2015/6/16

3376:FINISH  

 Mt.富士ヒルクライムは終盤を迎えていた。体の疲労感は相当な指数を示していたが、ペースが大きく落ちるということはなかった。

 サイコンに表示される心拍数は175前後で安定していた。斜度が厳しくなるエリアはダンシングでやり過ごしながら、平坦区間が現れるのを持った。

 ようやく平坦区間に・・・フロントのギアをアウターに入れるかどうか少し迷った。平坦区間の前に斜度が上がる区間があり、そこをダンシングで上っていた時両足の太ももの裏側に違和感を感じた。

 筋肉が攣る前兆のようなものであった。ゴールを目前として筋肉が攣るかもしれないという恐怖感が私の脳裏をかすめた。

 平坦区間で一気にスピードアップを図りたいところであるが、フロントギアはインナーのまま、リアのギアをSHIMANO ULTEGRAのレバーを数回クリックしてトップに入れた。

 急激に脚に負荷をかけずに、徐々にクランクの回転スピードを上げていった。スピードは30kmを超えた。やがて35kmまでスピードは上がった。

 近くを走るトレインがないか探したが、高速で走っているトレインは見当たらなかった。残念ながら単独走行で走り続けるしかなかった。

 平坦区間を勢いよく駆け抜けていくと、道はやがて緩やかに上昇に転じていく。その斜度が上がっていくに従って、リアのギアを軽いものに変えていった。

 ゴール前500mほど・・・ラストスパートをしたい気持ちはあるが、体が言うことをきかない。ダンシングでTIMEのペダルに体重を乗せて、左右に体を揺らす。その揺れに合わせて体から軋む音が聞こえてきそうであった。

 最後の坂道を上っていくと「FINISH」と書かれた横断幕が見えてきた。その「FINISH」の文字を睨み付けるようにして、歯を食いしばった。

 ゴールラインを越えた。そのラインを越えた瞬間にサイコンのタイマーのスイッチを押した。そこに表示されたタイムは「1:26:23」であった。

 「立ち止まらないでください・・・次々にゴールしてきますので・・・前に進んでください・・・」

 スタッフのアナウンスに促され、KUOTA KHANから降りてふらふらしながら歩いた。預けた荷物を受け取るために広い駐車場までの長い道程を、その労苦を共にした数多くのローディーと一緒に列を作ってゆっくり進んだ。

 ゼッケン番号ごとに置かれている荷物からようやく自分の荷物を見つけ、それを背負ってチームメンバーが集まっている地点へ向かった。富士山は白いもやに覆われていて、見ることはできなかった。

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 初めて参加した一昨年が1時間34分36秒、2回目の昨年が1時間31分27秒と2年続けて跳ね返されてしまい、越えることができなかった「90分の壁」・・・3度目となる今年、ようやく越えることができた。



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