。慣らし運転はほぼ終えた。

 エンジンの印象は当初とそれほど変わらないが、サスペンションはしなやかさを増したような感じがする。

 ランフラットタイヤを履いているので、当初はひょこひょことした足回りで路面から大きな入力があった場合の収束が悪いように感じていたが、それもそれほど感じられなくなった。

 30,000kmを超えたなら、ランフラットタイヤからノーマルのタイヤに替えようと思っている。そうなるとさらに乗り味は良くなるであろう。

 BMW 523iのハンドルを握りながらそんなことを思っていた。車で1時間ほどでAさんのお宅に到着した。半地下のリスニングルームはいつものように漆喰の香りに溢れていた。

 Aさんのレコードプレーヤーは、Roksan XERXES 10。アームはSME SIRIESX。その黒いアームの前端には、ZYX Ultimate OMEGAが装着されていた。

クリックすると元のサイズで表示します

 レコードを数枚聴かせていただいた。従前のZYX AIRYの時との印象と比べると、確かに違う。音の接地感がよりしっかりとした印象を受ける。

 音は実にニューラルで、奥行き感を含め空間表現が広く揺るぎない感じ。これは相当に良いカートリッジであることが一聴で窺えた。

 実は以前にも一度、AさんはZYX OMEGAを試されている。その時はUltimateシリーズではなく、カンチレバーの素材はボロンであった。

 きりっとした空間表現など確かに優れた点も多かったが、音の質感が少し冷徹な感じになった。結局そのOMEGAは採用されずに、AIRYのスケルトンタイプに戻された。

 今回のUltimate OMEGAは、OMEGAの持つ優れた空間表現を有しながらも、音の質感がニュートラルに徹している。

 「これは良いな・・・このカートリッジ・・・Ultimateという名に恥じない製品である。」

 OMEGAの特徴の一つにカートリッジの前面に取り付けられている球体がある。これは「ラビス・ラズリ球」という名前が与えられている。

 この球体により、カートリッジの重心を通る垂直面とカンチレバーの支点がずれることなく一致する。その結果、再生信号は正確なものとなるとのこと。

 その理論は分かったような分からないような感じではあるが、前後の重量配分50:50に拘るBMWのようだと思った。

2016/11/29

3913:カーボンカンチレバー  

 妻の調理家電の買い物に付き合ってから、近くのイタリアンレストランでランチを摂った。その後食品スーパーでの買い物を終えて、自宅に帰りついた。
 
 午後からは杉並区のAさんのお宅に行く予定が入っていた。Aさんのお宅には月に1度ほどお邪魔して、貴重なレコードを聴かせていただく。

 レコード演奏の合間には、演奏家のことやレコードのこと、さらにはオーディオに関する話題などで談笑する。

 今日はオーディオ的なトピックスがあった。それはカートリッジである。Aさんはつい最近、従前から使われていたZYX Airyのスケルトンタイプを、同じZYXのUltimate OMEGAに変更された。

 ZYXのUltimateシリーズは最近発売された。カンチレバーの素材がボロンからカーボンになり、二重構造ボディを採用したことが、Ultimateシリーズの特徴である。

 Ultimateシリーズは、上からDYNAMIC、DIAMOND、OMEGA、4D、AIRY、100というラインナップになっている。OMEGAは上から三つ目の製品である。

 ZYXは日本のカートリッジメーカーであるが、日本ではそれほどメジャーな存在ではない。その主たる市場は北米で、その地では高級カートリッジメーカーとして相当な人気があるとのことである。

 ZYXを運営する中塚氏は、トリオの開発部でMCカートリッジの開発に携わり、その後オルトフォン社に移り、銘機と名高いMC20を開発した経歴を持つ方である。

 ZYXの設立は1986年。1982年にCDが発売されて数年経過しており、日本ではレコードが市場から急速に消えていき、CDに完全に取って代わられてしまった頃である。

