2016/4/30

3700:ECHOS DE ROMPON  

 日曜日の夕方から始まった「レコード・コンサート」の締めを飾ったのは、「ECHOS DE ROMPON」と題された一連のレコードの一枚であった。

 この一連のレコードの多くはとある礼拝堂で録音された。その礼拝堂は、フランスのアルデッシュ県の寒村、ロンポンにある。

 1965年、ピアニスト ジャンヌ・ボヴェは、村のはずれにある廃屋同然の礼拝堂を3,000フランで買い取った。

 その後彼女はその礼拝堂で慈善演奏会を開き続け、その寄付金によりこの礼拝堂を復興させた。年々、その慈善演奏会には彼女以外にも多彩な演奏家が顔を揃えるようになり、この礼拝堂は有名となった。

 彼女はロンポンに住みながら、一年に一枚のペースでレコードを作成した。その録音場所はロンポン礼拝堂が多い。そのレコードの収益金は礼拝堂の維持管理に充てられた。

 演奏者は、彼女だけでなく、慈善演奏会に参加した他のメンバーの場合もある。彼女が所有していた3台のピアノ(ベーゼンドルファー、スタインウェイ、シュミット=フロール)が、おのおの使用されている。

 「ECHOS DE ROMPON」と題されたその一連のレコードは、ディープなレコードマニアの間ではとても大切にされている。

 ROKSAN XERXES ]のターンテーブルに乗せられたのは、ジャンヌ・ボヴェが演奏し、ロンポン礼拝堂で録音されたもの。

 その片面に納められたバッハ「シャコンヌ第1番」が奏でられた。礼拝堂の写真がジャケットに写っている。

 その建物は、素朴で飾り気はないが、心にすっと染み入るような造形をしている。決して声高に主張されることのない、地中深く静かに根を張る信仰心がそのまま形になって現れたかのような佇まいである。そして、ボヴェというピアニストが奏でるバッハは、その礼拝堂の写真と見事にリンクする。

 このレコードが制作された経緯には、こちらの心を魅了するものがある。その経緯を心の片隅にそっと溶け込ませながら、ボヴェの弾くピアノに耳を澄ませる。

 清浄な音の流れである。ロンポン礼拝堂の空気はきっとこうだったのでは思えるような清澄な空気感に全身が満たされていく。

 誰かに聴かせるというよりは、純粋な祈りに似たようなピアノの音は、質素で素朴な礼拝堂の中の隅々にまで響き渡り、レコードを通してその音の響きを聴く者の心に「こだま」のように残響する。

 この「ロンポンのこだま」と題されたシリーズ・・・聴くのはこのレコードが始めてである。メジャーレーベルで数多く作られたレコードではないので、中古市場では高価な価格で取引されているようである。シリーズ全てではなくても、数枚であれば、私もコレクションしたいと思った。

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2016/4/29

3699:レコード  

 レコードはエリック・サティのピアノ曲を収録したものであった。サティはフランス近代音楽において独自の位置を占める作曲家である。
 
 生涯反アカデミズム、反ロマン主義的立場を一貫して取り続け、ユニークな作品も多い。それゆえか、生前は広く認められることはなく不遇であった。

 エリック・サティの「ジムノペディ 第1番」のゆったりとして、どことなく哀愁を帯びた旋律がTANNOY GRFから流れだした。

 TANNOY GRFはコーナー型のキャビネットを有する。この部屋はTANNOY GRFを使用することを前提に設計された。両コーナにはちょうど良い間隔を持ってスピーカーがセッティングされている。

