2015/8/17

3258:パンク  

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 正丸丼は甘辛い味噌で味付けされた豚肉がご飯とマッチして食欲をそそるどんぶりである。爽やかな風が通り抜ける奥村茶屋の中で正丸丼を一気に胃袋の中へ注ぎ込んでいった。

 ここまでの行程でガソリン残量はかなり減っていたが、正丸丼を補充できたので、残量を示す針先は一気に上がった。

 次は本日のメインディッシュとなる「刈場坂峠」である。前菜として食した「山伏峠」「正丸峠」もそれなりの食べ応えであったが、次は更にボリュームアップする。

 そして、バトルゾーンともなるので出力も全開の予定。エンジン性能に応じてアクセルをしっかりと踏み込むこととなるので、一気に疲労度はMAXとなるはず。

 やや後ろ髪を引かれながら奥村茶屋を後にした。ロードバイクに跨って正丸峠を下っていった。道は結構荒れていた。強い雨が前日か早朝に降ったのであろう。石や木の枝などが道に流されていて、所々濡れていた。

 下り終えて刈場坂峠の上り口に到着した。刈場坂峠を上るのは随分と久し振りである。峠道の状況はほとんど記憶がなかった。

 「では上りますか・・・」という感じで、上り始めた。序盤は斜度が厳しい・・・ぐっと重みを感じるペダルを押し込み押し込みしながら上がっていくと、序盤からリーダーがフルスピードで上がっていく。どうやらstrava(ストラバ)の刈場坂峠区間のKOM狙いのようである。

 私はいつものようにサイコンの心拍数を頼りに負荷を微調整しながら上がっていった。序盤の厳しい斜度は、すぐさまエンジン回転数を上げる作用をもたらし、170はあっという間に超えた。

 先は長い。前半は175ほどで上って、後半はリミットを180まで上げていこうと頭の中で考えていた。

 5台のロードバイクの隊列は縦に伸びていった。私はちょうど真ん中3番手で上っていった。すぐ前を行くメンバの背中は視界の中にあった。その背中を視界の名に納め続けながら上りたいところである。視界にその背中があるかないかで、後半苦しくなった時のモチベーションを維持できるかどうかが大きく左右されるからである。

 路面は山伏峠や正丸峠よりもさらに荒れていた。石や木の枝があちらこちらに転がっていた。砕けた石が鋭い切っ先を上に向けているものもあり、注意しないとタイヤが裂けそうである。

 2km程上がったところであった。KUOTA KHANから「バシュ〜ン!」という、一気に空気が破裂するような大きな音が発せられた。

 その音が何を意味するかは、すぐに分かった。分かったけれど、心情的には認めたくなかった。その音がした斜め右下に視線を向けた。後輪は空気が抜けて変形していた。

 一瞬天を仰いでからロードバイクを停めた。KUOTA KHANをひっくり返し、後輪を外した。サドルバッグからパンク修理用の器具を取り出した。

 2名のメンバーに手伝ってもらってパンク修理を始めた。バンクした箇所を調べるとタイヤが鋭い刃物で切りつけられたように裂けていた。タイヤブートを使ってタイヤを補修した。まだ半分も上っていない地点でのパンクであった。汗をぽたぽたと流れ落としながら、ようやくパンク修理を終えた。



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