2015/7/7

3397:グランツーリスモ  

 SPU-GTはトランスが内蔵されたタイプのSPUである。そのため、昇圧トランスを介することなくプリアンプに接続することができる。

 型番の最後に「GT」が付いていると、なんだかかっこよく感じてしまうのは、車好きの私は、車名の最後によく付いている「GT」を連想するからであろう。

 車名の最後に「GT」が付いていると、そのモデルは概ねスポーティーで特別な存在である。その場合の「GT」は、「グランツーリスモ」の略である。

 本来の意味合いは長距離ドライブに適したパフォーマンスとラグジュアリー性を有する車種という意味であったが、現在はスポーティーで特別な走行性能を有する車種といった意味合いで用いられることが多い。

 先日GTが付く特別仕立ての車に乗せてもらった。それはマセラティ クアトロポルテ スポーツ GT S。現行型ではなく、一つ前の型のクアトロポルテである。
 
 最近顧問先の会社の社長が2010年モデルの中古車を購入したのである。それを聞きつけた私は打ち合わせの後に1時間ほど助手席に乗せてもらった。

 その室内の内装はまさにマセラティ・・・イタリアンデザインの粋を見事に体現している。高級な本皮を贅沢に使っている内装は、アルカンタラを効果的に併用して高い質感を確保している。

 エンジンはフェラーリ製の4.7リッターV8ユニット。イグニッションキーを捻ると、野太い雄叫びが響き渡る。イメージ通りの「フェラーリサウンド」である。

 さらにダッシュボードにあるスポーツ・ボタンを押すと、マフラーのなかのバルブが開くのでそのサウンドがより活性化する。

 大きな車体はゆっくりと走り出した。道が空いたところでアクセルを少し踏み込むと、そのサウンドは甲高くなり「フォオォォン・・・」という爆音を撒き散らす。

 「回したくなるよね・・・このサウンド・・・まさに高回転型のエンジンだよ・・・」

 人間の心の奥深いところにある闘争心のようなものを奮い立たせるような咆哮音は実に気持ちが良い。

 足回りはがちっと締め上げられていた。街乗りに適した車ではない。体が疲れているときには少し厳しい車でもある。足回りは「ノーマル」と「スポーツ」を選択できるが、「ノーマル」を選んでも、その足回りは十二分にスポーティーな質感である。

 所沢インターから関越道に入って高速道路も走った。エンジンの回転数が上がれば上がるほどこの車の官能度は飛躍的に上がる。

 1時間ほど助手席に乗っていただけでも、結構お腹一杯であった。実に濃厚で官能的な車である。5年落ちの中古車で走行距離は3万キロであるが、やれた感じは全くない。ドイツ車とは全く違う価値観に基づいて作られた車という感じがした。

 そんな数日前のことを少し思いだしていた。SPU-GTの「GT」はもちろん「グランツーリスモ」ではない。しかし、「GT」が付くとなんだか、期待してしまう。

 「GT」はゆっくりと盤面に達した。甲高いエンジン音の代わりに、タンノイのモニターシルバーを震わせて響いてきたのは、マーラーの交響曲第4番の第1楽章であった。 



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