 この曲は心を穏やかな方向へ沈静化させる効能が高い。ややぬるめで白濁した温泉に肩まで浸かっている時のような、沈静効果を私の心にもたらす。

 ロードバイクでの高速走行で疲れた体は、その疲労を徐々に回復し、心からはこびりついた様々な不要な残滓が溶け出していくような感覚に捉われた。

 この曲は心理療法でも使われることがあるという。そのことがすっかりと納得されるような体験である。

 ジャック・フェヴリエの演奏は無駄な装飾がない。この曲に深くそして自然に寄り添い、一音一音を大切に紡ぎ出している。

 淡泊な演奏と評する向きもあるとは思うが、ピアニストというフィルターを除いた自然なサティの横顔が垣間見えるような気がする。

 レコードの片面をレコード針がトレースし終わると、レコードは次なるものに変えられた。それは、ディヌ・リパッティの演奏によるショパンのピアノ曲を収めたものであった。

 ディヌ・リパッティは1917年ルーマニアに生まれ、1950年にわずか33歳でこの世を去った。「天才は夭折するもの・・・」であるが、彼は典型的な天才型。

 リパッティのピアノの音色は、清潔で繊細な詩情に覆われている。天才の演奏は、孤高のセンスとテクニックによって、ショパンの音楽の持つ詩情を、適切に過不足なく伝えてくれる。

 リパッティは、不治の病と闘いながら、レコーディングに取り組んでいたと言われている。初期のモノラル録音であるので、コンディションの良いレコードは比較的少ないが、その演奏からは、命を削りながらの渾身の演奏の様がひしひしと伝わってくる。

 そこには避けがたい死を目前にして、それを運命として受けいれた人間の精神的な穏やかさや強さ、あるいは何かを見通したかのような透明な視線を感じる。

 苦悩に顔を歪めることはなく、純粋に芸術としての音楽の精神性の高みを極めようとするリバティの強さをも感じる。

 TANNOY GRFからは、音楽が持つ「気」のエネルギーが霧のようになって吹きだされる。それを体に受けると、心身ともにリフレッシュされる。

 レコード、とりわけオリジナル盤にはそういった「気」が濃厚に記録されている。その「気」を、Aさんのシステムは上手に拾い上げるようである。

2016/4/28

3698:兎棒  

 シャワーを手早く浴びた。汗を流し去り、さっぱりとしたところで、車に乗り込んだ。髪の毛はまだ濡れていた。

 杉並区のAさんのお宅までは車でちょうど1時間の道程である。着く頃には髪も乾くであろう。Mercedes-Benz E350のシートは硬くがしっと体を支える。ロードバイクでのロングライドで疲れた体には頼もしく感じられる。

 青梅街道は比較的スムースに流れていた。予定通りジャスト1時間で到着した。御宅の前の私道に車を停める。

 月に1回の訪問であるので、今年に入ってから4度目の「レコード探訪」となる。Aさんのお宅にはイギリスやフランスからとてもコンディションの良い貴重なレコードが定期的に届けられる。

 それら選りすぐりのレコードたちの中から最近のお気に入りが、ROKSAN XERXES ]のターンテーブルに乗せられる。

 月に1回定期的に開催されるレコードコンサート・・・Aさんのリスニングルームは半地下になっていて、玄関を入ってすぐ左の階段を降りていく。

 リスニングルームの広さは15畳ほどであろうか、オーディオ機器が整然とセッティングされていて、床にはレコード棚に納まりきらなくなったレコードが並べられている。

 リスニングポイントには、有名なコルビジェのLC2ソファーが置かれている。黒の上質な皮は年月を経て、良い具合に体に馴染む。座るとゆったりと沈み込み、体を優しく包むようである。

 Aさんのオーディオ機器に関しては機種変更というものは、ここ数年はまったくなく、落ち着いている。

 最近の変更点といえば、TANNOY GRFのすぐ前にGe3の「兎棒」が設置されたことであろう。以前Ge3のエンジェルファーをスピーカーのユニットの前に吊り下げるようにすると、スピーカーの音が柔らかくより自然になるという情報があり、我が家でも実験をしたことがあった。

 確かにその効果のほどは確かめられた。ただし視覚的には馴染めないものがあり、聴覚と視覚の狭間で、「桶狭間の戦い」が繰り広げられた。

 「兎棒」はそれを発展させて製品化されたものである。長さが30cmほどある。その名のとおり縦長の棒状のものである。
 
 それをスピーカーユニットの手前に吊り下げるように設置する。その見た目的なインパクト度合いは、相当な高得点である。

 聴覚における効果はエンジェルファーに比べて高そうである。より自然なバランスで音が響く印象を受ける。

 視覚におけるインパクトも高い。「見慣れてしまえば、気にならなくなる・・・」とAさんは言う。音楽を聴くときは目をつむることが多い私の場合、レコードがかかっている間は視界から消える。レコードの片面が終わり、目を開くとその白い物体は網膜に飛び込んでくる。まだ見慣れていないので、多少の違和感があるのは事実である。

