2014/12/16

3194:コンビニおでん  

 奥多摩湖でしばし休憩していると、やがて雲が太陽を隠してしまった。それと同時に風もでてきた。こうなると、体感気温が急激に下がり始める。

 寒くなってきたので、いそいそと帰りの支度にとりかかった。ヘルメットをかぶり、グローブをはめ、サングラスをかける。やりなれた一連の動作を手際よくこなし、ロードバイクに跨った。右足のクリートをペダルに嵌めた。カチッと乾いた音がした。

 「帰りは相当寒いだろうな・・・まあ、冬だからな・・・しょうがない・・・」

 そんなことを思いながら、トレインを組んで下り始めた。急激に体に襲いかかってくる冷気は体から容赦なく熱を奪い去ってゆく。腕や太ももが小刻みに震える。

 「冬の下りは寒い」それはローディーにとって、「1+1=2」というのと同じくらいに当たり前のことである。そのことは今までに何度も身をもって体験している。そして、これからも何度も経験することとなるであろう。

 12月ではあるが真冬並みの寒さの今日・・・当然のこととして下りは猛烈に寒かった。「これは当たり前のこと・・・当たり前のこと・・・冬の当たり前・・・」そんな意味のないつぶやきを脳内でぶつぶつやりながら、風を切って下っていった。

 いくつかのトンネルを逆方向から抜けていく。耳元を猛烈な勢いで過ぎ去っていく空気が、盛大な風切音を途切れることなく掻き鳴らしていく。

 8両編成のトレインは下り基調の道をドンドンと進んだ。順番に先頭交代を繰り返し、やがて青梅駅前のレトロな雰囲気満載の商店街を抜けた。

 岩倉街道に入る前にコンビニ休憩をして、枯渇したガソリンタンクにたっぷりとエネルギー源を放り込んだ。

 先日「マツコの知らない世界」で「コンビニおでん」の特集を観たせいか、おでんが食べたくなった。冷えた体も温かいものを求めていた。

 「タマゴとちくわぶ・・・それから大根をお願いします。つゆは半分くらいで・・・」

 コンビニのアルバイト店員は手際よくおでんのタネをつかみ、専用の容器に入れる。そして半透明のプラスチックのふたをした。

 温かいおでんがおいしかった。「コンビニおでん」は決してバカにできないクオリティーである。つゆも全部飲み干した。良いだしで仕上げられていて美味であった。

 コンビニ休憩を切り上げて、さらに帰路を進んだ。岩倉街道を進み、青梅街道に入り込み、東へひたすら向かう。武蔵村山市役所を過ぎると、自宅まであとわずかとなってくる。

 東山大和市のメンバーは途中で本隊から離脱してそれぞれの家を目指す。私も途中で青梅街道を左折して、トレインと別れた。

 「お疲れ様・・・」乾いた冬の空気に挨拶が数回響いた。一人になった。「よかった・・・長引いた風邪による悪影響は思ったほどではないようだ・・・2,3ケ月かかると思っていたがもっと早い段階で従前の調子を取り戻せるかもしれない・・・」そんなことを思いながら家への道を急いだ。



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