2016/7/31

3792:原点  

 「昼過ぎに雨が降るでしょう・・・」その天気予報がにわかに信じられないほどに、空は青かった。

 朝のうちはまだ猛暑というほどのことではなかったが、集合場所のバイクルプラザまで走っただけで汗がすっと流れた。

 今日の目的地は「時坂峠」に決まった。ロングライドに初参加するメンバーがいることと、天気予報が昼過ぎに雨が一時的に降ると伝えていたことから、短めのコースである「時坂峠」がいいだろうということになったのである。往復距離は80kmほどと短め。上りも時坂峠のみである。

 「時坂峠」は、私が最初にロングライドに参加した時に上った。ある意味私にとてヒルクライムの原点である。

 もう5年も前のことになる。その時はひどく辛かった。どうにか足をつかずに上り切れたが、あまりの辛さに「これはまともな人間のやることじゃない・・・」と思ったことが鮮明に記憶に残っている。

 その後何度もこの峠には上った。単独でのロングライドでも何度か来たことがある。5年の月日が経過して、上れるスピードは上がったが、辛いことには変わりがない。

 「時坂峠」までのコースは先週行った「都民の森」とほぼ一緒である。玉川上水に沿った道を西へ進んだ。

 玉川上水沿いには木々が植わっていて、木陰が多い。強く照り付けてくる太陽光が遮られると走りやすい。

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 拝島駅近くのファミリーマートでコンビニ休憩をした。補給食にはバナナ2本を摂った。もう少し曇ってくるかと思ったが、太陽は依然ぎらぎらとしていた。

 コンビニ休憩を終えて睦橋通りに入った。ここは片側2車線の広い道路である。太陽光を遮るものがなく、暑さに体力を徐々に削られながら走っていった。

 武蔵五日市駅の手前を左折して檜原街道へ・・・しばらく続く市街地を抜けると、山間の道に変わる。

 ようやく木陰で涼しいエリアに入り込んでいった。夏はこのエリアが嬉しい。檜原村役場を右手にやり過ごすと、「橘橋」の交差点に到着した。

 先週はこのT字路の交差点を左折して都民の森までの21kmのタイムトライアルをした。残念ながら目標タイムの1時間では走り切れなかったが、いつもとは違うパターンでの全力走行は貴重な体験となった。

 今日はここを右折した。ここから時坂峠の上り口まではすぐである。目印は「ちとせ屋」。有名な豆腐屋である。その左手前を入り込んでいくと、時坂峠の上り口である。

2016/7/30

3791:BRILON 1.0  

 スマホでヤフオクを見ていた。スピーカーの画面に変えた。それを試しに「ゆみちゃん」に見せてみた。しばし、彼女はその画面を見ていた。しかし、徐々に集中力がしぼんできたようである。