 この日、最初にXERXES ]のターンテーブルに乗ったのは、ジャック・フェヴリエであった。1900年生まれのフランスのピアニストである。1979年に没している。

2016/4/27

3697:帰路  

 時坂峠の頂上でしばしのまったり時間を過ごしたのち、下り始めた。路面が濡れているので、慎重に下った。

 下りでも邪魔なのが排水路の金属製の蓋である。タイヤが直角に入ればいいのであるが、斜め方向で進入すると、タイヤが滑ってひやっとする。

 時坂峠を下り終え、いつもなら必ず立ち寄って「うの花ドーナッツ」を頬張る「ちとせ屋」をパスして、檜原街道を走った。

 帰路は緩やかな下り基調の道である。ペースはずんずんと上がり「急行」から「特急」列車に切り変わったような感じで走っていった。

 今日は全般にハイペース走行であったし、時坂峠でもそれぞれ自身が出せる限界ペースで上った。体には疲労感がずしっと堆積しているはずであるが、脳内に沁み出てくるアドレナリンの効用か、気分は「イケイケ状態」であった。

 なので、順次先頭交代しても誰もペースを落とそうとはしなかった。私も先頭に立つとさらに戦闘モードのレベルが上がり、ガシガシとクランクを回し続けた。

 サイコンに表示されるスピードが40km/hを超えると、何故かしら笑顔になる。心拍数はヒルクライム時のそれに近い数字を示し始める。

 「このまま、走り続けたい・・・40km/hのスピードで軽いアップダウンを走っていたい・・・」

 しかし、公道には信号がある。赤信号で高速走行は途切れてしまう。赤信号で止まって後ろを振り返り、メンバーを見る。皆疲れた様相である。

 それでも列車はスピードを緩めることはなかった。武蔵五日市駅前を右折して睦橋通りを走っていった。

 往路でもトイレ休憩をした拝島駅そばのファミリーマートで小休止した。時間の関係でおにぎりを一つのみ頬張り、最後の行程へ向かった。

 「今日は走れて良かった・・・」つくづくそう思えた。Mt.富士ヒルクライムまでそれほど時間があるわけではないこの時期・・・時間も距離も短かったが、その負荷強度はかなり高いロングライドとなった。

 自宅に帰りつき、シャワーを浴びる前にKuota Khanの掃除をすることにした。路面が濡れているとロードバイクはひどく汚れる。

 まずは濡れた布で泥汚れを落とし、続いて乾いた布で拭く。さらにワックスをスプレーした布で仕上げて終わり。

 汚れていたKuota Khanはその本来の艶やかな姿を回復した。私も汗で薄汚れていた。シャワールームで暖かいシャワーを浴びることにした。

2016/4/26

3696:時坂峠  

 時坂峠を上り始めた。上り口までいつもよりも随分と速いペースで走ってきたので脚には疲労成分がたまってはいたが、「ヒルクライムは別腹だから・・・」という感じで、序盤からペースはいつもよりも速かった。

 私はGARMIN 520Jに表示される「心拍数」、「3秒間平均パワー」、「ラップパワー」を視線の端に常に捕らえつつ、クランクを回し続けた。

 時坂峠は変化に富んでいる。序盤の斜度はそれほどきつくない。しかし、この序盤でペースを上げ過ぎてしまうと、中盤の斜度が厳しくなるポイントでスローダウンしてしまう。

 序盤は上げ過ぎず緩み過ぎずといった感じのバランス感覚で上っていった。心拍数はやがて170を超えた。170台前半の数値を確認して175を超えないような負荷で走った。

 Stravaでの区間ランキング躍進を狙う上級者2名はやがてペースを上げて前に出て行く。私ともう一人のメンバーは、自分のペースを堅持しながら序盤をこなし、斜度が厳しくなる中盤へ差し掛かった。

 何度かヘアピンカーブを曲がりながら高度を稼いでいく。ダンシングも時折取り入れて、中盤を過ぎていくと、GARMIN 520Jのラップパワーは250Wほどの数字を示し始める。