 同じZYXであるので、大きくその印象が変わることはないかもしれないが、高度に調整が進んだオーディオシステムの場合、わずかな差も、音に大きな影響を与える。

 Ultimateシリーズで採用されたカーボン製のカンチレバー。従来カンチレバーの素材はボロンであったが、それをカーボンに変えることによって、どのような効果があるのかも興味があるところである。

 「ボロンは軽くて丈夫、音の伝播速度が速いのでカンチレバーとして理想の素材ですが、そのボロンでさえ、単体の棒として内部で音の乱反射があり、独自の響きを作り、それが発電系にそのまま乗っておりました。これはどんな素材でも避けられない現象であると思われていました。しかし、この度ZYXではこの現象を大幅に減少できる素材を発見。それがカーボンファイバーです。」

 ZYXの製品紹介のコーナにはそのようにUltimateシリーズの宣伝文が載っていた。ロードバイクの世界ではカーボン製が主流である。
 
 カートリッジの世界でもカーボンの時代がやってくるのであろうか・・・まあ、技術的なことは全く分からないのであるが、ロードバイクでカーボンに慣れ親しんでいる者としては、「カーボンカンチレバー」を意味もなく支持したくなる。

クリックすると元のサイズで表示します

2016/11/28

3912:バルミューダ  

 10時になったので、曇り空の下BMW523i Touringに乗って近くのヤマダ電機に出かけた。広いフロアには様々な家電やパソコンなどが展示されていた。

 調理家電のコーナーには多くのオーブンレンジが並んでいた。思っていた以上に数多くの製品がある。価格にも大きな開きがある。安いものは20,000円台からあり、高いものは10万円以上するものもある。

 妻は販売員からの説明を熱心に聞いていた。私は妻の背中越しにその説明を聞きながらいくつかの製品を見てわまった。

 メーカーはSHARP、Panasonic、TOSHIBA、HITACHIなどの製品が多かった。安いものから順次高いものを見ていった。

 「しかし、オーブンレンジで10万以上ってどうなんだろう・・・?ちょっと高すぎるよな・・・色んな機能があるのはわかるけど・・・多分その機能の半分も使えないはず・・・」

 高級機種の価格設定に疑問を持った。まあ、わが身を振り返ると、ロードバイクやオーディオ機器に関しては、一般常識からすると非常識ともいえるような価格のものを購入しているので、オーブンレンジに関して10万円を超えるからといって、批判がましいことは言えない立場であるが・・・

 妻も高級機種はさすがに高いと思ったのか、結局中間機種ともいえる価格帯ものに標準を定めたようである。

 5万円台のものは、高級機種に準じた機能を備え、見た目的にも結構立派である。幾つかの候補から妻が選択したのはPanasonic NE-BS803であった。

 Panasonicのオーブンレンジは6つの製品があり、上から3番めの製品とのことである。手続きを済ませた。今日の夕方配送してくれるとのことであった。

 妻が販売員の説明を受けながらあれこれ迷っている間、時間を持て余した私は、周囲の調理器具家電を一通り見て回った。炊飯器やオーブントースター、ミキサーなどが陳列されていた。

 それぞれ、高級な機種は「えっ・・・こんなに高いの・・・」と驚くような価格のものがあった。

 オーブントースターのコーナーで見かけたのは、バルミューダの製品である。独自のスチーム技術が使われていて、トーストの味わいがとても良くなるとのこと。

 これはテレビで紹介されていたのを観た記憶がある。価格は20,000円を超える。普通のオーブントースターの倍以上の値付けである。

 「これでパンを焼くと美味しいのかな・・・」と思いながらそのオーブントースターを見ていた。デザインのセンスも素晴らしい。

 このメーカーはトースターの他に電気ケルト、扇風機、空気清浄機なども作っている。どれも価格は高めであるが、優れたデザインセンスでまとめられていて、さらに従来にはないような機能が盛り込まれている。

 その美しいオーブントースターをしばし眺めていた。「ついでに買おうかな・・・」と思ったが、今我が家にあるオーブントースターがまだまだ使えそうなので、またの機会にすることにした。