 「良く分からないですね・・・皆同じような感じで・・・」

 彼女はスマホを私に戻しながら言った。

 「それにしても、随分値段が違うんですね・・・凄く高いものもあって、びっくりしました。taoさんも値段の高いスピーカーを使っているんですか・・・?」

 「値段・・・?我が家のスピーカーは全然高いものじゃないんだ・・・数万円はしたけど・・・」私は少しどぎまぎしながら答えた。

 彼女から受け取ったスマホの画面を見た。その画面にはとあるスピーカーの写真が小さく映っていた。その写真に一瞬釘付けになった。

 「ブリロンか・・・」その画面には、AUDIO PHYSIC BRILON 1.0のオークションの写真が映っていた。

 スマホの画面を操作してBRILON 1.0の数枚の写真を確認してみた。とても綺麗な状態である。現在の価格は90,000円ほどであった。

 「終了間際にはさらに上がり、きっと15万円ほどで落札されるのであろう・・・」そう思った


 日本製の古いものであれば、10,000円以下で入手可能なものも多い。しかし、製造されてから相当な年数が経過しているので、コンディションは酷いものが多い。

 「ブリロンか・・・デザインも素晴らしい・・・」その写真をしばし眺めていた。こちらはとても大事に使われていたようで、コンディションの問題はなさそうに思われた。

 レコードプレーヤーはLUXMAN PD444。プリメインアンプはSONY TA-1120。スピーカーはAUDIO PHYSIC BRILON 1.0。

 「この組み合わせってどうよ・・・」心の中でちょっとひとりごちた。しかし、「ゆみちゃん」が当初提示した3万円の予算をはるかに超える。

 「まあ、現実的じゃないよな・・・」そう思ってスマホの画面を下にしてカウンターの上に置いた。

 「ちょっと考えてみるね・・・それはそうと部屋の広さはどのくらい?」

 「狭いですよ・・・普通のワンルームですから・・・6畳よりもちょっと広いくらい・・・」

 「だとするとスピーカーは小さい方がいいよね・・・」

 「そうですね・・・部屋が狭くなるようなものはちょっとですね・・・」

 カウンターの上に置いたスマホの画面をまた覗いた。BRILON 1.0の細身の姿が目に入った。独特の形状は魅力的なものであった。

2016/7/29

3790:LUXMAN PD444  

 私はスマホでヤフオクの画面を開いた。「家電、AV」を選び、「オーディオ製品」を選び、「ターンテーブル」、「本体」と進んだ。

 最期はメーカー名を選択できる。オーディオテクニカ 、ケンウッド(トリオ)、ソニー、デノン 、トーレンス、パイオニア、パナソニック(テクニクス)、ビクター、マイクロ、ヤマハ、その他という分類になっている。

 「1960年代後半から1970年代くらいまでの製品を選ぶとすると、どのメーカーがいいかな・・・予算は1万円くらいか・・・」と、一瞬思案した。

 「どんなものがあるか、ざっとした検索でいいか・・・」と思い「その他」を選択した。LINNや
Garrardなど様々なメーカーのものが表示された。

 そのスマホを「ゆみちゃん」に手渡した。彼女は興味深そうに画面を覗き込んでいた。「いろんなものがあるんですね・・・」

 「相当数あるでしょう・・・値段もまちまちだし・・・ここをクリックすると次の画面に行けるから・・・」

 しばらくの間、彼女は画面を展開させて、数多く表示されるレコードプレーヤーの写真を眺めていた。

 そして、しばらくすると「これって変わってますね・・・とてもデザインが良いです・・・ちょっと横長ですけど・・・」と、とあるレコードプレーヤーに興味が湧いたようであった。

 その画面を覗き込むと、そのレコードプレーヤーは「LUXMAN PD444」であった。彼女の審美眼は確かなようで、そのデザインは秀逸であり、独自の美しさに溢れていた。

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 「良く分からないんですけど、綺麗な形ですよね・・・とってもモダンで・・・」彼女はそう言って目を細めるような仕草をした。

 「これ、良いよね・・・確か1970年代の後半頃の製品かな・・・アームが付いてないから、アームも別途用意しないといけないね・・・予算オーバーかな・・・」

 「そうですか・・・」彼女はちょっと恨めしそうに眺めていた。ふっと思い付いて「そう言えば、家に使っていないアームとカートリッジがあるな・・・それを使えばいいか・・・」と言った。

 「アンプも1台あるんだよね・・・SONY製だけど・・・デザインがとてもいいんで、衝動買いしたんだけど、棚を飾っているだけで実際には使っていないんだ・・・それを組み込めば、後はスピーカーだけ・・・じゅぶん予算内に納まるんじゃない。」

 「いいんですか・・・?」と訊く彼女に「使っていないで持っているだけだと意味がないからね・・・そのアンプの写真見せるよ・・・気に入ると思うよ・・・」と言って、彼女が手にしていた私のスマホを受け取って操作した。

 「型番はSONY TA-1120・・・1965年の発売でね・・・」私はスマホの画面を彼女に向けた。首を少し前に突き出すようにして、彼女はその写真を眺めた。

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 彼女は満面の笑みを浮かべた。「綺麗・・・」そっと呟くように言った。