 路面がウェットであるときのヒルクライム時に嫌なのが、道路を横切っている排水溝の蓋(幅30p位で金属製の格子状のもの)である。

 これが濡れていると、タイヤがするっと滑ってグリップを失うことがある。その上を通る時にはダンシングでトルクをかけてはいけない。さらっとやり過ごす必要がある。

 一度和田峠で濡れた排水溝の蓋の上で2度タイヤが空転して立ちごけしたことがある。それ以来注意するようになった。

 時坂峠は後半に入ると風景がさっと開ける場所がある。山の斜面には杉が伐採されたエリアが広がっていた。そこには小さな苗木が等間隔に植えられている。これらの苗木が大きくなり、収穫の時期を迎えるまでには数十年という年月の流れが必要なのであろう。

 終盤は斜度が緩む。ここからペースを上げていきたいところであるが、脚の余力はそれほど残っているわけではない。

 ラップパワーが250Wを下回らないように3秒平均パワーを注視しながらクランクを緩めることなく回し続けた。

 前を行く2名の姿は視界から既になく、後方のメンバーの走行音も私の耳には届かなかった。「250W・・・250W・・・」とブツブツと心の中でしぶとく呟きながら時坂峠の終盤を上り続けた。

 峠の茶屋まで500mほどのところに道が分岐するポイントがある。ここは平らになっていて、チームで上るときは一旦ここをゴールポイントとすることが多い。

 しかし、Stravaの区間設定はゴールが峠の茶屋に設定されているので、今日はまだ500mほど本気モードで走った。

 一旦平坦になってまた上がり、また平坦になって最後に上がる道を「250W走行」で駆けていった。ようやく峠の茶屋に到着した。すぐさまラップパワーを確認した。「253W」であった。
 
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 峠の茶屋の前には見晴らしのいい展望台のような場所があり、Kuota Khanを立てかけて、霞がちに見える山を遠くに眺めた。

2016/4/25

3695:高速走行  

 今日は、いつもよりも3時間ほどスタートが遅い。「時坂峠」までの往復コースは距離が短めとはいえ80kmほどある。

 リーダーは午後3時前にはバイクルプラザに戻らないといけない。(第三日曜日以外の日曜日はバイクルプラザは午後3時からの営業である。)ということは時間的には4時間ほどで走り切る必要がある。

 ペースは自然と上がっていった。4両編成という軽い編成だったこともあり、また上りは時坂峠一つのみということもあり、更に雨で散々スタートを待たされたということも微妙に影響してか、一旦上がったペースはなかなか落ち着くことはなかった。

 玉川上水に沿った道を延々と西へ向かっていった。拝島駅のそばのファミリーマートでトイレ休憩を済ませ補給食を摂った。

 いつもよりも短めの休憩時間の間に、補給食として胃袋の中に納めたのは、「チーズを味わう4種のチーズまん」とミックスサンドイッチ。

 「チーズを味わう4種のチーズまん」は、カマンベール、ゴーダ、チェダー、パルメジャーノレッジャーノの4種類のチーズを使用している。

 ファミリーマートに寄るとかなりの確率で補給食として選ぶ。マイブームと言えるだろう。チーズ本来の味わいを楽しめ、クリーミーでなめらかな口当たりが頬を緩ませる。

 拝島駅近くのファミリーマートを後にして、国道16号の下を潜る連絡通路を抜けて睦橋通りを走った。

 睦橋通りに入ってペースはさらに上がった。普段であれば心拍数は120前後で走り続けるが、150ほどまであがり、「急行」列車は風を切った。

 武蔵五日市駅まで達して左へ折れる。ここからは檜原街道。軽い上り基調の道が続く。ペースは全く落ちない。

 「一旦上がったトレインのペースはなかなか落ちない・・・」というロードバイクあるあるは、今日も健在であった。

 そんな感じであったので、「アレ・・・もう着いたの・・・」と感じるほど早く時坂峠の上り口に到着した。

 時坂峠の上り口は静かであった。路面はウェット。駐車場には数台の車が停まっていた。ここで車を停めると、近くにある払沢の滝などをめぐるハイキングを楽しめる。

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 時坂峠の上りは3.5kmほど。距離はそれほど長くないが、斜度はしっかりとしていて上り応えはある。