 結局2時間近い時間が経過した。心の中では「単独ライドに出かければよかった・・・」とも思ったが、滅多に来ない家電製品コーナーで幾つかの商品を見て、「家電の世界も進化してるんだ・・・」と思えた。

クリックすると元のサイズで表示します

2016/11/27

3911:逡巡  

 数日前には雪が降った。11月の積雪は東京では観測史上初とのこと。まだ葉を落とすことなく、紅葉していた木々も少々驚いたに違いない。

 それから寒い日が続いた。今日の天気予報も最高気温が13度と低め。ほぼ冬である。朝早く起き出して、テレビをつけた。天気予報を確認してから、サイクルウェアに着替えた。

 天気予報は芳しくなかった。曇り後雨の予報であった。窓から外を眺めると路面は濡れていた。早朝に小雨が降ったようであった。

 サイクルウェアは先週よりも一段階冬仕様のものにした。サイクルウェアに着替えてから、朝食を摂った。

 「はやく起きた朝は・・・」をのんびりと観ていた。そろそろ7時になるというところで、自宅を出ようとした。充電していたスマホの画面を確認した。充電量は100%と表示されていた。

 スマホを手にして、「そうだ・・・Twitterを確認しておこう・・・」と思った。今日のように曖昧な天気の時に、Twitterを確認せずに家を出てしまって、集合場所に着いても誰もいなかったという経験が何度かある。

 Twitterを確認すると、「今日のロングは天候が思わしくないので中止にします。バイクル前は雨が降りだしました。」とのリーダーからのメーッセージが・・・

 「あれっ・・・中止か・・・危なかった・・・」サイクルウェアのまま、リビングに戻ってソファに座った。

 「どうするかな・・・単独で短いコースでも走るかな・・・時坂峠、顔振峠、和田峠あたりであれば100km以下だけど・・・でも途中で雨に降られると辛そうだな・・・」そんなことを思って再度窓を開けて外を眺めた。

 冷たい空気がすうっと入ってきた。朝の気温は相当低い。路面も結構濡れている。コンディションは良くない。

 しばし、ソファに座って逡巡していると、妻が起き出してきた。「あれ・・・?自転車乗らないの・・・?」と訊かれた。「中止だって・・・天気予報が悪いからね・・・」と答えた。

 すると妻は満面の笑みを浮かべて「じゃあ、買い物に連れて行ってよ・・・オーブンレンジを買い換えたくて・・・」と頼まれた。

 我が家のオーブンレンジは2001年製。既に15年ほど稼働している。最近具合が悪くなったようである。

 「いいよ・・・」私はサイクルウェアを着たまま答えた。最新の家電事情ってどうなているのか多少の興味もあった。調理系の家電器具は相当進化しているはず。高価な製品も売れているようである。

2016/11/26

3910:Model7  

クリックすると元のサイズで表示します

 Marantz Model7は、いわゆるヴィンテージの製品である。1950年代後半に設計されたのであるから、今から60年ほど前の製品ということになる。

 そんな古い製品であるが今でも人気の高いプリアンプの一つである。訪問させてもらったオーディオマニアのお宅でも、現代の最新鋭アンプに混じってModel7が活躍しているところもあり、単にヴィンテージで片付けることのできない名機である。

 人気が高いので中古市場でも結構見かける。長年の使用期間の間に、コンデンサー等の部品がメンテナンスにより交換され ているため、オリジナルのままのものはほとんどないのが現状であり、そのコンディションは様々である。

 Marantz Model7の製造番号は10001〜23000番台まで存在している。初期型が人気が高く、最初期型でコンディションが良いものなどは100万円を超える価格が付く。

 今現在我が家にあるModel7は12000番台のものである。一応初期型をいえる。とあるヴィンテージショップで70万円で購入した。その後専門の方にフルレストアしてもらった。

