2015/9/15

3287:頭のねじ  

 正丸峠での記念撮影を終えて、帰路についた。正丸峠を下って、山伏峠の上り返しにさしかかった時であった。

 メンバーの一人が、道を横切ろうと路面を歩いている「ミヤマクワガタ」を発見した。オスのミヤマクワガタはその頭部の冠状の突起が特徴的である。

 ロードバイクを停めて、ミヤマクワガタを拾い上げた。小学生の頃、クワガタは一種の宝石のような存在であった。今でも野生のクワガタを見かけると、そんなはるか昔のワクワク感がかすかに心を震わせる。

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 ミヤマクワガタを安全な場所に移してリスタートした。山伏峠の上り返しを終えて一気に下っていった。新井不動尊に立ち寄って名水をボトルに詰め込んで、下り基調の県道を走った。

 下り基調なので、スピードがぐんぐんと上がっていった。数キロごとに先頭を順番に変わっていきながら、4両編成の列車は「急行」状態で走った。先頭交代で私が引く番がきた。スピードは37,8km/hになっていた。

 「こういうの嫌いじゃないんだよね・・・むしろ好きと言うべきか・・・では、40km/h縛りで行きますか・・・」

 心の中でそんなことを思って、クランクに伝えるエネルギーをアップした。サイコンのスピードメーターは「40」を表示し始めた。

 下り基調であるが下りばかりではない。緩やかな下りであれば40km/hをキープするのはそれほど大変ではないが、道は平坦になったり、緩やかな上りになったりもする。

 気を抜くとサイコンのスピード表示が「38」になっていたりする。そういうときは歯を食いしばって、ギアを一段上げる。

 列車は「急行」から「特急」になったかのように、走った。少し不安になり時折後ろを振り向いた。一糸乱れず綺麗な形態をトレインは維持していた。

 皆、頭のねじが二つ三つ外れたかのようにクランクを回し続けた。先頭を後退して後ろに下がった。そのままのスピードを維持しながら、山王峠に向かって右折する交差点に到達した。

 信号が青であったので、そのまま勢いよく曲がっていった。道は上昇に転じ、やがて本格的な峠道になる。

 ピタッとくっついていた4台のロードバイクは縦に長くなっていく。上級者2名が速いペースですすっと前に出ていく。

 山王峠の上りは結構しっかりとしている。踏ん張って上っていく。脚にはいつもよりも疲労成分が溜まっていたが、まずまずのペースで上り切ることが出来た。

 山王峠を上り切って、外れかけていた頭のねじがさらに二つほどすっかりと外れて落ちたような気がした。



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