 SONY TA-1120は、少し前に「オーディオショプ・グレン」で見かけて、そのデザインの良さに思わず衝動買いした。価格は75,000円であった。

 「気に入った・・・?」と訊くと、彼女は2度、3度と首を少し大げさに縦に振った。

 「でも、さっきのレコードプレーヤー表示されていた11,500円で落とせるんですか・・・?」

 「もっと上がるだろうね・・・終了間際で・・・まあ、チェックしておくよ・・・予算を超えるようならパスだね・・・」

 「あとスピーカーも必要なんですよね・・・」

 「そう、スピーカーもね・・・日本製の古いものなら1万円以下でもあると思うよ・・・スピーカーもちょっと覗いてみようか・・・」

 喉が渇いた。時代がかったやや肉厚なグラスに入った水をぐいっと飲んだ。冷たい水が喉を通って行く。その流れが心地よかった。

2016/7/28

3789:レコードプレーヤー  

 時間が止まったような喫茶店「Mimizuku」のカウンターの上にはSONY製のラジカセが置かれている。そのラジカセからはバッハのゴールドベルク変奏曲が流れていた。

 「taoさんは、レコードプレーヤーを持っているんですか?」

 「ゆみちゃん」は、ほぼナポリタンを食べ終わっていた。アイスコーヒーをストローで2,3度かき混ぜながら、そう訊いた。

 「持ってるよ・・・」

 私は最近メニューに加わったフレンチトーストを頼んでいた。その柔らかい食感と、滋味深い味わいは癖になる美味しさである。

 シナモンを少し振りかけるとまた格別な味わいの複雑さが加味される。それをナイフとフォークを使って食べていたが、一瞬その動きを止めた。

 「私最近、レコードに興味があって・・・でも、レコードプレーヤーって使ったことがないんです・・・」

 「ゆみちゃん」は少し変わっている。30歳という年齢からすると不釣り合いなほどに古いものが好きである。

 その服装もそうであるし、自宅には1970年代に製造されたラジカセが置いてあり、カセットテープで音楽を聴いていたりする。そんな彼女の古いもの好きがレコードにも食指を伸ばし始めたのであろうか・・・

 「『ねこ』のメンバーのTwitterによくレコードの話が出てくるの・・・」

 「ねこ」は彼女が応援しているインディーズバンドである。そのメンバーのTwitterで時折レコードのことが書かれているようであった。

 「それで、一度聴いてみたいなって・・・」

 「あっ・・・そう。でも、レコードプレーヤーだけ買っても音が出ないんだよ・・・アンプとスピーカーもないとね・・・」

 「そうなんですか・・・結構高いんですか・・・」

 「新品を買うと高いけど、古いものなら、安く売っているものもあるよ・・・それこそ、レコードしかなった時代の古いものなら・・・」

 「3万ぐらいでレコード聴けますか・・・?」

 「予算は3万円・・・?」

 「そのくらいです・・・」

 「そう言う時は、ハードオフかヤフオクかな・・・古いものなら一式3万円くらいで揃うよ、きっと・・・」

 「ヤフオクってそんなものも扱っているんですか・・・?」

 「でも、古いものだから、ちゃんと動くか心配だけど・・・」

 「選ぶの手伝ってください・・・ちんぷんかんぷんだから・・・でも、デザインは良いものがいいな・・・」

 「じゃあ、1960年代か1970年代のものが良いよね・・・出来れば60年代・・・80年代になると急に質感が下がるんだ・・・」

 ラジカセのカセットテープが終わった。「キュー・・・」という音がした後、オートストップ機構が働いて、PLAYボタンが軽い音をたてて、元に戻った。

2016/7/27

3788:帰路  

 この時期としては比較的過ごしやすい気候に誘われたのか、都民の森の駐車場は満車であった。多くのローディーも来ていて、バイクラックには様々なロードバイクが並んでいた。