 そのModel7はフルレスト後は特にトラブルもなくわが家のリスニングルームで穏やかに暮らしているが、相棒であるModel2が2度目の入院となってしまったため現在は暇を持て余している。

 Model7に関しては、ひょんなことからもう1台我が家に到着する運びとなっている。知り合いから音が出ない状態のModel7を安価で譲っていただいたのである。

 こちらのModel7は22000番台の製造番号である。あまり高く評価されていない後期型である。この安価で入手したModel7は現在、とある方のところでフルレストされている最中である。

 とある方とは、横浜のMさんの古くからの知人で、横浜のMさんのお宅にある3台のModel7をフルレストアされた方である。

 横浜のMさんのお宅のModel7は強く印象に残った。実にSN比が優れていて、ゴージャスな響きを感じたのである。もちろんそれはModel7のみによるものではないはずではあるが、Model7の貢献度合いは大きそうだと思えた。

 Model7はオリジナルに忠実なパーツでレストアすべきという考え方もある。しかし、その方はパーツ類に関してはオリジナルに拘泥することなくより性能の良いパーツも活用されてフルレストアされるとのこと・・・「現代型Model7」と言えるであろう。

 今我が家にあるModel7もオリジナル忠実型ではない。フルレストアされた方はWEの信奉者で、パーツ類もあえてWE系の部品を使われる。「WE系Model7」と言えるかもしれない。

 現代型ModeI7が我が家にやってきたら、外見はほとんど同じModel7であっても中身が違うModel7の聴き比べが楽しみである。

 さらにshnashanさんのお宅には最初期型でオリジナル忠実型のModel7がある。いつか3台のModel7の聴き比べができるはずである。その日が来るのが今から楽しみである。

 3台のModel7が並んだ光景は実に壮観であろう。その光景を目にしたならば「進め銀河の果てまでも〜♪」と、ついつい歌いたくなってしまうかもしれない・・・あの歌を・・・

2016/11/25

3909:EL34  

 pontaさんと話していて「taoさんのところのオーディオの調子はどうですか・・・?」という話題になった。

 「いや〜実は・・・Marantz Model2が二度目の入院をしていて、また再びの音無し生活を送っているのですよ・・・ヴィンテージって忍耐が必要なんです・・・」

 Marzntz Model2はフルレストアが完了するまで予想以上に長い期間を要した。ようやくフルレストアが完了して、我が家でしばしの間活躍していたのであるが、モノラル構成である2台のうち片方だけ具合が悪くなってしまった。

 再度入院の運びとなったMarantz Model2、その症状は音が妙に籠って暗くなり、低い周波数のノイズも音に乗ってくるというもの。

 Marantz Model2はモノラルアンプであるので2台ある。1台づつ切り替えて音を確認すると片方のみにその症状がでる。

 「明らかにおかしい・・・修理に出すしかない・・・」と暗めの表情で再入院の手続きをした。気分は「限りなく透明に近いブルー」である。

 「年内には戻ってくるかな・・・」と思っていた。確認のメールを送った。するとその返信は「年内は厳しいかと考えておりますが、極力、今年中に作業を終えるように努めます。」であった。

 若干の可能性であるが、年内に戻ってくるかもしれないMarantz Model2である。「ヴィンテージは忍耐が必要・・・」そう言った自分の言葉が妙に身に沁みるこの頃である。

 すると、昨日メールが来た。shanshanさんからであった。「パワーアンプお貸ししますよ・・・」との内容であった。

 shanshanさんのお宅には真空管式のパワーアンプが常に複数台ある。パワーアンプを自作されるのが趣味のshanshanさんは、貴重な真空管を入手できると、その真空管を使って新たなアンプを設計し手作りで製作される。

 近いうちに時間を見つけてshanshanさんのお宅にお邪魔しようかと思っている。Model2は少なくとも1ケ月以上の間我が家には戻ってこない。その間の代打として、shanshanさん製作のパワーアンプに活躍してもらうことになりそうである。