 今日は上り口を出て、峠の茶屋がある頂上まで上る。前半は山の中の峠道であるが、後半には風景がぱっと広がるエリアが待っている。もちろん必死に上っている時はその広々とした風景を楽しむ心の余裕はない。

 「では、上りますか・・・」

 左足のクリートをTIMEのペダルに嵌めこんで、走り始めた。GARMIN 520Jのラップボタンを左手の親指で押した。「ピッ・・・!」と小さな作動音が聞こえた。

2016/4/24

3694:雨  

 朝早くに目が覚めた。目覚まし時計を確認すると5時45分であった。「まだ少し早いかな・・・」と思った。そして、次の瞬間窓の向こうから雨が降っているような音がかすかに漏れ聞こえてくるのに気が付いた。

 「あれ、雨・・・?」と少々不意を突かれた。昨日の天気予報では確か一日曇りのとのことであった。「走れそうだ・・・」と安心していたのであるが・・・

 ベッドからはい出して窓の外を眺めた。それなりにしっかりと降っていた。「今日は中止か・・・」と気持ちは沈んだ。

 チームでのロングライドに関してはTwitterで情報が伝えられる。6時を過ぎてから念のためにTwitterを確認した。

 「本日のロング、通常通り行います。現在ポツポツ雨が降っていますが、もうしばらくで止むようです。止まない場合でも、時間を遅らせてスタートしますのでよろしくお願いします。」

 との表示が・・・「走るんだ・・・!」と少し嬉しくなった。起き出してサイクルウェアに着替えた。

 集合時間は7時半である。その場合7時に家を出る。再度Twitterを確認すると「スタート時間を30分遅らせます。」との伝達があった。

 「じゃあ・・・7時半に出ればいいか・・・」とすっかりと支度を整えてテレビをのんびりと観ていた。時折、窓を開けて外の様子を確認した。雨はなかなか止まなかった。

 雨対策としてレインウェアとレインキャップを準備した。7時半になったのでKuota Khanに跨った。雨は依然降り続いていた。

 いつものコースを通った。雨の中、多摩湖サイクリングロードではジョギングしている人を時折見かけた。ロードバイクはさすがに見かけなかった。

 路面は相当濡れていた。Kuota Khanはあっという間に汚れていく。雨の日のライドはロードバイクが汚れる。走り終わった後は力を入れて掃除する必要がある。

 バイクルプラザに到着した。しかし人影は全くない。店の自動ドアはボタンを押しても作動しなかった。

 「あれっ・・・もしかして中止になったのか・・・?」

 サイクルウェアの背面ポケットからスマホを取り出しTwitterを確認すると「なかなか止まないのでスタート時間保留にします。」との伝達が入っていた。

 「しまった・・・」と思ったが、雨の中家に戻るのも切ない。店の前でしばし待っていると、気付いたリーダーが出てきてくれた。

 店の中に入り、しばし談笑タイムを過ごした。「9時過ぎには止むかな・・・」と思ったが、9時を過ぎてもまだ止まない。結局10時半までスタートを遅らせた。

 その間、2名のメンバーもバイクルプラザに到着し、今日のロングライドは4名で走ることになった。

 Di2の充電問題に関しては、様々な情報を確認すると、ワイヤレスユニットを使用するとバッテリーの消耗がかなり早くなるということが分かった。

 リーダーの甥が同じくDi2のワイヤレスユニットを使用していて、1ケ月に1回ほどは必ず充電しているとのことであった。

 ワイヤレスユニットを外すとバッテリーのもちは良くなり、週に1回程度のライドであれば3ケ月以上充電しなくても大丈夫なようである。

 せっかくオプションのワイヤレスユニットを購入したので、1ケ月に1回は忘れずに充電してワイヤレスユニットを使っていこうと思っている。

 スタート時間がいつもよりも3時間遅れたので、今日の目的地は比較的距離の短い「時坂峠」に決まった。

 雨はほぼ止んだが、路面は完全なウェット状態。ロードバイクのタイヤは水を跳ね上げる。前を走るメンバーのすぐ後ろに着くと前から水滴が飛んでくるので、右か左に少しずれて走った。