 この季節、意外と怖いのが蜂である。先日もチームメンバーが風張峠を単独で上っていた時に蜂に右脚の太腿を刺された。

 都民の森の売店で応急手当を受けたが、その後腫れてしまって少しの間ロードバイクに乗れなかった。

 走っている最中では注意していても、なかなかその災難をかわすのは難しいかもしれないが、蜂には要注意である。

 記念撮影を済ませてから、下り始めた。下り始めて強い風を体に受けると、汗が冷えて少し肌寒く感じた。やはり標高が高いのである。

 重力の盛大な手助けを受けてどんどんと下っていった。しばらく下ったところでメンバーの一人のロードバイクに何らかのメカトラブルが生じたようで、かなり遅れていた。

 ちょうど「数馬」の少し手前であったので、「数馬」でロードバイクを降りて、待つことにした。目の前には茅葺屋根が特徴の温泉宿があった。

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 しばらくすると、トラブルが解消したようで、メンバー数名が下ってきた。また再び隊列を組み直して下っていった。

 「橘橋」の交差点に達すると、右に曲がって檜原街道を進んだ。檜原街道は日陰が多く、比較的涼しい。

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 武蔵五日市駅まで来たところで、駅前を右に曲がり睦橋通りに入っていった。猛暑日であるとここからの行程は結構辛いものとなる。今日は汗は流れたが、茹だるような感じではなかった。

 睦橋通りを走りながら、いつか単独でのロングライドが出来る時があったら、もう一度「橘橋」交差点から都民の森までの区間のタイムトライアルに再チャレンジしてみよう・・・と、考えていた。

2016/7/26

3787:みとうだんご  

 「数馬」を越えると、いよいよ本格的なヒルクライムが始まる。2本の脚にかかる負荷はぐっと上がった。
 
 心拍数は従前の170〜173ほどから175まで上がってきた。斜度が上がると当然の結果としてスピードはゆったりとしたものに変わった。

 「脚が重い・・・」既に40分以上脚には強い負荷がかかり続けていた。思っていた以上に脚にはダメージが加わっていたようである。

 ここまでは斜度が緩かったり、平坦路であったり、下りもあったので、気持ち良く飛ばしてきた。気持ち良かったが、気持ち良かったなりに脚には結構な負荷がかかっていたようである。

 ヒルクライムは延々と続いた。余裕のない呼吸と余力のない脚でその坂道を上り続けた。心拍数は175を超え、180に近い数字を示そうとしていた。

 心拍数は上がるが、スピードはそれに比例することはなく、全然上がらなかった。「こんなに長かったけ・・・?」いつもよりも長く感じられるヒルクライムコースはなかなか終わりが見えてこなかった。

 ようやく残り1kmの表示板の下を潜った。ペースは上がらないまま、苦悶の表情は随分前から顔に貼り付いたままであった。

 本当にようやくという感じで都民の森の駐車場に滑り込んだ。それとほぼ同時にサイコンのラップボタンを押した。

 残念ながら1時間以内では走り切れなかった。1分10秒ほど目標タイムを超えてしまった。「数馬」までは順調であったが、ヒルクライムエリアでぺースが落ちてしまい、あとわずかではあったが目標には届かなかった。

 タイムトライアルにチャレンジした7名のうち2名は1時間を切った。このコースを1時間以内で走り切る・・・それはウィークエンド・ローディーにとってはかなり過酷であるが、挑戦しがいのある目標でもある。

 「また機会があったらチャレンジしてみたい・・・」

 そんなことを思いながら、疲れ切った体を休ませた。その疲労度はいつもよりも体の芯に近いところまで達しているような気がした。

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 都民の森の売店で売っている、くるみ味噌をつけた「みとうだんご」を食べた。炭火で焼かれた大ぶりな団子は相変わらず美味しかった。

 「また次、頑張ってみれば・・・」穏やかな食感とまったりとした味わいの「みとうだんご」は、そう話しかけてくれているような気がした。

2016/7/25

3786:数馬  

 「橘橋」のT字路交差点から「都民の森」までの21kmタイムトライアルに参加するメンバーは7名であった。

 「橘橋」の少し手前の公衆トイレでトイレ休憩を終えて、いつものどおりのパターンで上るメンバーが先行して走り出した。

 少し時間差を置いてから、タイムトライアルのスタート地点である「橘橋」交差点へ7名のメンバーは向かった。

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 「橘橋」交差点の手前で一旦止まってから、1名づつスタートすることとなった。インターバルは1分。まず最初のメンバーがスタートし、1分の間隔を置いて、2番目のメンバーがスタートする。