 真空管というものは妙に人を惹きつけるものがある。貴重な真空管は1本で何十万円もするものもあるという。

 Model2の出力管はEL34。プッシュプルであるので左右で合計4本のEL34が必要である。EL34は結構メジャーな真空管であるので、ヤフオクなどでも多数出品されている。その価格はピンキリである。何十万もするということはない。高いものでも数万円で入手可能である。

 「Model2が戻ってきたら、いくつかのメーカーのEL34をコレクションして、聴き比べてみたい・・・」そんなことも思っている。来年2017年はそんなこともしてみたいものである。

2016/11/24

3908:Q Acoustics  

 「Q Acoustics」というスピーカーメーカーのことは正直全く知らなかった。pontaさんからのメールで、その名前を目にしても全くどんなスピーカーを作っているメーカーが思い浮かばなかった。

 インターネットで調べてみると日本ではほとんど無名に近いが、本国英国ではしっかりとした地位を築いているメーカーのようで、英国のオーディオ専門誌「WHAT HiFi?」の年間アワードのステレオスピーカー部門で2年連続ベストバイを受賞しているとのことである。

 pontaさんの新しいスピーカーは、そのQ Acousticsの2020iである。2020iはブックシェルフ型の2wayシステム。とてもコンパクトである。仕上げはグロスホワイト。

クリックすると元のサイズで表示します

 pontaさんは4年ほど前から新しい仕事に取り組まれている。上手くいくと大きな成功がもたらされるが、まだ軌道には乗っていない。 そのため、従来この部屋にあった非常に高価なハイエンド・オーディオ機器はすべて処分された。

 その代わりに、この部屋には現実的な価格のオーディオセットが準備された。スピーカーはQ Acoustics 2020i。CDプレーヤーはMarantz SA8005。プリメインアンプは同じくMarantz PM8005である。シンプルなスリーピース構成のオーディオセットは、部屋にすっきりと馴染んでいた。

 Q Acoustics 2020iは、思っていたよりも小さいスピーカーであった。英国のメーカーとのことであるが、HarbethやSpendorといったいかにも英国的なメーカーの製品とは一線を画すモダンな佇まいを有している。

 2020iは、その小ささゆえか「これで大丈夫・・・?」といった頼りなげな印象を受けた。しかしその心配は杞憂であった。2020iは、なかなかしっかりとした製品であった。

 まずはバランスが良い。上も下も無駄に欲張っていないし、変な癖もない。上手い具合にまとまっている。点音源に近い構成からか空間表現も思ったよりも広い。

 その価格をpontaさんから聞いたが、にわかには信じられないくらいに安い。この価格であれば正直に奥さんにも報告できる。(ちなみに我が家では奥さんには実際の価格の10分の1で報告している)

 Marantzのペアも実直に仕事をこなしている。クラシックのCDを10枚ほど聴かせていただいた。穏やかな気分で聴くことができた。「音楽を楽しむうえではこれで十分・・・」と思えた。

 「仕事が上手くいっても、もうハイエンドには戻りませんよ・・・」とpontaさんは話していた。しかし、pontaさんのお宅で無邪気にふるまっていた猫のHanakoさんは、そのpontaさんの言葉に疑いの眼差しを向けているようであった。その証拠にHanakoさんの丸い目はきらりと光っていた。

 そして、体を私の左足に摺り寄せるようにしながら柔らかい身のこなしですり抜けていき、可愛い声で鳴いた。「ニャ〜ンてね・・・」と軽いツッコミをpontaさんにいれているようであった。

