2015/7/25

3415:酷暑  

 猛烈な暑さは続いている。今日も日中は陽の光が殺人的な苛烈さであった。そんななかを私と妻は真黒な服を着込んで出かけた。妻の方の親類に不幸があったためである。

 葬儀場は大田区の方であった。車で1時間半ほどかかる場所である。東急池上線の「洗足池」駅のすぐそばである。
 
 その葬儀場のビルの窓からは、洗足池が臨めた。池は緑で囲まれて静かな面持ちであった。ここは桜の時期には多くの花見客で賑わうが、今日はさすがに人も少なく、ボートも1台も出ていなかった。

 葬儀場の中はクーラーが効いていて暑くはなかった。葬儀はきちっとした順序に厳格に従って進んでいった。

 僧侶の読経はマイクで拾われて、拡声され、それほど広くはない会場を満たしていた。焼香台に向かって、型通りの焼香を参列者が順番にこなしていく。

 祭壇には在りし日の故人のにこやかな写真が飾られ、その周囲を数多くの花が埋めていた。もう何も語ることのない故人の遺体は真っ白な棺の中に納めれれていた。

 斎場まではバスに乗って行き、そこでのいろいろを見聞きした。火葬しているときには、清潔な会場で用意されていた昼食を食した。

 それから合い箸で遺骨を骨壺に納めていった。会葬者が全員骨を拾うと、残りは職員が職人的な手つきで納めきって、骨壺は丁寧に箱の中に・・・

 すべてが滞りなく終わり、またしばしバスに揺られた。臨海斎場を出て、大森駅で数名を降ろしてから、元の葬儀場に向かった。マイクロバスの窓からは東京モノレールの電車が見えた。

 葬儀場でバスを降りて、親類の方と別れの挨拶を済ませ、そばのコインパーキングに停めていた車まで歩いた。

 強烈な陽に照らされ続けた車の中は恐ろしく暑かった。礼服の上着を脱いで黒いネクタイを取り去った。エアコンを猛烈な勢いでかけてから、車を発進させた。

 帰りは道が混んでいて2時間ほどかかった。妻は助手席で時折うつらうつらしていた。この暑さは体力を奪う。

 帰り道、車の窓からロードバイクを何台か見かけた。この暑さのなかアスファルトや周囲の車が発する熱を受けながら走っていた。

 妻が「明日も走るの・・・?」と訊いてきた。「その予定だけど・・・」と答えた。「明日は休めば・・・明日も暑いよ・・・」と妻は応じる。

 明日も今日と同じくらい暑いであろう。テレビのお天気コーナーでは熱中症の危険性が高いことを繰り返し伝えるに違いない。でも、恐らくその暑い空気のなかを走るであろう。



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