2016/6/12
3743:紙片
朝の4時に一斉にスマホのアラームが鳴った。6人部屋であったので6台のスマホが一斉に鳴ったことになる。
その賑々しさに、同じ部屋の6名のメンバーは目を覚まさざるをえなかった。メンバーは手早く布団をたたみ、昨日近くのスーパーで買っておいた朝食を胃袋の中に収めた。
その後、トイレを済ませ、歯を磨き、顔を洗い、髭を剃った。サイクルウェアに着替えて、車からロードバイクを降ろしてセットアップした。これで準備が整った。
宿の駐車場から見える富士山はその姿をくっきりと見せてくれていた。天気予報は曇りであったが、当日の天気は晴天であった。

「晴れましたね・・・」メンバーの表情も幾分晴れやかであった。もう少し時間が経過すると、厳しいヒルクライムレースが控えている。晴れやかさのなかにも、やはり緊張感の漂うレース前の独特の雰囲気が漂っていた。
防寒着や補給食の入ったリュックを背負ってスタート会場へ向けて走り出した。8,000名以上の参加者がある大会であるので道はとても混んでいた。
スタート会場に着いてリュックを預けた。スタート時間まで1時間以上あったので、アップを入念に行った。
その後、第7グループの待機場所で「その時」をじっと待った。スタートは第1グループから始まった。賑やかなアナウンスと号砲によって、選手は次々に走り始めていく。
いよいよ私たちのグループのスタートの番となった。カウントダウンの後、ゆっくりとスタートした。Mt.富士ヒルクライムの場合、助走エリアが1kmほどある。その区間はゆっくりと走る。やがて、計測ラインが見えてくる。そのラインを越えると24kmの上りが始まる。
そのラインを越えてから加速し始めた。「最初は抑える・・・」と肝に銘じていたので、入りの1kmはしっかりと抑えた。
その後は徐々にペースを上げていった。それに伴って心拍数もその数字を積み上げていった。同じ第7グループにはチームメンバーが3名いた。
そのうちの1名がすぐ前方にいたので、そのチームジャージが常に視線の前方にあるように、その後を付いていった。当初はぴったりとついていっていたが、5kmほど走る頃にはその背中は50mほど先に移動していた。
計測開始後5kmを上るのに要した時間は17分10秒ほどであった。私としては、まずまず良いペースで走れた。
Kuota Khanのトップチューブには小さな紙が貼ってあった。そこには1時間25分で走るための5kmごとの目標タイムが小さな文字で書かれていた。
5km、10km、15kmそして20kmの目標タイムが記入された小さな紙片は私にとっては道しるべのようなもの。5km走るごとにサイコンのタイムとその目標タイムとを見比べることにしていた。
5km通過した時点でのタイムは目標タイムを若干上回っていた。「よし・・・この調子でいこう・・・」そう心で思いながら、クランクを回し続けていた。
呼吸はすでに余裕のない吸排気をいつものように繰り返していた。心拍数は175ほどで推移していた。
その賑々しさに、同じ部屋の6名のメンバーは目を覚まさざるをえなかった。メンバーは手早く布団をたたみ、昨日近くのスーパーで買っておいた朝食を胃袋の中に収めた。
その後、トイレを済ませ、歯を磨き、顔を洗い、髭を剃った。サイクルウェアに着替えて、車からロードバイクを降ろしてセットアップした。これで準備が整った。
宿の駐車場から見える富士山はその姿をくっきりと見せてくれていた。天気予報は曇りであったが、当日の天気は晴天であった。

「晴れましたね・・・」メンバーの表情も幾分晴れやかであった。もう少し時間が経過すると、厳しいヒルクライムレースが控えている。晴れやかさのなかにも、やはり緊張感の漂うレース前の独特の雰囲気が漂っていた。
防寒着や補給食の入ったリュックを背負ってスタート会場へ向けて走り出した。8,000名以上の参加者がある大会であるので道はとても混んでいた。
スタート会場に着いてリュックを預けた。スタート時間まで1時間以上あったので、アップを入念に行った。
その後、第7グループの待機場所で「その時」をじっと待った。スタートは第1グループから始まった。賑やかなアナウンスと号砲によって、選手は次々に走り始めていく。
いよいよ私たちのグループのスタートの番となった。カウントダウンの後、ゆっくりとスタートした。Mt.富士ヒルクライムの場合、助走エリアが1kmほどある。その区間はゆっくりと走る。やがて、計測ラインが見えてくる。そのラインを越えると24kmの上りが始まる。
そのラインを越えてから加速し始めた。「最初は抑える・・・」と肝に銘じていたので、入りの1kmはしっかりと抑えた。
その後は徐々にペースを上げていった。それに伴って心拍数もその数字を積み上げていった。同じ第7グループにはチームメンバーが3名いた。
そのうちの1名がすぐ前方にいたので、そのチームジャージが常に視線の前方にあるように、その後を付いていった。当初はぴったりとついていっていたが、5kmほど走る頃にはその背中は50mほど先に移動していた。
計測開始後5kmを上るのに要した時間は17分10秒ほどであった。私としては、まずまず良いペースで走れた。
Kuota Khanのトップチューブには小さな紙が貼ってあった。そこには1時間25分で走るための5kmごとの目標タイムが小さな文字で書かれていた。
5km、10km、15kmそして20kmの目標タイムが記入された小さな紙片は私にとっては道しるべのようなもの。5km走るごとにサイコンのタイムとその目標タイムとを見比べることにしていた。
5km通過した時点でのタイムは目標タイムを若干上回っていた。「よし・・・この調子でいこう・・・」そう心で思いながら、クランクを回し続けていた。
呼吸はすでに余裕のない吸排気をいつものように繰り返していた。心拍数は175ほどで推移していた。