クリックすると元のサイズで表示します

2016/11/23

3907:キット・カット  

 堂平天文台からの見事な眺望をしばし楽しんだ後、帰路につくこととなった。堂平天文台のすぐ近くにはパラグライダーのスタート地点があった。

 帰り道でその場所に通りかかると、インストラクターの男性と一緒に若い女性がタンデムでパラグライダーで飛び立とうとしていた。

 その決定的な瞬間を見てみようとしばし停まって見ていたが、残念ながら風が止んでしまっていて飛び立つことができなようであった。

 ちょっと見てみたかったが、風が吹きそうもなかったので、リスタートした。帰路は奥武蔵グリーンラインを走った。

 奥武蔵グリーンラインはアップダウンを何度も繰り返す。林間の道はうねりながら延々と続いている。そして幾つもの峠を貫いている。

 大野峠、刈場坂峠、顔振峠を通過していき、国道299号に出た。体は重かった。白石峠でのヒルクライムの疲れは体に芯にまで深く達したようで、脚の回りは悪いままであった。

 奥武蔵グリーンラインを走り終える頃合いには、ガソリン残量を示す針は「E」に近づいていた。ハンガーノックまでには達しなかったが、体は新たな燃料源を要求していた。

 国道299号から西武秩父線の東吾野駅にそれて、その駅前で休憩をした。この駅前の自動販売機にはジュース類の他に「キット・カット」が売られている。

 私は迷わず「キット・カット」を一箱購入した。「キット・カット」は随分と古くからあるお菓子である。私が小学生の頃にはすでにあったから40年ほど前から日本でも発売されているはず。

 昔は「マッキントッシュのキットカット」と謳われていたが、現在はネスレから発売されている。きっと合併か営業譲渡が行われたのであろう。

 「キット・カット」を矢継ぎ早に頬張った。実に美味しく感じられた。息の長い商品らしく、その味わいのクオリティーは高く安心感がある。

 「キット・カット」で燃料補給を完了した。ここからの帰路にはいくつかの選択肢がある。東峠・山王峠を越えていくコースも選択肢の一つであり、国道299号で戻るという選択肢もある。

 今日は国道299号を通って帰るコースを選択した。隊列を組み直して帰路を進んだ。行楽日和であったためか、国道299号は道が混んでいた。

 車が渋滞する脇を抜けながら進んだ。飯能駅の近くのセブンイレブンで最後の補給休憩をした。「キット・カット」で補充したエンルギーは既に消費されていたので、「カレーうどん」を購入して胃袋に納めた。

 セブンイレブンのカレーうどんは和風だしが効いている。お蕎麦屋さんのカレーの味がする。数分で完食した。

 ここから先はライトの点灯が必要になった。夜間走行は注意が必要。路面の状況が見えずらくなる。どうにか無事に多摩湖の堤防に到着した。ここまで来ると我が家は目と鼻の先である。ほっと心がしなやかに揺れた。

2016/11/22

3906:白石峠  

 メンバーのうち2名が先行スタートしていった。4名の後発スタート組はしばしの後にスタートした。

 上り口から少し走ると「=172⇒白石峠」と書かれた道標に従って右に曲がる。この地点から6kmと少し上ると峠の頂上である。ここからいつもタイムトライアルをする。目標タイムは30分であるが、一度も30分を切ったことはない。

 白石峠には頂上までの残り距離が小さな看板で表示される。最初は「6.2km」から始まる。この距離をややきつめの負荷で上らなければならない。

 白石峠は序盤から厳しい斜度で出迎えるので、心拍数はすぐに上がっていった。170を超え、175に達するのにそれほど時間は必要なかった。

 白石峠は和田峠のような「激坂」ではないが、10%程度の厳しめの斜度が続く。斜度が一時的に緩むポイントもあるのであるが、脚を休ませる間もなく厳しい斜度に戻るので、気持ちを強く持つ必要がある。

 心拍数は175〜180までの範囲で調整しようと決めていた。180を超えてしまうと後半たれてしまう。175を下回ると負荷が軽すぎる。その範囲の負荷で30分以上走ることになる。

