2015/6/15

3375:トレイン  

 やや高回転気味に回るエンジンをなだめながら、ちょうどいいペースで走っているトレインを探した。

 5kmを経過した辺りであった。3両編成のトレインが私の右脇を通り過ぎて行った。ややスピードが速いかもと思ったが、その列車の最後尾に飛び乗ってみた。

 序盤、170台の後半で頑張っていた心拍数は175ほどで落ち着いていた。そのトレインに乗りはじめて、また心拍数は170の後半へ向けて上がり始めた。

 このトレインは協調体制がしっかりと取られているわけではなく、先頭交代は全くなく、淡々と引く先頭の車両に他の3両はただただ付いているだけであった。

 トレインに乗り続けて10km地点を経過した。今日はあまりタイマーの数字を気にしないで心拍数のみを見るようにしていたが、さすがに気になってタイムを確認した。36分30秒ほどであった。

 「いける・・・90分は間違いなく切れる・・・」

 そう思った。心配なのは前半結構良いペースで走ってきたので、後半でペースがガクンと落ちないか、ということである。
 
 10kmを過ぎたあたりから、私のすぐ前3両目のロードバイクが遅れ始めた。そしてやがて切り離されていった。私はその彼に替わり、3両目の位置に付いた。

 3両編成となったトレインは相変わらず少し速いスピードを維持しながら走り続けていた。15kmを経過した。

 呼吸も脚も余裕はない状態である。コースの斜度は一定ではなく。上がったり、緩やかになったりを繰り返す。
 
 15kmを経過してから、斜度が上がるとトレインのペースについていけなくなり、その間隔が10〜20mほど開く。そして斜度が緩むとペースを上げて2両目のロードバイクの背後にくっつくということを何度か繰り返していた。

 富士スバルラインには5合目までの距離が道標となって規則的に並んでいる。「5合目まで残り6km」あたりのところであった。前2両のペースが上がった。

 私はそのペースについていける脚の状態ではなく。前2両と私の間の空隙はぐんぐんと大きくなっていって、その隙間にあっという間に多くのロードバイクが入り込んできた。

 やがて、2両編成となって身軽となったトレインは数多くのロディー達の様々な色合いのサイクルジャージの中に紛れ込んでいき、識別できなくなってしまった。

 残り6km・・・ここからが真の試練である。先導役を失った。他者の助けはない。自力で勢いを増す乳酸と戦い、弱い自分の心を克服していかなければならない。

 心拍数は175で貼りついていた。心拍数は正直である。疲れ切ってだれてしまうと、数値は下がってくる。これからは、その数値の導きに従って無心でクランクを回すしかない。



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