2015/5/1

3330:満月うどん  

 武蔵野うどんの定番は、冷水でしめた冷たいうどんを暖かいつけ汁に浸して食べる。そのつけ汁は豚肉を入れた醤油ベースのものが多い。

 そういう点においては、ラーメン店のつけ麺に似ている。二人は二つあるテーブル席に座った。もう一つのテーブル席には3人の職人さんたちが陣取っていた。何かしら現場の話を盛んにしていた。

 四つ椅子が並んだカウンター席にはそれぞれ単独できているサラリーマン風の男性が3人座ってうどんをすすっていた。

 ここは小さな店である。最大12名の客しか入れない。そのため、お昼時は待たされる。平日であれば少し時間をずらせばどうにか大丈夫であるが、土日となると多少時間をずらしても、美味しいうどんいありつけるのにはそれなりの待ち時間を覚悟しなければならない。

 二人とも定番と言える「肉つけ汁」を頼んだ。値段は730円である。店内は店主の奥さんとパートの女性で切り盛りしている。店主は奥の調理部屋でうどんを茹でている。ここの店主は二代目・・・まだ若い、30代後半が40代前半と思われる。

 しばし待った。そして、そのうどんはすっと目の前のテーブルに並べられた。実に良い色合いである。地粉を使っているので真っ白な色合いではない。

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 久しぶりに味わう満月うどんは相変わらず美味であった。この近辺で食することのできる武蔵野うどんのなかでは、文句なしに一番の出来と思っているここのうどんは、艶やかで噛むとうまみ成分がじわっと舌に流れ込んでくる。

 「寧々ちゃん」の頬も緩みがちになる。二人は差し障りのない会話を続けていた。

 「いっそ、セグメントを一つ上げてCセグメントの中から次の車を選べばいいじゃないかな・・・だってミトの前はメガーヌだったんでしょう・・・Cセグメントには良いモデルが集まっているから・・・乗り心地もどしっと腰が座った感じになるし・・・まあ、絶対的な王者はゴルフだよね・・・それの対抗馬はプジョー308やルノー メガーヌかな・・・あとボルボ S40も人気がでている。」

 「でも一つ大きなサイズの車って、普通になっちゃうような気がして・・・なんていうか、お洒落度が低下するような・・・」

 「まあ、確かにファミリーカー的な穏やかさというか落ち着いた雰囲気になるよね・・・そうなると価格がぐんと上がるけどプレミアム御三家のモデルにいくとか・・・Audi A3、BMW 1シリーズ、Mercedes-Benz Aクラス・・・100万円ほど価格が上がるけど・・・」

 「ブランドに100万円かけるわけには・・・主人が言うようにルーテシアなんか無難かも・・・あまり見かけないし・・・取り回しも楽そうだし・・・」
 
 二人の会話はどうでもいいことの周囲を回り続けた。特に込み入った話をする雰囲気でもなく、のどかなこの店内で美味しいうどんを食べていた。時間はゆっくりと流れているようであった。



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