 私は5番目にスタートした。前半は軽い上り基調のアップダウンが続く。厳しい上りは無く、平坦部分や下りも入るので、スピードは速くなる。

 しかし、前半であまり無理をすると「数馬」からの厳しい上りで脚がすぐに売り切れてしまう。「心拍数を170〜175ぐらいの範囲内に納めながら走れば、後半も持つはず・・・」そう思いながら、クランクを回した。

 心拍数はじきに170を超えた。フロントギアは平坦部分や下りではアウターに入れ、道が上りに転じるとインナーに切り替えた。

 心拍数は170〜173ぐらいで順調に推移していた。「この負荷であれば、1時間は十分走れるはず・・・」時間は経過し、距離は順調に伸びていった。

 やがて「上川乗」のY字路交差点に達した。幸い、信号は青であった。「赤だったらどうしよう・・・」と心配していたが、ほっと胸をなでおろし、Y字路の右の進路を駆けていった。

 「上川乗」からはしっかりとした上りが断続的に入る。その上りに入ると、脚に結構な疲労感が既に蓄積されていることが改めて分かった。

 「数馬」に達するまでに、何度かの厳しい上りをやり過ごした。サイコンのタイマーを確認すると「数馬」を通過する時点で、ほぼ40分かかっていた。

 「数馬」からはゴールである「都民の森」まではしっかりとした上りが続く。このヒルクライムエアリアを20分以内で走り切らないと、1時間は切れない。

 普段であれば20分あれば充分であるが、今日は既に40分ほど厳しい負荷を脚に与え続けている。当然いつものようなスピードではとても上れない。

 「脚がこれからより厳しくなる負荷に耐え続けられるのか・・・?」そういった不安は心の中に渦巻いていたが、「とにかく、走るしかない・・・」と、心に鞭に入れてクランクを回した。

2016/7/24

3785:タイムトライアル  

 朝の6時に起き出した時には、空気は比較的ひんやりとしていた。空は雲に覆われていたが、明るい灰色である。雨は大丈夫のようであった。

 テレビで天気予報を確認すると、「曇り後晴れで最高気温は30度には達しないでしょう・・・」と伝えていた。

 ここ数日比較的過ごしやすい気温である。今日もそれほど暑くはならないようである。ロードバイクで走るには、コンディションは良いであろう。

 家の外からは、野鳥のさえずりが聞こえてくる。朝の澄んだ空気にその響きは心地良かった。さらに蝉であろうか、「ジ・・・ジ・・・」という、電気ノイズのような響きも混ざり始めた。

 支度を整え、7時に家を出た。先週は法事のためロングライドに参加できなかったので、Kuota Khanに跨るのは2週間ぶりである。

 肌に感じる風はちょうど良く快適である。多摩湖サイクリングロードは木陰が多く、緑豊かなので、爽やかな気分で駆け抜けていける。

 20分ほど走ると集合場所であるバイクルプラザに到着した。今日の目的地は「都民の森」に決まった。往復で120km程の距離を走る定番のコースである。

 ローディーに人気のコースで、今日のこの天気であれば、多くのローディーが走っているであろう。

 隊列を組んで走り始めた。玉川上水に沿って西へ向かう。走り始めるとうっすらと汗ばみはじめる。しかし、今年既に何度か体験している「猛暑ライド」とは程遠い感じで、暑さにはそれほど苦しめられることはなさそうであった。

 しばし、走っていつもの拝島駅そばのコンビニで休憩した。駅舎の脇のフェンスにチームのロードバイクがずらっと並んだ。

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 最近クリートカバーを購入した。TIME純正ではないが、これを嵌めると、クリートの減りが軽減される。

