2015/8/26

3267:OTTO  

 「本当に8月であろうか・・・?」と訝しく思うほど涼しい一日であった。思わず長袖を着込んだ。仕事をきっかり5時に切り上げて、とある場所へ向けてVW POLOを走らせた。

 VW POLOは、イグニッションキーを差し込んで右へ回すと、その1.2L直噴エンジンが軽やかに吹き上がる。Mercedes-Benz E350 BLUETECの3.0Lディーゼルエンジンに比べるとはるかに軽やかで静かなエンジン音である。

 45分ほど走って、教えてもらった住所の近くに到達した。東京郊外の住宅地は道が細くなっていた。ようやく目的の家を見つけることが出来た。
 
 「家の前なら駐車していても、大丈夫ですよ・・・」

 とTさんから言われていたので、その家の前にPOLOを停めた。そして、呼び鈴を鳴らした。一度押すと、3度ほどチャイム音が響いた。

 玄関から顔を出されたTさに促されて、家の中へ・・・一方の壁がレコードで埋め尽くされた部屋に案内してもらった。部屋は広く10畳ほどはあったはず。

 部屋の中はレコード特有の匂いで満たされていた。入口から見て左側の壁には作り付けの棚があり、そこにはびっしりと隙間なくレコードが保管されていた。

 レコード棚がある壁の反対側の壁にはオーディオのセットが置かれていた。オーディオ機器は全て日本製で、相当な年代ものである。

 スピーカーはOTTO SX-441/U。プリメインアンプはONKYO A7。レコードプレーヤーはSONY PS-2510。Tさんに説明を受けたが、どれも初めて見る物ばかり・・・

 「オーディオはご覧のとおり、どれも古いものなんです。1970年代のものですから、40年ほど経っていますかね・・・何度か修理をしているんですけど、どれもしっかりと働いています・・・」

 と、Tさんは微笑んでいた。

 OTTO SX-441/Uは木製のスピーカースタンドに乗せられていた。2本のSX-441/Uの間には、YAMAHAのGTラックが置かれていて、そこにSONY PS-2510とONKYO A7が設置されていた。

 SX-441/Uはキャビネットに天然木と思われる突板が奢られていて、綺麗である。サランネットからはユニットが透けていてその存在が窺える。2ウェイのようである。

 OTTOは三洋電機のオーディオブランド。どちらかというとマイナーな存在のブランドであった。そのブランド名は「音」からきているのであろうか、あるいは驚いた時に発する「おっと・・・」からきているのであろうか・・・

 SONY PS-2510はがっしりとした木製キャビネットを持っている。この時代の日本製のターンテーブルらしくダイレクトドライブ仕様である。

 ONKYO A7はスイッチやノブが整然と配置された美しいプリメインアンプ。躯体もしっかりとした感じで、きっと手に持ったらずしっと重いのであろう。

 日本にとって「良き時代」と評すべき1970年代のオーディオ機器で構成されたシステムからは、どのような音が聴けるのであろうか・・・

 「オーディオの方は全然気にかけていないんです・・・まあ、音が出ればいいという感じですかね・・・」

 と、Tさんは話されていたが、個人的には興味がするすると引き出されてしまう。1970年代において、このシステムはきっと眩しいくらいに輝くものであったに違いない。



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