 白石峠はいつものように泰然と走る者を迎えてくれる。ゆっくりと走る者には緩やかな表情を見せるが、厳しい負荷を自らに課して走ってくる者には厳しい表情で向かえる。

 厳しめの負荷で上り続けた。残り距離はゆっくりではあるが少なくなってくる。ゴール手前1kmになると斜度が緩むのであるが、その地点まではなかなか手強い。

 少し緩むがまた厳しくなる。また少し緩むが前を見ると道の斜度が上がっている。心を折られないように気を張り詰めていないといけない。

 どうにかこうにか170台後半の心拍数を維持しながら古いエンジンは回り続けていた。いつものように余裕のない吸排気音を響かせながら、峠道を走り続けた。

 ようやく残り距離が1kmを切った。斜度が緩む。ギアを上げる。もっとクランクをパワフルに回したかったが、脚の余力はほとんどない状態。

 6kmと少しの距離を体感的にはほとんどイーブンペースで上った。心拍数はほぼ予定通りの範囲で納まり続けていたので、緩むことなく走ることができた。

 しかし、体調はいま一つであったので、道標に従って右に曲る地点から頂上までのタイムは目標タイムの30分には届かなかった。

クリックすると元のサイズで表示します

 疲れ切って、峠の頂上にある東屋で座って休んだ。メンバー全員が揃ってから恒例の記念撮影した。今日は時間的余裕があるので、ここから2kmほど先にある堂平天文台まで足を延ばすことになった。

 紅葉を眺めながらゆっくりと走ると堂平天文台がある。その敷地内からは見事な眺望を望むことができる。

クリックすると元のサイズで表示します

 今日は天気が良く遠くまで見渡せた。その眺めは心を清々しいものにしてくれる。白石峠での厳しいヒルクライムで体は重い疲労感に包まれていたが、心は幾分リフレッシュされた。

2016/11/21

3905:聖地  

 多摩湖の堤防を渡り終えると埼玉県に入る。先週も通ったルートをたどって国道299号にまで達した。

 先週は国道299号との交差点を左折したが、今日は右折した。国道299号を少し走ってから左側の脇道に入っていった。

 この脇道は県道30号飯能寄居線にショートカットするように走っていて具合が良い。宮沢湖の少し手前で県道30号に合流した。

 県道30号をしばし進んでから「田中」の交差点を左折して、県道172号大野東松山線に入る。するとすれ違うローディーの数が急に増える。

 その大半が「白石峠」への「聖地巡礼」を終えたローディーと思われる。埼玉県在住のローディーにとって「白石峠」は「聖地」なのであろう。

 それはかろうじて東京都であるが埼玉県と境を接しているエリアに住んでいる私にとってもほぼ同じである。

 「白石峠」は「聖地」であり、1年に最低でも3回ぐらいは「巡礼」しなければならない峠である。

 「白石峠」にチームで行く場合、必ず立ち寄るのが「パン工房 シロクマ」である。通称「シロクマパン」は、「巡礼」の前にひと時の憩い時間を与えてくれる。

 「シロクマパン」に行くには、県道172号から脇道にそれないといけない。その脇道を進むと畑の中にそのパン屋はぽつんとある。そのロケーションは実にほのぼのとしている。

クリックすると元のサイズで表示します

 店の前にはサイクルラックが置かれている。ローディー御用達のパン屋さんで、今日もすでに先客のローディーが数名テラス席に座っておいしそうにパンを頬張っていた。

クリックすると元のサイズで表示します

 何種類ものパンの中から二つを選択して、ビンに入ったコーヒー牛乳と一緒にいただいた。この後に実に手ごわい「白石峠」が待ち構えていることをしばしの間だけ忘れさせてくれる。テラス席からは穏やかな山の風景が目に入る。木々の葉は茶色く色づき、目を和ませる。

 「パン工房 シロクマ」を後にして、ゆるやかに上っている県道を進むと白石峠の上り口に到着した。辺りは静かである。風もない。時折野鳥の声が響くのみである。

 白石峠に繋がる道は泰然としている。それほど険しい表情をしているわけではない。しかし、これから限界値付近の心拍数で心臓を回転させながらロードバイクで峠道を上ろうとしている私には、その裏に隠された険しい表情が透けて見えていた。

クリックすると元のサイズで表示します



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