 路面コンディションは良いとは言えないが、走れること自体が妙に嬉しかった。もしも、走れずに家にいたら、気持ちはくすんでいたであろう。

2016/4/23

3693:ワイヤレスユニット  

 先日のロングライド時のDi2バッテリー残量の減り方はちょっと異常であった。スタート時に40%であったDi2のバッテリー残量が、100km程走った段階で5%まで低下したのである。こんな急速な減り方であれば、実用上かなり不安である。

 ロングライドの終盤、「もしかしたらワイヤレスユニットが悪さしているのかも・・・」ということになり、ワイヤレスユニットをスルーするように配線を変更した。

 すると、充電量が5%になっても最後までDi2は作動し続けた。「やっぱり、ワイヤレスユニットのせいか・・・」と半分納得しながら、自宅に帰りつき、バイクラックにKuota Khanを掛けた。

 そして、「とりあえず充電・・・充電・・・」という感じでDi2に専用の充電器を接続して充電を開始した。

 100%充電が完了してから、約1週間が経過した。ワイヤレスユニットは全く作動していない状態である。

 今日になってから配線を元に戻しワイヤレスユニットが作動する状態にしてみた。そして、GARMIN 520Jの電源をオンにした。Di2の充電残量を確認できる画面を表示すると、そこにはちょっと誇らしげに「100%」と出ていた。

 「だよな・・・」と少し納得した。バッテリーが自然に減っているわけではないようである「やっぱり、ワイヤレスユニットか・・・」と疑惑のまなざしで小さなワイレスユニットを見つめた。

 見た目的にはワイヤレスユニットは、そういった悪さをするような風貌ではなかった。いたって生真面目な印象を受ける小さな部品である。

 GARMIN 520Jの電源をOFFにした。ワイレスユニットを作動させる配線にしたまま、明日の朝になってから、再度GARMIN 520JでDi2充電量を確認してみよう。

 充電量が100%を下回っているようであれば、ワイレスユニットがDi2のバッテリーから電気を絞り取っていることになる。

 もしも、ワイヤレスユニットを作動させると充電量がノーマルの状態よりも相当早く減ってしまうとことが判明した場合、どう対処するか・・・?

 毎回100%充電を心がけてワイヤレスユニットを使い続けるか・・・ワイヤレスユニットを放棄して、Di2の充電に関する心配を取り除くか・・・どちらかを選択する必要に迫られるかもしれない。

2016/4/22

3692:トリプルボギー  

 16番ホールは、右ドッグレッグの395ヤードのミドルホール。キャディーさんは「ティーショットは無理をせずに、正面に見えるバンカーの右狙いが安全です。」と話した。

 そう言われれてバンカー方向にアドレスしたつもりであったが、ボールは無情にもバンカー方向よりもはるかに右に出た。右ドッグレッグで右にボールが出てしまうと、2打目は全くグリーンを狙えない。

 しかたなく、一旦左方向へ短く出した。ピンまで150ヤードほど残った第3打はやや短く、ガードバンカーに捕まった。

 バンカーショットはいつも緊張する。ダイレクトにボールに当たってホームランになるのも嫌だし、手前に入りすぎて脱出できないのも嫌なものである。上手くいくと、ボールがふわっと上がって気持ちが良いが、その確率はそう高くはない。

 サンドウェッジを開いて構えて振り下ろした。手前に入りすぎた。ボールはわずかしか飛ばずにバンカーの淵に当り、またころころとバンカーに戻ってきた。

 ずっしりと気持ちが重くなった。結局このホールをトリプルボギーにしてしまった。嫌な流れである。

 こういう展開の場合17番、18番もスコアを崩すケースが多い。「45」以下であがれるかと思ったら、結局いつものようなスコアになったというオチになる場合が多いのである。