 コンビニ休憩の時などそれを嵌めてから歩く。そのクリートカバーがいつもすんなりと嵌らない。一旦クリートの先端部分に引っ掛けて後方を収めようとするが手の力だけでは嵌らないので、半分嵌った状態で体重をかけて押し込むとようやく嵌る。

 これを嵌めて歩き出す。ゴム製なのでクリートだけの時のように「カツカツ」言わない。柔軟性があって歩きやすい。

 普段、都民森までの上りは「数馬」までは隊列をキープしてゆっくりと上り、「数馬」から都民の森までがバトルエリアになる。

 しかし、今日は趣向を変えて、「橘橋」のT字路交差点から都民の森までの約21kmをタイムトライアルしてみないかという話となった。

 この21kmは前半は上り基調のアップダウンが続き、後半はしっかりとした上りが続く。1時間以内で上り切れば、それなりの脚があると評価されるコースである。

 かなり過酷なタイムトライアルとなることが予想されるので、希望者のみタイムトライアルを行うこととなった。

 Stravaにおいてもこの「橘橋」交差点から都民の森までのセグメントは注目度が高い。私は「参加してみたい・・・」と思った。

2016/7/23

3784:諸行無常  

 昼食休憩を終えて、後半のINコースに向かった。時折雲間から太陽が顔を出したりしていて、雨の心配はなさそうであった

 前半は「42」と私としては素晴らしいスコアで回った。しかし、後半も好調が続くか否かは不明である。続かない可能性の方が高いような気がしていた。

 10番、11番そして12番ホールとボギーが続いた。ショットの精度は、前半のOUTコースよりもかなり落ちてきていた。パー逃しのボギーではなく、いずれもどうにかボギーで納まったという感じのボギーであった。

 13番は519ヤードのロングホール・・・ティーショットはテンプラであった。ボールは高く上がったので距離は全然伸びなかった。

 セカンドショットは思ったよりも右に出てしまい、右にあった木の枝に当たってしまった。枝に当たったボールは真下に落ちた。2回連続でミスが出た。

 「まずい展開・・・これはダボが出るパターン・・・」そう思いながら第三打を放った。ややダフリ気味であったので距離が伸びなかった。

 第4打目はグリーンまで150ヤードも残っていた。これを乗せればボギーで上がれる可能性がある。「どうにかしたい・・・」という思いが筋肉を硬直させたのか、ボールの当りは悪く、距離が全然足らなかった。

 40ヤードほど手前でボールは止まった。結局、このホールは5オン。しかも3パットというオマケまでついてきた。

 「トリプルボギーは痛い・・・実に痛い・・・」少々気落ちした。ダボならパーで取り返せるが、トリは取り返すにはバーディーか連続パーが必要になる。

 「後半は苦しいラウンドになるのか・・・」そう感じながら14番、15番、16番とホールをこなしていった。心配したように大きく崩れることはなかった。15番ではパーも奪った。

 17番は190ヤードの距離のあるショートホール。大きな池があり、緊張を強いるロケーションである。

 池を越えるには、キャリーで160ヤード飛ばさないといけない。だふると池ポチャになる可能性がある。ユーティリティーで打った。

 距離は十分足りたが、グリーンの右側にそれた。グリーンまで30ヤードほどの第2打はどうにかグリーンを捉えた。2パットでどうにかこの難しいホールをボギーで納めた。
 
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 最終ホールは391ヤードのミドル。ここをボギーで上がればトータル「88」。ダボでも「89」。「80台で回れる可能性は80%ほどの確率か・・・」そう思った。

 少々にんまりした。しかし、ゴルフは何が起こるか分からない。ティーショットはやや左へ飛び出した。左のラフで止まった。

 ロングであるので、第2打で200ヤードほど真っ直ぐ飛ばせば、ボギーでは上がれるはず。その勝負の第2打・・・ヘッドアップであろうか、ボールの頭を叩いてしまい、20ヤードほどしか飛ばなかった。

