2015/6/19

3379:人となり  

 Marantz Model2には電源スイッチがない。コンセントの抜き差しでON・OFFするという手もあるが、プリンプを経由して電源を受け、プリアンプの電源スイッチと連動してON・OFFするのがメーカーの意図であろうし、スマートである。

 電源ケーブルやその他何種類かのケーブルの接続を完了して、Model7の電源スイッチをONにした。林立している真空管のオレンジ色が徐々に濃いものに変わっていくに従って、TANNOY GRFからは「ザ〜」という残留ノイズが漏れ出てくる。

 モニターシルバーは感度がとても高い。音楽信号が流れていない状態での残留ノイズは結構耳につく。スピーカーとリスニングポイントの間に広い空間を確保できない我が家のリスニングルームの場合、少々気になるところである。

 早速レコードをかけ始めた。まずはチィコフスキー交響曲第6番のレコードを取り出した。第1楽章を通しで聴いてみた。

 序盤はSPUの針先が暖まっていないので、しっかりとグリップしていなかったが、やがて針先は落ち着き、その音溝に刻まれた複雑な情報をしっかりと拾い始めた。

 懐が深く感じられる。ほんの少し前に我が家のリスニングルームに移動させられたばかりだというのに、何かしら慣れた芸を見せるかのような、こなれた雰囲気を感じる。

 まだ、その真価を発揮しているとは言える状態ではないが、TANNOY GRFとの相性の良さといったものを十分に感じさせる第一印象である。

 Model2のダンピングファクターは、1.3ほどの低い値に調整している。「オーディオショップ・グレン」で、モニターシルバーが搭載されたCANTERBURYでいろいろ試した結果、1.2〜1.4ぐらいがスウィートスポットであった。

 「レッドやゴールドなら、こんな低い値ではどうしようもないけど、シルバーの場合これくらい低い値でないと、上手く鳴らなくてね・・・」

 小暮さんはそう言った。

 「まだ、第一印象にすぎないけど、相性は良いようだね・・・1週間ほど聴いてみる・・・?セッティングを含めて、しっかりと馴染むまで時間がかかるだろうからね・・・」

 「そうですね・・・相性は良さそうですね・・・なんだかすんなりとパズルのピースが入ったような・・・そんな感じでしょうか・・・ぜひ、もう少し時間をかけて聴いてみたいですね・・・」

 2枚目のレコードを取り出した。ヘンデルのヴァイオリンソナタ第4番のレコードである。針先を綺麗にしてから、再度SPUの針先をレコードに降ろした。

 Marantz Model7とMarantz Model2により奏でられるその音の感触は滑らかで幽玄である。舌の上ですっと溶けていくアイスクリームのようにひんやりとして甘い。その味わいをゆっくりと吟味しながら、設計者であるソウル・B・マランツの人となりを想像していた。Model2とModel7には彼の人となりが色濃く投影されているような気がしたのである。



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