2015/7/9

3399:仮想風景  

 9時にはショップを出る予定でいたのに、結局11時ごろまで過ごした。その後半は「昇圧トランス祭り」といった状態であった。

 JS、Ortofon、WE、ADC製のトランスが次々に舞台に登場して、一定のパフォーマンスを行うと次の演者にその場所をゆずるといった具合でその「祭り」は進んだ。

 それぞれに個性があり、異なった音風景を見せてくれるトランス達であった。そんななかでも一番印象に残ったのはWE618Bであった。

 これは味わいが濃厚である。他のトランスがペーパーフィルターで淹れたコーヒーだとすると、WE618Bはネルで淹れたコーヒーという感じ。

 際立ったその味わいは一回味わうと癖になる可能性が高い。当然のことながらカートリッジとの相性といったものも介在するので、カートリッジが変わるとその音の風合いもがらっと変わってしまうかもしれないが、SPUとの組み合わせにおいて、WE618Bは際立った風合いを見せてくれた。

 RMG212iに装着されていたのはSPU Classic G。オルトフォンジャパンが扱うようになってから復刻されたモデルである。

 「これがより古い時代のSPUであったらどうなのであろうか・・・?」

 そんな思いがふっと頭をよぎった。中古市場に出回っているSPUは古い順にオーディオニックス、ハーマン、オルトフォンジャパンと、発売元が変わる。

 市場では、オーディオニックス時代のものが特に評価が高く、古いほど値段も高くなる。古い時代のSPUをWE618Bで昇圧して聴くと、さらに濃厚な味わいがもたらされるのであろうか・・・

 イタリアンロースト豆をネルを使ってゆっくりと淹れたコーヒーといった風情の味わいになるのかもしれない。

 その際のターンテーブルは当然TD124であろう・・・LP12ではなく。

 私の頭の中では、自分のリスニングルームの様子が浮かんできた。銚子のGREYで完璧にフルレストアされたTD124にはRMG212iが装着されて、その先端にはOrtofon SPU(オーディオニックス時代のもの)が装着されている。WE618Bを介して昇圧された音楽信号はMarantz Model7のPHONOに送り込まれ、さらにMarantz Model2で増幅されて、TANNOY GRFを鳴らす・・・そんな仮想風景が浮かんできた。それは今現在の私が思い描く理想的なリスニングルーム風景である。

 なんだかヴィンテージオーディオの王道的な仮想風景である。「ひねりがない・・・」とは思うが、時間がかかってもきっとその風景は実現されていくであろう。



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