 そして運が悪くボールはバンカーに入った。バンカーからの第3打は思いっきりヘッドが手前に入ってしまい、ボールは申し訳程度移動しただけで、バンカーから出なかった。

 第4打でどうにかバンカーから脱出したがグリーンまで120ヤードほどの距離が残った。ここから第5打・・・ボールはグリーンの手前で止まってしまい、結局6オンとなった。

 ここから2パット・・・まさかのトリプルボギーで今日のゴルフを締めくくることになった。8割がた手にしていた80台のスコアはするすると両手の指の間からすり抜けていった。

 「ゴルフはそんなに甘いもんじゃないよ・・・」そうゴルフの神様が告げたようであった。6月の上旬にラウンドして以来一度もゴルフクラブを握っていないのだから、当然と言えば当然の結果である。

 「それにしても、最後の最後でトリとは・・・油断大敵・・・奢れるもの久しからず・・・栄枯盛衰・・・諸行無常の響きあり・・・」ブツブツと心の中で意味不明のことを呟きながらローッカールームへ向かった。足取りは重かった。

2016/7/22

3783:ラッキー・バーディー  

 朝の6時に車に乗り込んだ時には、雨はしっかりと降っていた。気温は低かった。長袖のゴルフウェアに身を包んでいても、少し肌寒く感じた。20度ぐらいの気温であろう。

 これから山梨方面へ向かう。「向こうはどうかな・・・?雨が止んでくれていればいいけど・・・」そう願いながら、エンジンボタンを押した。

 八王子インターから中央道に乗った。西へ向かって走った。最初のうちは順調であったが、相模湖インター手前あたりから渋滞し始めた。

 事故渋滞であった。しばし渋滞区間をのろのろと走った。事故現場には事故を起こした車が1車線を塞いでいた。単独事故のようであった。白いセダンは相当損傷していた。居眠り運転であろうか・・・

 渋滞区間を抜けると、また道は空いた。その後は順調に走って、長坂インターまで辿り着いた。ここで中央道を降りた。

 長坂インターから8km程で「北の杜カントリー倶楽部」に着いた。雨は止んでいた。「良かった・・・止んだ・・・」山の向こう側は雲がしっかりと覆っていたが、雨が降る心配は当面ないようであった。

 随分と久し振りのゴルフである。6月の上旬以来である。その間一度もグラブを握っていない。スコアは期待できないが、久しぶりにゴルフ場に来ると、その風景に心が穏やかになる。

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 朝一のティーショットはバッチリと決まった。きっと明後日の方向に飛んでいくとだろうと緊張していたが、すっと肩の力が抜けた。

 OUTホール、1番ボギー、2番ダブルボギー、3番ボギーであった。「まあ、こんなものかな・・・」ショットの出来は思ったほどには悪くなかった。

 続く4番はショートホール。池越えのショートである。距離は147ヤード。池を超えるには120ヤード以上飛べば問題はない。必要以上に池を意識すると筋肉が硬くなり結果は悪くなる。

 8番アイアンを出来るだけ力を抜いて降った。やや当りが薄かったがグリーンの手前に乗った。そこからピンまでは7メートルほど。ここから2パットでいけばパーである。

 その長いバーディーパットはするすると転がった。ラインはしっかりと出ていた。そして、そのままカップインした。「ラッキー・バーディー」である。ゴルフってこんなこともあるのでやめられない。

 このバーディーで勢いがついた。その後も三つのパーを取るという私としては信じられないような展開を見せて、前半のOUTコースを終えた。

 スコアは「42」。こんな数字をスコアカードに書くのことは滅多にない。昼食休憩時にカツカレーを食べながら、「後半のINコースを47以下で回れば、80台か・・・」と採らぬ狸のなんとかをしていた。

 クラブハウスの出口から見える風景は雲が相変わらず多かった。しかし、雨の心配はないようであった。風も穏やかで、コンディションは悪くない。

 後半も前半同様調子良く回れるか・・・それとも別人のようになって肩を落とすことになるのか・・・それはどちらもあり得ることである。どちらに転ぶかは、フィフティ―・フィフティーといったところであろう。

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