2015/1/12

3221:初アタック  

 年末年始を挟んでいるので、2週間ぶりのロングライドとなった。そのためか、山伏峠の上り口に到着した時には、少々体が重いような気がした。トイレ休憩を済ませ、いよいよ今年初の峠アタックである。

 入りはゆったりと入る。道路幅拡張工事のために片側交互通行になっている区間の前で赤信号で少々待たされ、しばらく上ったところにある製材所を左に曲がる頃から徐々にペースが上がり始める。製材所を過ぎたあたりから上級者の背中は小さくなっていく・・・というのがこの上りでのいつものパターンであった。

 しかし、今日は違った。まず赤信号に捕まらなかった。信号を目で認識できるところに来た時にはランプは赤であったが、その下に表示される待ち時間の秒数は一桁であった。ゆっくり登っていくとジャストのタイミングで信号は青に変わった。

 「今年は良いことがあるのかも・・・Mt.富士ヒルクライムでの90分切りもうまくいくかな・・・」

 そんな勝手なことを思いながら気分よくその片側交互通行区間をやり過ごした。そして、もう一ついつもと違う展開が・・・製材所まではゆっくりと上ることが多いのであるが、先頭を引くリーダーのペースが序盤から速い。

 製材所の前ですでに差が開き始めた。私の前のBH G5を駆る上級者はそれに続いてペースを上げていく。

 「早い展開・・・このペースにはついていけない・・・」

 あまり無理をしすぎると後半脚が完全に機能不全に陥ってしまう。差がどんどん開いていってしまうが、心拍数が180を超えないようコントロールしながら上がっていった。

 山伏峠の中盤あたりで、すでに前を行く上級者2名の背中は視界から消えた。こうなると心の糸を切らずに上がることには、かなりの困難を伴う。

 数分先にスタートした3名のメンバーの背中が見えると、それを目標物としてクランクを回す脚に力を込めた。「頑張ってください・・・」激しい呼吸の合間からメンバーに声をかける。

 山伏峠を上り切り、重力に任せて下った。途中で右折して今度は正丸峠への上りへ向かった。前方にはメンバーの背中が見えない。後方を振り返ってもメンバーの姿はない。

 追う目標物が視界にない状態でどうにかこうにか歯を食いしばってクランクを回し続ける。シッティングを中心として時折ダンシングを混ぜながら、正丸峠の頂上を目指した。

 時折視界が開け、青い空が目に飛び込んでくる。雲の全くない澄み切った青空である。回転数の割に出力があまり上がらないエンジンは苦しげな給排気音を響かせていた。

 その音を聞いているのは私一人である。ハイカーや車ともすれ違わなかった。どこかで鳥の鳴く声が響くことがあった。

 正丸峠の上りは一人旅で終えた。「もう少し実力をつけたい。視界に前を行くメンバーの背中をどうにか収めておけるくらいには・・・」呼吸を整えながらそんなことを思った。

 峠の頂上から見える景色は冬の特権であるかのように澄んでいて遠くまで見渡せた。東京スカイツリーもくっきりと小さく見えた。

 上り切ったばかりは体の発熱で暑いが、峠の頂上を抜けていく風により、その熱は間もなく奪われていってしまった。

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