 しかし、今日はいつもの展開とは違った。続く17番のショートホールでは珍しくワンオンした。ここからツーパットで難なくパーを奪った。

 さらに続く18番のロングホールも3打目が見事にパーオンした。ここもツーパットでパーを奪った。

 結局前半のINコースは「43」で回れた。16番のトリプルボギーでガタガタと崩れなかったのは珍しい。

 INコースはパーが五つ。これは普段ではあり得ない数字である。普段はハーフで一つか二つしかパーがとれない。

 この怪現象は昼食休憩後のOUTコースでも続いた。OUTコースでもパーが四つ出たのである。ダブルボギーが二つで、ボギーが三つ。後半もスコアは「43」。

 今日は全18ホール中パーは半分の九つ。こんなことは近年の私のゴルフでは経験のない現象である。

 「86」というスコアはきっと今年における私のベストスコアとなるであろう。昨年のベストスコアは「89」であった。

 帰りの車ではいささか気分が良かった。「ゴルフ、また練習でも始めてみるかな・・・」そんなことを思った。

 一頃はゴルフ練習場に定期的に通っていた。そのころは80台のスコアも時々出た。しかし、ロードバイクに熱中し始めてからは、ゴルフ練習場から足が遠のきやがて全く練習をしなくなった。いつもぶっつけ本番でゴルフするのでスコアは当然悪い。

 今回はたまたま良いスコアが出た。OBが一つも出なかったのも良いスコアが出た要因であろう。いつもはOBが2,3発は出る。それがスコアを崩す大きな原因となるのであるが、今日は一つも出なかった。

 「まあ、たまいはこういうことがあっても良いよな・・・」

 そんなことを思いながら車のハンドルを握っていた。3Lのディーゼルエンジンは、いつものような乾いたエンジン音を発していた。

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2016/4/21

3691:第3戦  

 ロングライドに出かけた日曜日の翌日月曜日は、日曜日の強風とは対照的な穏やかな天気であった。雲の合間から太陽が顔を出し、その春めいた陽光に新緑の若々しい緑色が輝いていた。

 Mercedes-Benz E350 Stationwagonの荷室には二つのゴルフバッグが詰め込まれていた。今日は顧問先の居酒屋主催のゴルフコンペである。

 その居酒屋の常連客が20名集まってのゴルフコンペであり、私は居酒屋の主人を車に乗せて、Jゴルフ鶴ヶ島へ向かった。

 5組のコンペである。1組目のスタート時間は8時35分。集合時間は8時である。1時間ほど車を走らせると、ゴルフ場の入口に到着した。

 支度を整えてパター練習をしばらくした。スタート時間が来たのでINコースの10番ホールへ向かった。

 キャディさんは「昨日でなくて良かったですね・・・昨日は風がすごくて大変でした・・・」と話した。

 確かに昨日の強風の中ではゴルフにならないであろう。あんな風が吹いていては距離感も方向も大きく狂う。

 スタートホールである10番ホールは356ヤードのミドルホールである。今年になって3回目のゴルフ・・・相変わらず練習は全くしていないぶっつけ本番である。

 なるべく力まないようにしてドライバーを振った。ボールは右方向へ向かった。右は受け斜面となっている。

 その斜面にぶつかってころころとフェアウェイ近くのラフまで落ちて来た。セカンドショットはだふり気味で距離が出なかった。さらに残り30ヤードほどの三打目をトップしてしまいグリーンオーバー。結局4オン2パットのダブルボギー発進となった。

 「まあ、いつもこんなもの・・・」

 と、それほど落ち込まずに次のホールへ進んだ。次の11番は346ヤードのミドル。ティーショットはてんぷら気味に上に上がった。距離は伸びなかったが、フェアウェイにボールがあった。残り160ヤードほどのセカンドショットはグリーンのすぐ手前まで転がった。

 短いアプローチはピンから1メートルほどまで寄った。このパーパットを沈めてパー。これで1番ホールのダブルボギーが帳消しとなった。

 12番、13番はボギー。比較的穏やかなラウンドが続いた。そして、私の場合あまりないことであるが続く14番、15番と連続パーであった。

 ドライバーショットはあまり出気が良くないのであるが、アイアンショットはいつもよりも随分と良かった。ここまでで既に三つのパーを取った。

 INコースは残り3ホールである。それを全てボギーでまとめれば「43」である。ハーフの目標スコアはボギーペースである「45」。

 今年2回のゴルフではまだ一度もハーフ「45」以下で納まったことがない。「もしかしたら、今日はどうにかなるかな・・・」とちょっと期待感をもって16番ホールのティーグランドに立った。

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