2016/6/18

3749:片面  

 疲労というものは時に体の奥深くまで入り込むのであろうか・・・たった1時間23分42秒の間、富士スバルラインを全力で上っただけであるが、今週1週間は体が思うように動かなかった。

 週に1回、国分寺駅近くのダンス教室で「ジェニファー」から社交ダンスを習っているが、「疲れてますか・・・?上半身特に右肩辺りががちがちですね・・・」と指摘された。

 「実は、この前の日曜日、富士山をロードバイクで上る大会がありまして・・・」と告げると、「そうですか・・・そんなハードなことをされたのですか・・・」と少々呆れていた。

 ジムに行っても「この状態で追い込んだら、疲労に疲労を重ねるだけだな・・・」と思い、少々軽めのメニューに変更した。

 それでも、なんだか脚が重い感じがした。汗はいつもどおり大量に流れる。軽めのメニューであっても、終わると体がふわふわとして芯がない感じがした。

 Marantz #2と#7が戻って来た我が家のリスニングルームでは、以前のように定期的にアナログレコードの音が響くようになった。

 しかし、その音楽が奏でられる時間は20〜30分ぐらいである。レコードのA面かB面、どちらかの片面の演奏が終わるまでの時間に限られる。

 定期的なトレーニングをしていると、長時間のリスニングは無理である。もう片面も聴き通そうとすると、途中で意識が飛んでしまう。

 「家庭教師のトライ」のCMで出てくる「おじいさん」のように、ふうっと「あっちの世界」に旅立ちそうになってしまうのである。

 なので、「こっちの世界」でしっかりと踏ん張れる20〜30分を限度に、レコードを聴くようにしている。

 Marantzは戻ってきた当初よりも、少し馴染みはじめた感じであろうか・・・やはりTannoy GRFのモニターシルバーとの相性は良いようである。

 ただし、リスニング時間はとても限られているので、システム全体が馴染んでいくテンポは実にゆっくりである。

 リスニングルームで2時間も3時間も聴き込むといったことは、今後も皆無であろう。1回あたりの時間は短く、頻度のみを上げて、熟成を待つしかないようである。

 そんなお疲れモードの土曜日の夜、レコード片面のみのレコード演奏会に置いて、ORACLE DELPHIのターンテーブルに乗ったのは、ベートーベン ヴァイオリン・ソナタ第4番である。

 ヴァイオリンはカール・ズスケで、伴奏はワルター・オルベルツ 。1968年の録音である。ベートーベンのヴァオリオン・ソナタは第5番「春」と第9番「クロイツェル」が有名であり、この第4番はその傑作の陰に隠れがちであるが、実に良い作品である。

 三つの楽章を聴き終えると、規定の20〜30分という時間は経過した。「まだ、大丈夫かも・・・」という気もするが、意識には忍び寄る白内障の影のようなものが感じられた。この「影」はすっと広がる。

 電源を切った。Marantz #2の真空管群はそのほのかなオレンジ色を闇に溶かしていった。それにしても美しいオーディオ機器たちである。

 並列に設置された三つの黒いラックに整然と置かれたORACLE DELPHI、Marantz #7、Marantz #2はとても穏やかな表情をしているように感じられた。

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