2016/6/4

3735:ラインナップ  

 ORACLE DELPHI Yは、名機として名高いDELPHI Xをベースにしている。いくつかの改良点があるが、最も大きな変更点は低粘性シリコン・オイルを用いたオイルダンプシステムが新たに加わったことである。

 このオイルダンプシステムは、サブシャーシ、プラッター、アーム、カートリッジに伝わる僅かな振動を排除することを目的としているようで、上手く機能するとその効果は高いようである。

 我が家のシステムのなかで唯一新しい機器となるDELPHI Yのターンテーブルにレコードをセットし、SME シリーズXのアームリフターを降ろした。

 ZYXのカートリッジの針先はゆっくりと盤面に着地した。針音がゆっくりと引きずるような音をさせた後、スザーネ・ラウテンバッハーのヴァオリオンの響きがTANNOY GRFから放たれた。

 ラウテンバッハーは、誠実にバッハに向き合い、虚飾を排した解釈で格調高くその音楽を奏でる。

 その演奏は素晴らしい。自然にバッハの音楽を自らの体に一旦取りこみ、自身の呼吸と共にそれを紡ぎ出す。聴く者は肩ひじ張らずにその音楽の中へ入っていける。

 その語り口の美しさは、高山植物のようで、清楚にして高貴という印象を受ける。女流ヴァイオリニストらしい暖かみや慈しみも感じさせてくれるその音色は心地よい。

 ようやくメンバーが揃い、我が家のリスニングルームにも音楽が流れ始めた。今後ゆっくりと微調整を繰り返していくことになるであろう。

 リスタートした第一印象は、「Marantzはやはり高貴な雰囲気がある・・・」といったもの。フルレストアされたMarantzは以前よりも精緻さが増している。

 Marantzの前はTANNOYと同じ英国製のLEAKのアンプを使っていた。LEAKはもっと牧歌的と言うか、英国の田舎の田園風景を思わせる質感であった。

 LEAKはLKEAKで良い雰囲気を有していた。Marantz #7と#2の組み合わせによる音はまた違うベクトルを有している。

 より都会的で、より洗練されている。より皮が鞣されて手触りや座り心地が滑らかである。その皮から発せられる香りをも幾分違う。

 何故かしらBMW製の車の本革シートの香りを感じた。あの香りは他のメーカーにはない香りである。洗練されていて鼻孔に優しい。

 ORACLE DELPHI Y、MARANTZ #7、Marantz #2、そしてTANNOY GRFというラインナップが揃った。それぞれがとても美しい機器である。自然な時間の流れと共にシステムの熟成を進めていき、発せられる有機的で複雑な香りを楽しんでいきたい。



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