2014/12/24

3202:C5  

 ジャズケンさんは私たち3人をにこやかに迎えてくれた。ジャズケンさんの家のガレージには、シトロエンが停まっていた。

 さっと通り過ぎた際に脇目で見ただけであるのでモデル名まではしっかりと確認できなかったが、確か先代のC4かC5のようであった。シトロエンの日本での販売台数は控えめな数字である。街で見かけることも稀である。。

 先代のシトロエンは、どのモデルもフランス車らしい思いっきり感のある伸びやかなデザインである。ドイツ車のような理路整然とした造形というよりは、フランス車らしい渋みや灰汁を含む、不可思議感が振りかけられている。

 シトロエンを目にして「分かっている感」を密かに感じながら、お宅の中へ入っていった。リスニングルームにはオーディオシステムやレコードがギュッと詰まっていた。

 ジャズケンさんのお宅で印象的だったのは5つの「C(し)」であった。まずはシトロエン ・・・フロントグリルにはダブル・シェブロンが誇らしげに輝いていた。

 「『し』ゃれている・・・」

 自宅のガレージにシトロエンが停まっているだけで、お洒落に感じてしまうのである。さすがフランス車・・・柔らかなエスプリの香りのようなものが漂う。

 ジャズケンさんのシステムは、LINN LP-12>OCTAVE V40SE>LINN NINKA というラインナップである。LP12のキャビネットはメープル。NINKAもメープル。そのラインナップを眺めていると、銀座にあるとあるオーディオショップが思い浮かんだ。そのショップでの一押し的なシステムであったからである。

 「『し』ョップはきっとあそこだ・・・」

 レコードを何枚か聴かせていただいた。印象的であったのは、ビートルズのドイツ盤オリジナル・・・音の鮮度が素晴らしい。なんだかキラキラした音質である。

 「『し』ゃきしゃきしている・・・BEATLES初期のはつらつとしたエネルギーがすごい・・・」

 何枚か聴かせていただいたレコードのなかでもう一枚印象的であったのはピンクフロイドの「炎」。ニンバス盤であった。このニンバス盤、実に高音質・・・丁寧に磨き上げ、すっきりとした抜けきり感がある。

 「『し』ルバーの質感だな・・・このニンバス盤・・・シルバーの持つクールでシャープな質感が音から感じられる・・・」

 そして最後の「C(し)」は、ジャズケンさのオーディオシステムのなかで、異様な存在感を示していたタスカムのオープンリールデッキである。

 タスカムはプロ用のブランド。その表面に様々な調整のためのスイッチやノブが整然と並んでいる。

 タスカムのオープンリールで聴いたジャズは、そのエネルギーが桁違い。「ズンときて、ドスン・・・」という感じで音が放出される。その奔流ぶりにはしっかりと体を支えていないと、流されそうな感じであった。

 「『し』っかりしているな・・・土台が屈強である。」

 タスカムのオープンリールは、その外観同様、奏でる音もがっしりとしたものであった。テープに嵌る人々の心持が分かる気がした。

 5つの「C(し)」を堪能して、ジャズケンさんのお宅を後にした。最寄り駅まで送ってもらった。夜の街は様々な色合いの照明に彩られていた。クリスマスが近いことがあちらこちらの店のデコレーションから感じられた。12月はすっかりと深まっていた。

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